(53)カウニステで山小屋に彩りを~カーテン、スツール、白樺トレー

インテリア

これまで主にリノベーションの進行に沿うかたちで書いてきましたが、いざ書いてみるといろいろと書くことがあって遅々として進みません。

このままだといつまで経っても、完成後に導入した家具や小物、雑貨などを紹介することができない気がしてきました。

ということで、今後は家具や雑貨を紹介する記事もときどき書いていこうかと思います。

カウニステのロゴ

今回、ご紹介するのは「カウニステ」(kauniste)のファブリックと雑貨です。

【「カウニステ」の「可愛さ」を考える】

「カウニステ」は、フィンランドのファブリックブランドで、昨年10月に東京の自由が丘に初の海外店舗をオープンさせました。

自由が丘店

詳しくは「日刊Sumai」で取材しましたので、そちらをどうぞ。

(今回ご紹介する商品画像についてはカウニステさんの許可を得て撮影・掲載させていただいています)

カウニステの生地については、以前からセレクトショップなどでいくつか見かけたことはありましたが、店舗でブランドの生地を一望してみると独特な「可愛さ」を感じました。

生地

北欧デザインというと、とにかく「おしゃれでスタイリッシュ」というパブリックイメージがある気がします。

僕のような築古マンションに暮らす人間は、「北欧デザイン」などと言われるとどこか気後れさえしてしまいます。

でも、「カウニステ」のファブリックはそんな先入観を裏切る「親しみやすさ」で迎えてくれます。

レーナ・キソネンさんデザインの「収穫」
レーナ・キソネンさんデザインの「収穫」

なんというか、デザインに「いい湯加減な力の抜け具合」(手抜きではない)を感じます。

ほっこり感」と言ってもいいかもしれません。

クッションカバー

いや、おしゃれなんですよ。

小物とかを女子にプレゼントしたら、ほぼ「カワイイ~」という返事が返ってくることでしょう。

だけれど、日本の雑貨やキャラものにあるようなポップ&ファンシーな「カワイイ」とはちょっとちがう感じがするのです。

マッティ・ピックヤムサさんデザインの「日曜日」
マッティ・ピックヤムサさんデザインの「日曜日」

乱暴を承知でいえば、だるまとかこけしとかに感じる「ゆるさ」や「愛らしさ」でしょうか。

「カワイイ」とは言いたくない「可愛さ」。

「なんでだろうなあ」と思っていると、代表の原田さん(そう、日本の方なのです)がインタビューで語った言葉を見つけました。

「カウニステのデザインを定義するなら、それは新鮮で、誠実で、アーティスティックであることだと考えます。裏を返せば、ただキュートなだけの商業的なもの、ベクターグラフィックで手早くつくられたもの、細部まで練られた感じを受けないものは、最も縁遠いデザインだと言い切れます」(『カウニステのデザイン』(玄光社、2015年)20ページより引用)

日本では「カワイイ」と言われることを狙った商業的なプロダクトが溢れているのですが、「カウニステ」が目指す場所はそこではないということですね。

ミロマチコさんデザインの「ヒョウ」
ミロマチコさんデザインの「ヒョウ」

作り手の意識はあくまで「新鮮で、誠実で、アーティスティック」なものを作ることに注がれています。

その姿勢が生み出す新しさシュールさ、既製デザインからの(いい意味での)逸脱が、結果的に独特な「可愛さ」に着地してしまっているのではないでしょうか。

【「モッキラ」というファブリックの魅力】

いろいろと理屈をこねてみましたが、僕が選んだ「モッキラ」という生地をごらください。

生地の全体イメージ

まず、イエローともグリーンとも言い難い独特のカラーが目を引きます。

このへんは、デジタルな画像ではいまひとつ伝わりづらく、ご興味のある方はぜひお店で実物を手に取ってみられることをおすすめします。

原田さんにお話をうかがった際、「原色を使わない優しい色合いがブランドの特長のひとつ」とおっしゃっていたのを思い出します。

一階の室内

完成時、うちの山小屋の一階には「色らしい色」がありませんでした。

珪藻土の「白」、木部の「茶」、アイアンの「黒」は、どれもバックグラウンド的な「色」であって「色らしい色」とは言えません。

このままで渋くまとめることもできましたが、個人的にはカーテンで「色」と「彩り」を加えたいとぼんやりと思っていました。

そんな矢先「カウニステ」に出会い、カーテンをオーダーしたのでした。(詳しくは「日刊Sumai」の連載をどうぞ)

カーテンを広げたところ

こうやって広げても、優しい色なのでキツい印象を受けません。

「色」は足したけど、悪目立ちしない。

そこがうれしいです。

モッキラ、寄りイメージ

色もさることながら「モッキラ」を選ぶ決め手となったのはモチーフでした。

オフィシャルサイトでは、こんなふうに説明されています。

「Mokkila(モッキラ)とは、森に囲まれた北国の伝統的な小さな集落の様子を描いた作品。夜遅くてもここでは鍵をかける必要がないような。」

そういや、うちの山小屋もちょっと前までカギなんてかけてなかったよな、と思い出しました。

こういう牧歌的でのんびりした雰囲気を山小屋にも取り入れたいと思ったのです。

ロッキングチェアに座りながら、ぼーっと眺めているとディテールの面白さに気づかされます。

モッキラ、寄りイメージ

ツリーハウス、切り株、猫や鳥、丸太など、ところどころに「愛らしい」ディテールが散りばめられています。

モッキラ、寄りイメージ

先ほど挙げた書籍『カウニステのデザイン』では、「モッキラ」をデザインしたイラストレーター、ビョーン・ルネ・リーさんの創作現場が紹介されており、まだ創作途中にある「モッキラ」の姿も垣間見ることができます(51ページ)。

それによると、伝統的な家々は写真をトレースして描かれているそうです。

モッキラ、寄りイメージ

その一方で、木々や動物や小物はかなりディフォルメされて描かれています。

モッキラ、寄りイメージ

この組み合わせの絶妙なアンバランスに「可愛さ」の秘訣があるのではないか、と個人的には思っています。

まあ、理屈を抜きに、とても楽しいカーテンです。

【DIYで張り替えたスツール&白樺のトレー】

このカーテンがすっかり気に入ってしまったので、せっかくなら洗面に置くスツールも同じ生地でそろえたいと思いつきました。

秋田木工のスツール(張り替え前)

こんなとき、僕はヤフオクで落札しておいた秋田木工のスツール(剣持勇デザイン)を引っ張り出してDIYで張り替えます。

生地のパッケージ

「カウニステ」では生地のフリーカットもしてくれますし、DIY用に50センチにカットした生地も販売しています。

こういうのを使えば、手軽に好きなテキスタイルブランドのスツールが作れるというわけ。

(詳しい作り方については、「日刊Sumai」の連載をお読みください)

できあがったのがこちら。

秋田木工のスツール(張り替え後)

いいでしょ?

陽光を浴びて

大きな窓の前に置くと木漏れ日が落ちて、とてもきれいです。

ここまできたらお茶やお菓子を運ぶお盆もそろえたいなあ、なんて思ったりして、白樺の合板を使ったトレーも購入してみました。

トレー

ふだんはティファールの電気ポットの傍らに置いてあります。

電気ポットの隣に置いた

木材と黒でまとめた空間に、いいアクセントになったと思います。

光を浴びたカーテン

「カウニステ」で部屋に彩り、いかがですか。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営。 『日刊Sumai』(扶桑社)で「なんでも大家日記@世田谷」を連載中。 https://s...

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