(315)柱が邪魔でL型キッチンが置けない……どうすればいい?
今回は、ふだんうちのマンションのリノベーションでキッチンを新調するときに工夫しているポイントについてお話します。
まずは、工事を施す前の間取りからどうぞ。
洗濯機置場が問題だということは先日も書きました。
先代の大家(僕の叔父)が外置きだった洗濯機置場をムリヤリ室内に移した結果です。
これは他の部屋の写真なのですが、右下に見える洗濯機置き場がガスコンロの前のスペースにはみ出てしまっていてとにかく料理がしづらいのです。それに、油汚れが付きやすい場所に洗濯機があるのは不衛生な印象を与えます。
そこで、洗濯機置場をガスコンロから離してキッチンの端に移転することに。
古いキッチンは撤去して隣に冷蔵庫置場を確保するとして、残りの場所にどんなキッチンを配置すればいいのでしょうか?
ふつうに思いつくのは、新しいキッチンをコンパクトなサイズにしてすべて横並びにする配置。
実際、これを試した部屋もあります。新古品のミニキッチンを格安で譲っていただいたので、シンクとガスコンロの位置は逆になっていますが、それはさておき。
限られた横幅に「洗濯機置場」「冷蔵庫置場」「キッチン」を詰め込むと、どうしても窮屈な印象がぬぐえません。冷蔵庫置場もミニマムになってしまい大型が置けないのもデメリットですが、なによりキッチンが小さくて調理する場所に困ります。
手前に見える靴箱の上をカウンターとして使用できるようにすることで多少のスペースを確保しましたが、それでも狭い。できればシンクとコンロの間に30cm幅くらいの調理スペースがほしいのです。
となると、思い浮かぶのがL型キッチンです(写真は間取りを大幅にいじった部屋に設置したもので趣旨が異なるので詳しくは別の機会に譲ります)。
冷蔵庫置場の横から窓際までのスペースを使ってL字にキッチンを配置すれば、残ったスペースをムダなく使えるように思えるのですが……
この柱は構造上撤去できないため、一般的なL字型キッチンは設置できないのです。
苦肉の策として考えたのが「柱を避けるように業務用キッチンを配置する」という方法でした。
業務用キッチンについては、以前、山小屋のキッチンをリフォームした際にもご紹介しましたね。
以前、「日刊Sumai」で書いた原稿もまだ配信先に残っていました。
繰り返しになりますが、業務用キッチンは「ガスコンロ」「作業台」「シンク」などがバラバラになっていてサイズバリエーションも豊富なので、スペースに合わせて組み合わせることができるのです。
以前、山小屋のキッチンをリフォームした際には横一列にならべましたが、今回のように柱が邪魔でノーマルなL型キッチンが設置できない部屋にも対応可能です。
先ほどの部屋の写真をわかりやすいように反転させてみましょう。
窓際には120cmのガスコンロ台を置き、壁側に60cmの引出し付き作業台と60cmのシンクをならべて置きました。
間取り図で見るとこんな感じ。
いろいろ考えた結果、現時点ではうちのマンションのキッチンリフォームはこの配置がベストだろうと思っています。
実際、僕自身の部屋をリフォームした際にも業務用キッチンをL字型に配置しました。ベランダ置きの洗濯機をキッチンに移すことはせず、そのぶん大きい業台を設置したのがポイント。
しかし、業務用キッチンのちょっと武骨な雰囲気はインテリアを選ぶのも事実です。
前回・前々回もお話したとおり、今回のリビングは壁紙や床に柄を入れ、巾木や廻り縁でちょっぴりクラシカルな雰囲気を出しています。個人的にはこの部屋に業務用キッチンはちょっと不似合いなのではないかと思えました。
かといって業務用以外で柱をうまく避けてセパレートでキッチンを設置できる製品があるのでしょうか……次回は、サンワカンパニーのコンパクトキッチン「フィーネ」にひと工夫加えてセパレートキッチンを造ります。