(319)キッチンカウンターの立体的な壁にDIYでタイルを張る
前回、洗面の壁にタイルを張りました。
続いてはキッチンの壁やカウンターにタイルを張っていきます。いきなりですが、完成後の写真からどうぞ。
実を言うと、もともとはキッチンにタイルを張るつもりはありませんでした。
柱を避けてキッチンをセパレートで設けた都合でスキマができてしまい、カウンターを造作してもらうことになり、この天板の仕上げをどうするか考えねばなりませんでした。
コンロ台の隣ですし、気軽に鍋やフライパンを置けるようにしたかったので、洗面のついでに同じタイル(平田タイルの「SAVON」)を張ることにしたのです。
その際、現場監督のKさんから「このキッチンだったら、カウンターから立ち上がる感じでタイルを張ったらかっこいいですよね」と言われ、試してみたくなりました。
もともとキッチンの壁には白のキッチンパネルを張る予定だったのですが「先にタイルを張ってくれれば、そこを挟む感じでパネルは張れますよ」とのこと。
こちらがタイル施工前の現場。
当初はタイルを張るつもりだったのは赤で囲った部分だけでしたが、現場を見たらコンロ台の後ろやカウンターの横の壁までカバーしたくなってしまい、結局こうなりました。
実を言うと、この時点で工事のスケジュールも押し気味でじっくり計画を立てる時間もありませんでした。そんな中で急きょキッチンのタイル張りをおこなうことになったので、現場でタイルを合わせながらカットし立体的な収まりを調整するというぶつけ本番的な作業でした。前回、準備作業が大事とか言ったばかりなのに……すいません。
前置きが長くなりましたが「立体的な壁にタイルを張る」というのが今回のメインテーマ。
立体的なタイル張りというと、これまででもっとも大変だったのが山小屋の離れの洗面の壁でした。
今回は施工面積こそ少ないもののカウンターまわりの形はさらに複雑。
まず、カウンターの天板に仮置きしてみたのですが、
いきなり左端がぶつかりました。最初からついてない……ほんの数ミリていどタイルのほうが大きいという、DIYにおいてはもっとも厄介なケースです。
この「SAVON」というタイルの形状からすると、赤い破線で示したラインでカットすれば丸型の部分はカットせずに済むのが不幸中の幸いです。丸を囲むアーチ形の小さいピースなら喰い切り(タイル用のペンチ)でもカットできそう。
まず、タイルをつなげる紙からアーチ部分をはがしてバラバラにします。
ひとつずつ割っていきます。喰い切りを使ったタイルカットについては以前も書きました。
根気のいる作業です。
小さいピースができました。
こんな感じに収まることになります。
一方、残ったピースのほうはというと、
このスキマを埋めるために活用します。
では、ボンドを使ってタイルを張り付けてみましょう。
カットしていないシート部分のみを接着し、表面の紙をはがしてしまいます。
先ほどカットした細かいピースでスキマをコツコツ埋めていきます。
細かい作業に手がプルプルと震えます。ピンセットを用意しておくべきだった……。
カウンター上の接着が完了しました。
ご注目いただきたいのがカウンター端の矢印で示した部分。カウンターからタイルがちょこっとはみ出ているのがおわかりでしょうか。これはカウンター横に張るタイルの厚みを確保したためです。
わかりやすく描くとこんな感じです。このはみ出た部分の下に側面のタイルが収まるという計算です。
カウンター奥の狭い壁と、側面にタイルを張りました。
こうして見ると簡単に見えるかもしれませんが、これがなかなかの難物です。
というのも、このあと右横の壁にタイルを張った際に列がそろうように張ってやる必要があるからです。言葉で説明しても伝わりにくいので施工後の写真をどうぞ。
カウンター奥の壁・カウンター側面の壁のタイル・右側の壁の列がそろっているのがおわかりでしょうか?わかりやすいように目地部分に色を付けてみます。
目地のラインがきちんとそろっています。タイルには厚みがあるので、適当に組み合わせるとズレが生じてそろいません。立体的にタイルを張る際にはいちばん複雑な部分の収まりから逆算して考えるといいと感じました。
ちなみに、この列をそろえて収めるために壁の上端は先ほどと同じようにタイルをカットして張りました。上に詰めて張ることで、先ほどの目地のラインがきれいにそろったというわけです。
この収まりを考えるのが難しくもあり、面白くもありました。
細かくカットしたタイルを張り付けるのも大変で、ここまで張るだけでもかなりの時間がかかりました。
これにくらべれば壁側のタイルの張り付けは簡単なもの。
事前に長さを測って切り離しておいたシートを、
ボンドで張り付けたところ。
かくしてキッチンへの張り付けが完了しました。夕飯後に始めた作業が終わったのは夜中。へとへとに疲れましたが、プロセスを楽しめたからなんとかやりきれた感じ。
次回は目地入れで直面したトラブルの話です。