(65)珪藻土の塗り方をtukuribaのワークショップで学んできました
完成後の写真をごらんいただけるとわかるとおり、一階の壁では珪藻土を多用しました。
珪藻土といえば「調湿性」や「見た目」で選ばれることもある高級な壁材ですが、僕が珪藻土を選んだ理由は非常に明快。
「知人から珪藻土を格安で譲っていただいたから」でした。
理屈もこだわりもない理由で申し訳ありません。
一階の壁材については本当にいろいろと悩んだのですが(詳しくはあらためて書きます)、どれも一長一短で決め手に欠け、時間だけがただいたずらに過ぎようとしていました。
そんな矢先、妻の職場の同僚から「珪藻土あまってるよ。安く譲るけどどう?」というオファーがあり、これもなにかの縁かと考えて珪藻土を使うことに決めたのでした。
お送りいただいたのがこちら。
「四国化成」の「けいそうリフォーム」という商品。
約11平米分が15,500円だったそうです。
半額の7,750円でという話だったので、半端を切り上げて8,000円お支払いしました。
最近はリフォームでもいろいろな経費削減アイデアがありますが、人のつながりで譲ってもらうのがいちばんお得なんじゃないでしょうか。
感謝感謝です。
でも、心配なのが施工方法。
珪藻土はタイルなどとちがって施工する人の技術が全面にモロに出るので、すごくみすぼらしい仕上がりになったらどうしようと不安でした。
今は入門用のDIY知識ならネットでいくらでも手に入る時代ではありますが「施工はいつも本番一発勝負」ですから、いくら情報を集めたところで限界があります。
そこで、以前もご紹介した二子玉川のDIYショップ「tukuriba(ツクリバ)」でワークショップ「【壁のリノベーション】オーガニックで安心珪藻土の塗り方講座★基礎編」に参加することにしました。
(画像をクリックすると「tukuriba」のワークショップの紹介ページに飛びます)
僕が受講したときの講師は鏑木友樹先生でした(※tukuribaさんによると、現在は講師をされていらっしゃらないとのことですが、講座の内容は同様だということです)。
「珪藻土って何なのよ?」という基本からわかりやすくレクチャーしてもらいました。
たとえば、素人的にほとんど区別がつかない「漆喰とのちがい」。
調湿作用に優れる珪藻土に対し、漆喰は強度に秀でているんだそうです。
知ってました?
また、珪藻土などの左官仕上げを選んだ場合はクロス貼りの3倍くらいの施工費用がかかることなども教えてもらい、素直に勉強になりました。
こういう知識を得られるのも面白いのですが、やっぱりありがたかったのは受講者それぞれに「どこにどんなふうに塗りたいのか」を丁寧に聞いてくれることでした。
あたりまえなんですが、ひとくちに「珪藻土を塗りたい人」といっても、施工したい場所や広さ、条件は人それぞれなんです。
たとえば、僕のように「古い木造家屋の壁に珪藻土を塗りたい」という人と、「分譲マンションの壁紙の上から珪藻土を塗って模様替えしたい」という人では教えてほしい情報は異なります。
それをひとりひとりにヒアリングしてアドバイスしてくれるんですよ。
こちらも調子に乗って、気になることをぜんぶ質問しました。
そのうえ「実際に作業するときに疑問が出たら聞いていいですか?」とLINEまで交換していただきました。
ちょっと厚かましかったかなとも思いましたが「わからないことがあったら連絡してくれていいですよ」と気さくに応じてくれました。
この言葉が社交辞令でないことは、後日、僕が実際にDIYに臨む際に明らかになるわけですが、それはもうちょっと先の話。
さて、僕の場合は既存の木材に直接塗る箇所がある一方で、
大工さんに新たに造作してもらった石膏ボードの部分もあります。
先生には「古い木材と石膏ボードが混在していること」や「安く譲ってもらった珪藻土を使うことに決めていること」などを話してアドバイスをもらいました。
受けたアドバイスをまとめるとかんたんにまとめると…
(1)古い木材に塗る場合、まずは汚れをきちんと落とすこと
(2)石膏ボードに塗るときには、ボードの継ぎ目をきちんと埋めておくこと
(3)どちらの場合も、アク止めのシーラーを塗ってから施工すること
(4)道具なしで珪藻土を練るのは難しいので専用の道具(撹拌機)を用意すること
「いきなりカベの上に塗っちゃダメなんだ」という素人丸だしな状態を脱却し、最低限の知識を得ることができたのでした。
座学が終わったら、今度は実習。
ワークショップではtukuribaオリジナルの珪藻土を使って教わります。
以前もご紹介したやつですね。
こちらの商品はすでに練済みなので、すぐに施工できるのがいいですね。
先生がお手本を見せてくれると、柔らかなムースみたいな珪藻土がスイスイと壁に塗られて滑らかに仕上がっていくので「おっ、意外にかんたんなのか」と誤解を感じさせます。
ところが、いざやってみると、これがまあ、なんというか全然うまく塗れず。
この時点で、素人が歪みやムラひとつない表面をめざすのはダメなんだな、と気づきました。
実際、先生がすすめてくれたのも、コテを持つ手を波のようにゆらゆらさせて波模様をつけるやり方でした。
いかがでしょうか?
ムラのような波型を味にして見せるような仕上がりをめざしてやってみると、ちゃんと見れる感じの仕上がりになるんですよ。
寄ってみるとこんな感じ。
たしかに失敗しにくい(というか、失敗しても失敗と気づかれにくい)模様づけですね。
珪藻土のDIYではどんな模様を選ぶかで、求められる技術も変わってきそうだと感じました。
こうやって言葉にまとめてしまうと大したことないように感じますが、やっぱり一度やってみてどこが難しいか知っておくことはDIYにとってはすごく大事だと実感した次第です。
次回は実際に珪藻土を塗るための準備をしていきます。