(29)玄関ドア選び後編:YKKのショールームで想像力を駆使する
前回に続いて、玄関ドア探し。
今回は、YKK AP(ワイケイケイエイピー)のショールームにやってきました。
「レガーロ」というラインがLixil(リクシル)で言う「リジェーロ」と同じくらいのグレードにあたるようなのですが、見当たりません。
受付の方に尋ねてみると「レガーロはこちらには置いていないんですよ」という返事(!)。
展示があるのはすべて戸建て用のドアでアパートドアはないそう。
「品川のショールームにひとつだけあります」
し、しながわ……。
しかも、それも目当ての型番とは違うらしく、そのために品川まで足を運ぶのもためらわれます。
僕が見たいのは、コテージドア風のタイプ(C21)。
ちなみに、前回見たLixilの「リジェーロ 」(21型) はこんな感じでした。
このとおり、カタログで見るかぎり、ほとんど同じデザインにしか見えませんよね。
「リジェーロ」と「レガーロ」って名前も似てるし、おまけに型番は両方とも21。
ひょっとしてわざとやってる?
という疑問はさておくとしても、実物を見て比較できないのは困ります。
そこで、いちばん大事なポイントである「板張り風のライン」について受付の方に確認してもらいました。
前回、ご紹介したとおり、Lixilの「リジェーロ」では平らな表面にラインがプリントされているだけ。
個人的にはそれがどうしても気に入りませんでした。
もしYKKの「レガーロ」も同じプリントなら選ぶ意味はありません。
こういう細かい仕様については、ショールームのスタッフさんも即答できないようで、別の部署に電話して問い合わせていただきました。
結果、タテのラインは溝状の立体加工であるとの確認が取れました。
僕にとってはこの差はすごく大きく、この瞬間「レガーロ」を採用することに決めました。
デザインはこのC21のタイプを選ぶとして、問題は面材(カラー)選びです。
聞けば、YKKのアパートドアは戸建て用と同じ面材を使っているそうなので、ショールームに展示されるもので表面の質感は確かめられるそうです。
目の前の展示品の質感を見ながら、C21のデザインを思い浮かべ、想像力を駆使して脳内合成しながら検討するしかないようです。
ということで、ならんだドアを順に見ながら、面材の質感を確かめていきます。
驚いたのはカラーバリエーションの豊富さ。
こちらはショールームでいただいたカラーイメージのサンプル帳から抜粋した画像です。
こういうふうに一望できると比較しやすいですね。
中でも気に入ったのは、適度にラフな木目模様が入った「マキアートパイン」。
今風に言うと「ラスティックな」雰囲気で、黒い壁との相性も良さそう。
と思いきや、こちらのカラーは「レガーロ」のラインナップには含まれていないそうです。
やっぱりアパートドアは選択肢が狭まるわけね……ショボン。
気を取り直して「レガーロ」のカラーバリエーションを確認すると…
木目調は上段のみですから、だいぶ選択肢が狭まってしまいました。
Lixilの「リジェーロ」では8種類がラインナップされていましたから、カラーバリエーションではLixilに軍配が上がるという印象です。
さらに、よくよく見ると、僕が選んだドアのタイプ(C21)に対応できるカラーとなると、さらに選択肢は狭まるらしく……。
こうなったら予算を増額して戸建て用のドアに変えようとかなと思い、工事担当のKさんに電話するも「戸建て用はアパート用にくらべてサイズが大きくて(山の家には)入らないと思います」とのことであえなく撃沈。
まあ、予算も限りがあるし、仕方ありません。
結局、この中でいちばんイメージに近い「キャラメルチーク」を選びました。
アパートドアもプラス料金で面材の選択肢を増やしたりできればうれしいんですけど、そういう需要は少ないんでしょうかね。
そんなこんなで最終的にできあがったドアがこちら。
いろいろ迷いましたが、けっこう気に入ってます。
近寄ってまじまじとみれば「木目調」ではありますが、ふつうの距離感で見れば十分満足できる質感です。
板張り風のデザインも、プリントではなく立体の加工がなされているおかげで、コテージドア感が出ているので満足です。
この形状のおかげで、見るほうの意識が木目調の質感だけにフォーカスされないで済むんじゃないかと思っています。
ちなみにドアを開けると、
裏は白。
うちの場合、たまたま壁を白の珪藻土にしたので、組み合わせ的には浮かないで済みましたが、もし2階のような木材で仕上げた内装だったら、この真っ白な裏面はなんとかしたかっただろうなと思います。
ちなみに、戸建て用だと裏面もしっかり木目調に加工されていることが多いようです。
賃貸を経営していると、賃貸アパート用と一戸建て用の設備のあいだに存在する格差を痛感させられます。
いわゆる賃貸アパート用は安価ですがチープさが目に付く。
戸建て用はデザイン的に気がきいているんですが価格もサイズも大きめ。
個人的に欲しいのはこの中間ですが、需要があまりないのもうなずけるので仕方ないですね。
次回は、室内に戻って洗面を検討します。