(55)トイレの内装をいろいろ考えて丸い窓を作ってみることにした
前回、タンクレストイレの導入を検討してトイレ内の寸法を決めました。
今回は、内装をどんなデザインにするかを考えます。
これは大工さんに作業してもらっている合間に撮った写真。
第5回の「で、どこまでDIYでやれたの?」でも書いたとおり、壁の造作などは耐久性の問題なども考えて、プロの大工さんにお願いしました。
窓まわりはそのままで、両サイドの石膏ボードの部分と手前のドアまわりを造作してもらいました。
ここからは先はデザインも含めて僕の作業。
ちなみに、世田谷のマンションのトイレでは、タンクつきトイレと背面の収納棚をベースに背面の壁のカラーやペーパーホルダーを変えてアクセントをつけています。
淡いブルー、
鮮やかなブルー、
ブルーグレーなど、
こうして振り返ると、青系の色に偏っていることに気づかされます。
あまりクセが強すぎない色合いを選んだ結果かもしれないですね。
「日刊Sumai」の連載(前編・後編)で紹介したような元の間取りを活かしたトイレのケースでは、タンクレスを導入し、腰の高さまで貼られた古いタイルを残しつつ、床に新しいタイルを貼りました。
トイレのデザインとしてはオーソドックスですが、タイルを選ぶ楽しさはあります。
最初は、山小屋のトイレのデザインもこれに近い感じにしようと思いました。
当時書いたメモがこちら。
腰高くらいまでモザイクタイルを貼るとなると施工面積が広くなり、タイルの種類によっては代金が高くなってしまうのが問題。
そこで、タイルは床だけに貼って、腰までの高さにウッドパネルを貼る案なども考えました。
腰壁ってこれまで試す機会もなかったし、一度やってみたいという気持ちもありました。
このアイデアを気に入ったので、もう少し煮詰めてみたりもしました。
天井にも木材を貼って、木の質感を全面に出す感じ。
モールディングや巾木を選ぶのも楽しそうです。
でも、トイレといえばただでさえ掃除がやっかいな場所。
木材の質感を残した仕上げをすると、壁に飛んだ汚れの掃除なんかが大変そうなのが心配です。
カビの生えやすい環境では、水はねがあった場所にわかりやすくカビが生えたりするのです。
もうひとつ気になるのが窓のこと。
今回は、もともとあった引き違いの窓の片方をふさぐようにトイレを設置しました。
なので、これまでどおり窓を開閉したり施錠したりできるようにしておくと、どうしてもトイレに向かって左側の壁の奥にスキマができてしまいます。
これは壁の裏から取った写真(壁の向こうがトイレになります)。
壁と窓のあいだにスキマがあるのがわかるでしょうか。
図面で言うとここです。
そんなに神経質になる必要はないかもしれませんが、できれば隠せるような工夫があるといいと思いました。
そこで、思いついたアイデアをメモったのがこちら。
既存の窓の前に丸い穴の開いた壁を設けます。
赤で示した部分ですね。
ガラスも含めてゼロから丸い窓を設置するのは僕の技術ではとてもできませんが、既存の窓の手前に丸くくりぬいた壁を設置するくらいなら可能でしょう。
これならスキマは気にならなくなりますし、なにより見た目の面白さもあります。
丸い窓のトイレなんて世田谷のマンションではたぶん作れません。
せっかくのチャンスですし、このアイデアに決定。
この丸い窓を中心にするので、それ以外のところは控えめなデザインにすることにしました。
天井の照明はシンプルなダウンライトに。
腰高のタイルや壁材はやめて、全体に珪藻土を塗ることにしました。
採用したのは、二子玉川にあるDIYショップ「tukuriba」が販売するカラー珪藻土。
こちらのワークショップで珪藻土の塗り方を習った際に知りました。
練り済みで初心者にも扱いやすいのと、カラーバリエーションの豊富さが魅力です。
8種のカラーから僕が選んだのは渋めのグレー(「カプチーノ」)。
世田谷のマンションのように塗装で仕上げることもできましたが、珪藻土ならグイグイ主張するようなことはなく独特の質感がしっかり感じられるので控えめな存在感が出ることを期待しました。
一方、床に貼るタイルは、モザイクタイル選びの回で紹介した平田タイルの「クローシェマーブル」をチョイス。
小粒で加工しやすく、床にも使えます。
1シートあたりの価格がそれなりに高額であるため洗面への施工は見送りましたが、トイレの床面積は広くないのでなんとか採用できました。
かくしてトイレの内装の大まかなデザインが決まりました。
さあ、次回は丸い窓のついた背面の壁をDIYで造ります。