(119)せっかくの大きな窓から水道管が丸見えで絶句した話

トラブルや失敗

前々回の給湯器パネル前回のウォシュレットの操作パネルと、こちらが指定したにもかかわらず、別の製品が設置されたり別の場所に設置されたりしたトラブルについて話をいたしました。

今回、取り上げるのは「ちゃんと言葉にして指示はしてないけれど、こちらが想像したのとは明らかに異なる工事がなされてしまった」というトラブルです。

これまでのケースとちがうのは、こちらが事前に言語化して伝えていなかった以上、一歩まちがうと「頭の中で想像してたのとちがう!」とわめくクレーマーになってしまう危険を孕んでいることでしょう。

では、具体的な例を見ながらお話しましょう。

トラブルが発生したのは、この山小屋の1階に設置した大きな一枚ガラスの窓でした。

大きな窓

以前も書いたとおり、この窓からの景色は山小屋のハイライトです。

竹林が大きく目に入ることで非日常感を感じてもらうのが狙いです。

結果的に部屋の狭さを和らげる効果もありました。

が。

しかし。

完成間近に現場に行ってみると、

窓から見える水道管

え?

窓から見える水道管

水道管が思いっきり見えちゃってる!

外に出て確認してみると、

水道管の配管

あー、こういうことね。

傾斜地に建ってるから、埋まってた水道管が地面から飛び出て、窓の前を通っちゃったわけか。

このショックは大きかったです。

いやね、たしかに「窓から水道管が見えないように配管してね」とは言わなかったですよ。

でもさ、それってわざわざ言葉にしなきゃいけないことかな?

大きい一枚ガラスを特注して作った窓ですよ。

そこから余計な配管が見えちゃダメって言う必要ある?

たとえばさ、電車のドアの横に非常用のレバーだかボタンだかがあるじゃん?

あれってさ、「非常時以外は開けちゃダメ」って書いてあるよね?

あの「非常時」の意味って説明しなくてもわかることだから書いてないわけでしょ?

電車で急におしっこしたくなって「非常時だから」って開けて小便しちゃいけないよね?

そうなのよ、書いてないけど、しちゃダメなのよ。

すいません。オーバーヒートしました。

でもね、内心、こんな気持ちだったわけですよ。

それくらいは言わないでも察してほしかったんです。

気持ちを十分に落ち着けてから監督のKさんに電話すると、まだ現場の水道管を見ていないらしく申し訳なさそうな口調で「やっぱり一目見てダメなレベルですか?」と聞かれました。

今回ばかりは「はい」と即答しましたが、こういう感覚が人によって異なるのも事実。

そこで、現場の写真を撮影して送ることにしました。

それが先ほどの写真です。

ほどなくKさんより返事があり「たしかにダメなやつでした。直させます」との返事が。

ひとまず安心。

この感覚までずれちゃってると、もうどうにもならないですものね。

後日、現場に行くと、すっかりきれいに直っておりました。

修正後の窓からの眺め

外から見るとこんな感じ。

直った後の水道管

よかった……。

あらためて感じたのは、家づくりをめぐる美観的なものは人それぞれで本当に難しいんだな、ということ。

以前、友人が建築家にお願いして建てたというマイホームにお邪魔したことがあります。

すごく細かなところまで配慮の行き届いたステキな家でした。

完成させるまでさぞかし大変だったろうと思いますが、友人によれば「建築家がしっかり仕切ってくれた」んだそうで。

建築家というと設計とかデザインだけをやる人ってイメージがありますが、それをしっかり形にするには、建設会社や工務店に的確に指示を出し、完成に至るまで現場に目を光らせ続けねばならないんですよね。

僕のように内装をDIYでやりたいなどと考えると、そういう地味な役割(の一部)も自分で担わなければならないのです。

DIYなんて軽く言いますが、小屋一軒をまるまるいじるのはやはり大変なのでした。

最後に、うちの山小屋ならではの独自の事情もあることは書き添えておきます。

工事をお願いしているのは、ふだん世田谷でマンションの工事をお願いしている業者さんで、窓口となってくれているKさんもこちらの方。

でも、実際に現場を細かく管理しているのは、世田谷の会社が協力をお願いしている東京西部の業者さんなのです。

さらに、実際の現場作業は現地の水道屋さんや電気屋さんや大工さんが請け負います。

図にするとこんな感じで、けっこうな伝言ゲームです。

伝言ゲーム

以前ご紹介したロートアイアンのサイズの伝えまちがいは、この伝言ゲームの副産物なのかもしれません。

前々回から今回まで書いてきた意思疎通の問題は、こういう構造に起因するところも大きいです。

これに対して、世田谷のマンションの工事では、Kさんが直接職人さんに指示を出しますし、僕自身も現場の職人さんと顔見知りなのでまちがいが起こりにくいのだと実感しました。

その意味では、相見積もりを取ったもう一社(山小屋の地元の会社)なら僕が直接やりとりするので、伝言ゲームのリスクは少なかったのかもしれません。

でも、そっちの業者さんにはふだんは母屋のメンテナンスしか頼んでいないので、僕のインテリアの趣味の話が通じるかどうかが微妙なんですよね……。

メンテナンスも含め、今後の工事をどうするか、悩ましいところです。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営。 『日刊Sumai』(扶桑社)で「なんでも大家日記@世田谷」を連載中。 https://s...

プロフィール

関連記事一覧