(15)ドア探しの旅3: オーダーフラッシュドアは木製ドアの新機軸?
ドア探しのショールーム&ショップめぐり。
次に訪れたのが原宿にあるtoolboxのショールーム。
以前、日刊Sumaiの連載でも取材させてもらいました。
編集のKさんが「リノベの聖地」と呼ぶだけあり、とにかく面白い建材やアイテムがそろっています。
店内や商品の写真は許可をいただいて掲載しています。
お目当ては「シナ」や「ラワン」の板を表面に貼った「オーダーフラッシュドア」。
「あれ?板?」と思うようなまっさらな見た目。
前々回に説明したフラッシュドアと同じような構造ですが、木目調のシートを貼るのではなく、板をそのまま貼って仕上げています。
いわゆるベニヤ板っていう見た目。
ひと昔前なら「安っぽい素材代表」的なイメージのあった「シナ」や「ラワン」の質感をあえて全面に出すという発想がtoolboxらしいですね。
木製ドアの保守的なイメージを覆す新機軸と言えます。
ラフなスタイルや小ざっぱりとしたインテリアにマッチしそうです。
「シナ」や「ラワン」の板ですから、前回見た「パイン」の木製ドアとは別物の印象を受けますが、本物の木であることに変わりはありませんから、オイルやワックスによる塗装もできます。
上が無塗装、下が塗装済み(たしかワックス仕上げのはず)。
好みの色に仕上げられるのはうれしいですね。
価格もリーズナブルで、本体が17,800円から。
ドアノブや穴加工もつけて4万円弱。
しかし、気をつけなければ設置費です。
前回、ご紹介したウッドワンの木製ドア(ドア本体と枠がセット)とちがい、今回のtoolboxのドアはドア本体のみでの販売です。
ということは、設置の際にドア枠を大工さんに作ってもらわなければならないのです。
工事担当のKさんに連絡して設置費を聞いてみると、こんな見積もりが出ました。
計62,000円なり。
やはり現場でドア枠を作ってもらうと費用が高くなりますね。
ということは、本体+設置費で合計10万円。
「フラッシュドアにプラス4万円」です。
これくらいなら、がんばれば出せるかも。
ただ「シナ」や「ラワン」の板が醸し出す個性が、うちの山小屋にマッチするかが悩ましいです……ちょっとそっけないかな。
頭の中でイメージしていたドアは、もう少しオーソドックスな感じだったので。
ちなみに、このtoolboxではパイン材のドアも扱っています。
ルーバーがいいですね。
デザイン的にはこちらのほうが山小屋に合ってるかな、と感じました。
こちらは穴開け加工などのオプションはないそうです。
となると、穴開けから大工さんに頼まなければならず、加工費はまた跳ね上がってしまいそう。
工事担当のKさんによれば、ドアノブがつくドア(=開き戸)の設置は、大工仕事のなかでもかなりやっかいな仕事なのだとか。
どこかで木製のドアを一枚買ってきて、それをポンと施主支給すれば済むというかんたんな話ではありません。
どこまでの加工をショップにお願いし、どこから大工さんにお願いするか、きちんと考えて両者の橋渡しや調整をしないとトラブルの原因になります。
ドアにはドア枠が必要だし、ドアノブのラッチにも受けが必要で、それらを正確に設置してもらわなければ、ドアはきちんと機能しません。
もし穴のないドア本体とドアノブを大工さんに渡して「あとはお願いします」とすると、大工さんはドアに穴を開ける加工から始めてすべてやらなければならないわけで、当然、設置費用はもっと高くなります。
もうひとつ気になったのは「無垢材のドアを採用する場合、気候にも注意が必要」というtoolboxのスタッフさんのお話。
無垢材は性質上、湿度や温度の影響を受けやすく、海沿いの家などでは木が反ってしまった例もあるとのこと。
あー、うちの山小屋も裏が小川なので湿気はハンパないし、すごく不安。
やっぱり無垢材のドアもいいことばかりじゃないんだなあ。
こういう情報を事前に教えてもらえるのはありがたいです。
木製ドアの導入、ますます難しい気がしてきましたが、もう少しドア探しは続きます。