(9)築古別荘のポイントは屋根にあり
書庫の中身がきれいすっきりカラになったので「この建物をどう生まれ変わらせるか」を考えたいところですが、その前にこちらをどうぞ。
これ、そのへんの草むらではありません。
少し離れて見ると…
そう、屋根なのでした。
30年間ノーメンテナンスで放置し続けてきた結果、どこからともなくやってきた種子たちが根付き、ここまで育ってしまいました。
なんか芝生みたいでエコじゃん、と思うことで現実から目を逸らしてきましたが、内心は心配で……。
ビフォア画像の回でもごらんいただいたとおり、中の状態は思ったより良好そうに見えたのですが、素人の印象ほどあてにならないものもありません。
気の利いたインテリアを整えたところで、雨漏りがしては元も子もないわけです。
そこで、まずは屋根の洗浄と防水塗装から始めようと決め、業者さんに相談することに。
築30年の築古物件とはいえ、20~30万くらいで済むだろうなって思っていたのですが……
現場を見たプロの答えは「手遅れだ」というものでした。
植物の根っこというのは思った以上に力強いもので、屋根のスキマから入りこんで根付いてしまったため、もう屋根がダメになってしまっている可能性が高いそうです。
正直、雨漏りしてないのが不思議なくらいだ、と。
これは友人と山梨に別荘見学に行った際に撮った写真。
見事に屋根が陥没しております。
『日刊Sumai』の連載でも書きましたが、屋根の状態は築古の格安別荘の購入を考える上で大事なファクターなのです。
内見した別荘のひとつでは、実際に雨漏りしているところも目撃しました。
うちの離れはたまたま雨漏りしていませんが、「繁茂している植物を除去して防水塗装するだけでは、将来的に雨漏りしない保証はできない」と言われてしまったわけです。
では、どうするかというと、既存の屋根の上から新しい屋根をかぶせる工事をせねばならないそうです。
話を聞けば聞くほど、イヤな予感がしてきます。
屋根を洗浄して防水塗装をするだけのつもりが、
「屋根をかぶせて直す」
→「足場を組む必要がある」
→「(足場組むなら)外壁を塗装しなきゃ損」
という話に進展していきます。
そういえば、山梨の不動産業者さんは「足場を組んで屋根と外壁を修繕すると100万」と言っていました。
別荘地には独特の相場があるようですから多少割り引いて考える必要はありますが、最初に想定していた金額(20~30万)の倍でも足りない気がします。
もし自分の住む家なら、イチかバチかで洗浄&防水塗装のみでいくのもアリだったかもしれません。
でも、入居者さんに「別荘」として使っていただくのに、雨漏りのリスクを抱えたままなんて不安過ぎますし、外壁だって遅かれ早かれきれいに塗装するつもりでした。
屋根をちょいと直すつもりが大きな話になってしまい動揺しましたが、ここはガッチリ補修してもらうしかないと腹を決めたのでした。
で、「足場の設営」と「屋根のふきかえ」と「外壁の塗装」で一体いくらかかるんでしょうか?
次回は別荘の修繕費用と見積もりの見方について考えます。