(35) トレイにモザイクタイルを試し貼りしてみた(目地編)
前回はトレイにタイルを接着しました。
引き続き、DIYによるモザイクタイルの貼り方をご説明します。
今回は、接着したタイルのスキマに目地材(セメント)を入れます。
使う道具を挙げていきましょう。
目地材。
ホームセンターで購入したものですが、特にこだわる必要はありません。
正確に量るためにも、デジタルスケールは必須。
目地材を溶く水を量るのには計量カップを使います。
目地材と水を混ぜるには容器が要ります。
特別なものは必要ありません。
僕は百円ショップで買った、お風呂用の桶を使っています。
できれば2つ用意すると作業がスムースに。
混ぜるのに使うのは、これまた百均で買った料理用のゴムベラ。
最後に汚れをふき取るためのふきんも用意します。
こちらもいたってふつうのスポンジ。
使い捨てるので安物でOK。
今回は、目地に色をつけるのでセメント用の着色剤も準備しました。
色粉とかカラーパウダーとか呼んだりもしますね。
少量だけで販売している商品もあります。
白の目地を入れる場合や、もともと色のついた目地材を使用する場合は必要ありません。
まとめると、以下のとおり。
- 目地剤
- デジタルスケール
- 計量カップ
- 容器(できれば2個)
- ゴムベラ
- スポンジ
- ふきん
- セメント用着色材
道具もそろったところで、いよいよ目地入れの作業に入りますが、大事なのは「目地材がどれくらい必要か」を計算しておくこと。
これをきちんとやっておかないと、足りなくなってあせったり、余った目地を捨てるはめになります。
しかし、この計算がなかなか難しいのです。
目地材の裏面に記載されている説明を見てみると、
う~ん、さっぱりわからないですね。
タイルのサイズは30センチ角ほどの大きめなものから、0.5センチ角ほどの小粒なものまでサイズがさまざま。
たとえ同じ面積を目地入れするにしても、タイルのサイズがちがえば、タイルとタイルのスキマ(=目地が入る部分)の面積は大きく異なります。
だから、一概に「〇〇平方メートルには〇〇グラム必要」とは表記できないんですね。
といっても、自分の貼るタイルでどれくらい目地が必要かなんて素人にはとうていわかりません。
そこで、一応の目安となる表を作ってみました。
一辺が1cm~1.5cmくらいのモザイクサイズを貼る場合の目地量を経験則から導き出しました。
今回の施工面積ですが、トレイのサイズが「32.5センチ×16.5センチ」なので、「0.053625平米」です。
表を見ると、目地材はおよそ150グラム必要です。
やや多めにできることを想定した表なので、150グラムでいけるでしょう。
ここに着色剤を加えます。
着色剤を混ぜすぎると強度に影響が出るため、目地材の10%までと表記されていたのですが、濃い目の茶色を出したいので気持ち多めに入れてみました(15グラムのところ20グラム)。
ゴムベラで混ぜます。
こんなふうに白く残るところがあるとムラができるので、入念に混ぜましょう。
きれいに混ざり、色がつきました。
ここに目地材に表記された水を量って加えます(今回は45cc)。
できればここでもうひとつ容器を用意してそちらに水を入れてください。
というのは、粉の上から水を加えると、どうしても底の部分が水と混ざりきらず、粉が残ってしまうからです。
さあ、いよいよ水と目地材を混ぜます。
ここからはスピード勝負。
目地材は油断すると乾いて固まってしまうので注意してください。
ゴムベラで手早くぐいぐい混ぜていきます。
写真くらいの固さになれば完成です。
もしボソボソのままでまとまりきらない感じがしたら、少し水を加えて固さを調節しましょう。
まるでチョコレートムースのよう。
これをタイルにのせて塗ります。
端はゴムベラをうまく使って塗り込みましょう。
端まで塗ったら、今度は表面をなでるように余分な目地材を取り除きます。
目地材が全体に行き渡りました。
ここで、ゴムベラはお役御免。
次は湿らせたスポンジをぎゅっと絞って、表面をふいて余分な目地材を取っていきます。
目地材でスポンジが汚れたら、容器に貯めた水で洗い落とし、またふきます。
水を含ませすぎないように注意してください。
スポンジの次は、ふきんの出番。
濡らして固く絞り、表面に残った目地材をふき取ります。
少しずつきれいになってきたのがわかるでしょうか。
これくらいきれいになったら養生テープをはがしてしまいます。
乾いてからはがすと、目地材が割れたりしてしまうので要注意です。
ふきんが汚れたら、水で絞り、またふきます。
大まかに汚れが取れたら、細かい汚れを取ります。
濡らしたキッチンペーパーなどでふくと、
きれいになります。
目地を壊さないよう丁寧に。
あとは乾くのを待って完成。
目地材の量は若干余るくらいでした。
最後に注意したいのが後片付け。
こんなふうに目地材が溶けた水が容器に残ります。
これをそのまま水道管に流してはいけません。
セメントが固まって水道管が詰まりを起こし大変なことになります。
しばらく待って目地材が沈殿し、水と分離したら、まずは上澄みの水だけをそっと流します。
ドロッとした目地材が底に残りますので、
使用済みのスポンジやふきん、キッチンペーパーなどでふき取ったり吸わせたりして、処分します。
「片付けまで含めてDIY」と心得ましょう。
翌日。ほぼ完全に乾きました。
目地の水分が飛ぶと、色が浅くなります。
目地に色をつけるときは、ここに注意してやや濃い目を狙うといいと思います。
ボックス貼り、やっぱりいいですね。
すごく気に入りました。
茶色の目地ともマッチしています。
洗面タイルはこれでいくと確信できました。
実は、このタイルに決めた決定的な理由がもうひとつ別にあります。
それは、水回り以外の床との組み合わせでした。
次回からは1階の床材選びについて。