(51) 留守中に除湿機を連続運転したら、湿気は劇的に改善したけれど…
前回に続いて、山小屋の湿気対策の話。
都心で暮らしているときは、夏はエアコンでドライか冷房をかけているので、とくに湿気対策を意識することはなく、除湿機に関心を持ったこともありませんでした。
でも、エアコンのない部屋の多い山小屋で除湿について真剣に考えると、やはり除湿機に頼らざるをえないという結論になりました。
■除湿機は効果的だけどデメリットも多い
この10年で、いろいろな除湿機を試してきました。
複数の除湿機をフル稼働させれば、少なくとも滞在中は湿気を感じないほど改善されるようになります。
でも、除湿機にはいろいろと弱点もあるのです。
まず、音がうるさいです(とくにコンプレッサー方式)。
最近はいろいろ改良されているのかもしれませんが、特に「静音」を謳う除湿機でないかぎり、「グオオォングオオォングオオォン」という動作音がずっと鳴り続けます。
テレビを見たり音楽を聞いたりするにも差し障るくらい。
せっかくの静かな環境が台無しです。
下に防振マットを敷いたり側面に防振シートを貼ったりしてみましたが、それでもやはり音は気になります。
次に困るのが、温風が出ること。
これは主にデシカント方式に顕著ですが、除湿をする際に乾いた空気が温風として出てくるのです。
洗濯物を乾かすにはいいのですが、閉めきっていると部屋の温度はけっこう上がり暑くなります。
この日記でも何度も申し上げているとおり、山の別荘の大きな魅力は避暑にあります。
都会のうだるような暑さを避けて山小屋に遊びに来たのに、除湿のせいで室温が上がっては本末転倒。
せっかくの涼しい環境が台無しです。
そして何より厄介なのが、水を捨てなければならないこと。
除湿機は大気中の湿気を集めて貯水するので、タンクが満水になると捨ててやらなければなりません。
台数が多いとこれがけっこうな手間なのです。
とくに2階に置いた除湿機に溜まった水を一階に運んで捨てるのはけっこう面倒で、なんだか除湿機に使われているような気持ちになります。
うるさい・暑い・手間もかかる。
湿度を下げて快適な環境を作るための機械なのに、別の苦労をしょいこんではいまひとつ便利になった実感がわきません。
■除湿機の連続運転は効果的!
思い悩んだ末、はたと思いつきました。
われわれ人間様がいるあいだに除湿機が動いてるからいけないんだ、と。
留守のあいだにコツコツ除湿してもらって、ご主人様が来たときには静かにしててもらえばいいんだ、と。
でも、除湿機は満水になると水を捨てる必要があります。
梅雨になると、一日で満水はふつう。
不在のあいだにどうするか。
そう、ずっと水を捨て続けることができればいいんですね。
調べてみると、ホースをつなぎ、タンクに水を貯めずに直接排水し続ける機能を持つ除湿機があるとわかりました。
僕が購入したのはコロナ(CORONA)の「CD-P6311」という除湿機。(現在では後継機種もいろいろ出ているようです)
マニュアルを見てみると、
たしかに連続排水機能について書いてあります。
ところが、設置しようとすると家の中で水を捨て続けるのにいい場所って意外にないんですよね。
とくに、除湿機の排水ホースより高い場所は勾配の関係でNGなのがポイント。
となると、キッチンのシンクは難しいかな、と。
キッチンに除湿機がのってるのもイヤですし。
最有力はお風呂でしょうが、こっちはこっちで密閉空間なので、ホースを入れようとするとドアが閉められなくなるわけです。
そうするとお風呂の使用に差し支えますよね。
まあ、お風呂のたびに除湿機を止めてホースをどければいいんですけど、このホースってガッチリ固定されてる感じじゃないので、そのあいだにゆるんだりすると面倒かな、と。
思案の末、我が家では窓際に置くことにしました。
腰高窓の前に作りつけの本棚が設置されているところがあるので、そこに置いて窓からピロンとホースを外に垂らします。
水は屋外に落ちるので問題なし。
窓にカギがかけられなくなるので防犯面が気になりますが、なにぶん山奥ですし家に金目のものなんか何もないので、よしとしました。
で、いざ留守中に運転してみると、これが効果てきめん。
2週間ぶりに訪れても、カビの臭いはほとんどせず空気も快適。
湿度もかなり下がりました。
滞在中はうるさいので基本的にはオフ。
で、帰宅時にオン。
留守中に除湿します。
電気代と連続運転が機械に与える負荷を考えて、10分運転&10分停止をくりかえす「節約モード」で運転しました。
■でも、留守中に万一のトラブルが起こったらと思うと……
これでめでたしめでたしのはずなのですが、心配性な僕はつい悪いことを考えてしまいます。
「もし留守中にホースが外れたら、どうしよう……」
そうなんですよね、除湿機は基本的にタンクに水を貯めるように設計された機械で、連続排水はあくまでオプション的な機能。
排水ホースが本体にがっちり固定されているわけではないのです。
もしこれが何かのはずみで外れたら、あとはひたすら水がダダ漏れになってしまうわけで、これこそまさに恐怖!
近くにはコンセントもありますし、漏電したっておかしくありません。
湿気対策のせいで漏水で床が抜けたり、漏電で火事が起きたりしたら、笑い話にすらならないです。
また、連続運転中に除湿機が故障し、火災が起きる可能性を指摘する声もあります。
独立行政法人 NITE・製品安全センターは、こんなプレスリリースを発表しています。
やはり、不在中の除湿機運転にはリスクが伴うようです。
なんとかこういう心配をしないで済む方法はないものか。
次回は湿気対策の最終回。
耐湿究極兵器ともいうべきダイキン(DAIKIN)の「ルームドライヤー」(と「カライエ」)についてお話します。