(40)「オスモカラー」の色、どうやって選ぶ?
前回、「オスモカラー」を選ぶまでの経緯を書きました。
でも、ひとことで「オスモカラー」と言ってもカラーバリエーションは豊富。
ショールームのスタッフさんに薦められたウッドワックスでも、
これだけの種類があります。
ブラウン系のオーソドックスな色はもちろん、「ホワイトスプルース」や「バーチ」といった白系、「グラナイトグレー」や「エボニー」といったこげ茶系、「シルクグレー」や「アンチックファー」のようなグレー系など、ぜんぶで15色もあります。
ここから1色を選ぶのはなかなか悩ましい選択と言えましょう。
今回の工事では内装に木材を多用しています。
木部をどんな色合いに仕上げるかで部屋の印象は大きく変わります。
僕はあまり奇抜な色は選ばず、茶色系を中心に検討することにしました。
正直、「冒険しすぎて悪趣味な部屋になったら怖い」という気持ちがあったのは事実。
今思えば、木材そのままの色を活かしたクリアカラーによる仕上げも面白かったかもしれません。
「白系やグレー系で仕上げて、ピンク系の壁紙と組み合わせてみたら」なんてアイデアも今なら思い浮かぶのですが、あのときはそこまでの想像力(と勇気)はありませんでした……。
「好き勝手に物件を作る」と言いつつ、こういう選択ではどうも日和ってしまいます。
無難な候補として挙げたのは、「オーク」「パイン」「チーク」の3色。
第37回で取り上げたユカハリタイルを素材に、ショールームで試し塗りさせてもらいました。(詳しくは日刊Sumaiの連載をごらんください)
できあがったのが、こちら。
ユカハリタイルの「コグチ」に塗ったものです。
左から「オーク」「パイン」「チーク」です。
こちらは「すぎ」「ひのき」を3色+クリアー塗装で塗り分けました。
右上が「オーク」右下が「チーク」左下が「パイン」左上が「フロアクリアーのみ」です。
ざっくり茶色系に分類されるカラーですが、こうしてならべてみると「オーク」は黄色がかった茶色、「チーク」はこげ茶っぽい茶色、「パイン」は赤みのある茶色だというのがわかります。
こういう細かい差は、15色をならべていたときには感じられないものなので、同系色に絞ってくらべる意味はあると思います。
これも「試し塗り」だからこそできることです。
「この3色からどの色を選ぶか」については迷いました。
塗装した木材を立体的に組み合わせて、部屋ぜんたいに塗ったときのサンプルイメージにしてみたり。
「オーク」。
「パイン」。
「チーク」。
3つをくらべると、「チーク」はやや暗い感じがします。
古いミシン台や本棚とはなじむかもしれませんが、部屋ぜんたいが暗くなってしまうのは、ちょっと心配。
特に、2階は日当たりも悪いですし。
ということで、「チーク」は脱落。
黄色系の「オーク」か、赤系の「パイン」かの二択となり、最終的に「オーク」を選んだわけですが、ここはほぼ直感で決めました。
こうして文章を書いているときは、わりと論理的に決めているように語っていますが、まあ、半分くらいは後付けの説明というところがあります。
強いて言語化するとすれば、「パイン」の赤みがちょっと強すぎると感じたからな気がします。
結局、消去法の連続で「オーク」にたどりついたわけです。
やっぱり、変な色で失敗したくないという「リスク管理」の気持ちが出たんでしょうかね。
このあたり、DIYに限らず、自分がものごとを決定する原理みたいなものがわかるような気がしますね。
電球には白熱電球を選んだので、部屋全体がほんのり赤みを帯びて見えることを考えると、結果的に「オーク」を選んでよかった気がします。
「パイン」にこの照明を当てると、ちょっと赤みが強すぎた感じになったんじゃないかと。
結果オーライということにいたしましょう。
とにかく、こうして「オーク」色で塗装することが決まりました。
(ちなみに、これだけいろいろ理屈をこねておきながら、1階の床に貼った「コグチ」には、結局、「オーク」は塗らなかったのですが、それはまた後日お話しします。)
次回は、DIYで「オスモカラー」を2階の壁に塗っていきます。