(308)洗面と玄関におけるセンサーライトの使いどころを考える
前回、玄関工事のビフォーアフターをごらんいただきました。
今まで触れてきませんでしたが、洗面から玄関にかけての工事にあたっては、電気屋さんにお願いしてセンサーライトを導入し、スイッチに手を入れたりもしています。今回は、そのあたりの話をしたいと思います。
■洗面照明の使い分けを考える
まずは水まわりから。間取り図をごらんください。
黄色のアルファベットで示した3カ所に照明を設置しました。この3つの照明の棲み分け(使い分け)がポイントです。
(A)は以前もご紹介した洗面の壁付け照明です。
「パシフィックファニチャーサービス」の「モーテルランプ」にIKEA(イケア)のスマート電球「トロードフリ」を組み合わせました。
調光&調色可能な電球なので明るさや色味が自由に調節できて便利です。
水まわりは二畳ほどの狭さなので、この洗面照明だけがあれば明るさ的には事足りるように思えますが、間取り図の(B)と(C)の位置にも天井埋め込み式のダウンライトを設置してもらいました。
(B)のダウンライトはセンサー式のタイプを選びました。
ごらんのとおり、この水まわりには2つのドアからアクセスすることができます。
センサー式ならば、どちらから入ってもスイッチに触れることなく部屋が明るくなります。もし(A)の洗面照明しかなければ部屋に出入りするたびに洗面台まで行ってスイッチをオンオフしなければなりません。センサー式の照明ならこの手間を省くことができます。
一方、(C)にもダウンライトを設置しましたが、こちらはセンサー式ではなくノーマルなタイプを選びました。この照明は洗濯機を回すときや、脱衣所をカーテンで間仕切るときに使用しますからスイッチでオンオフするほうが使いやすいのです。
■センサー照明のスイッチはあえて押しにくい場所に設置
スイッチの位置についても書いておきましょう。
(A)の洗面照明については目立つ場所にスイッチプレートを設けたくなかったので、電球とペアリングしたリモコンを洗面台の上に直置きして使っていることは以前も書きました。
(C)のダウンライトは、すぐわきの壁にあったもともとのスイッチをそのまま使っています。
リノベーションのたびにスイッチを選ぶのも楽しいのですが、今回はもともと設置されていたナショナル(National)のスイッチプレートが部屋の雰囲気に合うので残すようにしました。
過去に交換してしまったコンセントも、別の部屋の工事で余ったもので再度交換し直して、統一感を出しました。
さて、問題は(B)のセンサーライトのスイッチです。
もともとはすぐわきの壁にあり、トイレの照明スイッチと同じプレートにありました。これは位置を変える必要があると思いました。
基本的にスイッチには触れずにオンにしたままにするセンサーライトのスイッチが他のスイッチとならんでいると誤って付けたり消したりしてしまいやすく、せっかくの利便性が損なわれてしまうのです。
そこで、あえて隣の玄関にスイッチを設けてもらい、ちょうど余っていた一口スイッチを設置してもらいました。
玄関から水まわりに入るドアの横。柱を挟んでいるので押しやすくありませんが、そこがいいのです。間取りでいうとここ。
基本的には帰宅時にのみセンサーライトをオフにしてから帰るので、スイッチが玄関側にあると便利です。
■玄関にはセンサー式の電球を設置
続いては玄関の照明について。
前回もチラッとご紹介しましたが、塗装したレセップと一緒に電球を直付けしています。この電球、工事前から設置していたものでセンサー内蔵型の電球です。
基本的に玄関は長居するところではありませんし、荷物を持って帰宅した時などにパッと自動的で灯りが点いてくれると本当に便利です。
では、なぜ洗面と同じセンサー式のダウンライトにしなかったかというと、将来的にペンダントライトに交換できる余地を残しておきたかったから。
玄関の壁にはせっかく苦労して「バンピーウッド」も張ったことですし、これとうまく合うようなシェードが見つかったら交換しようかなと思っています。ダウンライトではなくシーリングなら気が向いたときに自分の手で照明を交換できます。
ダウンライトは悪目立ちしないスマートな見た目が特長ですが、気軽に交換できないのが難点といえば難点かもしれませんね。
■スイッチの配線を入れ替えて操作しやすいように工夫
玄関のセンサー電球とつながるスイッチについても一工夫しました。間取り図に赤で照明位置を示してみました。
(D)が今お話したセンサー電球が設置されているところ。土間の真上にあたります。
これ以外に玄関ドアのわきにある(F)「外灯」、引戸の向こうの(E)「リビング照明」の3つの照明につながる3連スイッチが玄関わきの壁に設置されています。
困ったことに「どのスイッチがどこにつながっているか」非常に覚えづらいものでした。
3連スイッチの上から順に(D)「玄関」(E)「リビング」(F)「外灯」となっていましたが、これがなかなか直感的に操作しづらかったのです。
いちばん上にある玄関のセンサー照明のスイッチはほとんどオフにする必要がないため、他のスイッチとまちがってオフにしてしまう場所にあると使い勝手が悪くなってしまいます。
一方、もっとも使用頻度の高いリビングのスイッチは上から二番目にありますが、この電気を点ける際に誤っていちばん上のスイッチを押してしまい、玄関照明がオフになって真っ暗になってしまったりすることがありました。同じプレートには外灯のスイッチもならんでいますから、混乱するとわけがわからなくなります。家主ですらこれですから、遊びに来たお客さんはどのスイッチを押していいかわからず、戸惑うことも多かったようです。
そこで今回の工事にあたって直感的に操作できるように配線を変えてもらうことにしました。
もっとも使用頻度の高いリビングのスイッチをいちばん上に持ってきて、玄関のセンサー照明は上から二番目に下げ、位置を入れ換えました。
■細身のツインスイッチで直感的に操作できるように
さらに、リビングのスイッチを目立たせるためにスイッチ本体も交換してみました。
ふつうの3連スイッチではなく、2口のひとつにミニのダブルスイッチが入る変化球タイプ。パナソニック(Panasonic)の埋込ツインスイッチ「WN5121」です。
このダブルスイッチはわりとマイナーな製品で、電気屋さんも初めて設置したと言っていました。僕は9坪ハウスに宿泊して初めて知りました。
9坪ハウスにあったのはナショナル(National)の製品で、てっきり廃番だと思っていたのですが、現在もパナソニック(Panasonic)が後継商品を生産しているとわかりました。
頻繁にオンオフするリビングのみノーマルなサイズのスイッチを割り振り、あまり触らない2つをミニのツインスイッチに割り振ることで、使用頻度の多いスイッチを自然に押せるように工夫してみました。
おかげで僕や妻がまちがえることはなくなりましたし、たまに来る父や妹なども問題なく使えているようです。リビングのスイッチだけを黒にしたので「黒のスイッチを押してね」と一言で説明もしやすいです。
でも、白黒のスイッチが混在してるから、見た目はちょっといまひとつかな……今回は使い勝手を優先した次第です。
センサー照明やスイッチの交換はリフォーム工事のなかでは地味な部類に入るのかもしれませんが、用途をしっかり考えて改善すれば思った以上に生活が快適になります。ダウンライトの設置やスイッチの交換などの電気工事はプロにお願いせざるをえない領域ですから、リフォーム工事の際にじっくり検討することをおすすめいたします。