(232)【決定版】オスモカラー、ブライワックス、ワトコオイルのちがいのまとめ【後編】
引き続き「オスモカラー、ブライワックス、ワトコオイル」のちがいについてまとめていきます。前編では「オスモカラー」と「ブライワックス」についてお話しました。
後編では「ワトコオイル」の説明に加え、木材仕上げ塗料のニューフェイス「ルビオモノコート」についてもご紹介します。
■簡単にすいすい塗れる「ワトコオイル」
「ワトコオイル(WATCO OIL)」のポイントをまとめると、
- 塗るのが簡単
- 少量から手に入る
- 色を混ぜることもできる
- ウェット研磨で滑らかな仕上がり
- 水などがかかると塗装が劣化する
僕は引戸に貼ったスライスウッドを塗装するのに使いました。
今回ご紹介する3種類のなかで「DIY難易度がもっとも低い塗料」だと思います。
オスモカラーのような粘りがなく、さらさらとして塗りやすいです。
粘り気がないので余分な塗料もふきとりやすくて本当に簡単。僕は「ブライワックス→オスモカラー→ワトコオイル」の順に経験しましたが、他の二つとくらべてあまりにすいすい塗れるので驚きました。
誰でも塗れるので「DIYに自信がないなら塗りやすいワトコオイルがおすすめ」です。200mlという少量から入手できるのも、ちょっとしたDIYには助かります。
toolboxの取材で初めて知ったのですが「ワトコオイルは混ぜて調色することが可能」で、うまくミックスすれば既存の家具の色に合わせて塗装することも可能です。気になる人はtoolboxの「ミキシングバー」で体験してみることをおすすめします。
前々回にご紹介したとおり「ウェット研磨をおこなうことで滑らかな手触りに仕上げる」こともできます。
などなど、いいことづくめのように思えるワトコオイルですが「弱点は水濡れなどによる色落ち」。
これはtoolboxでの取材時に撮影した写真。水で濡らしてしばらくしてふき取ると若干の色落ちが感じられました。
テーブルの天板などに塗装するとコップの輪染みなどができてしまう怖れがあります。ただ、これも好みの問題で「色落ちによるムラ」も味だと感じられるなら気にする必要はないのかもしれません。
以上の点からワトコオイルがおすすめなのは「とにかく塗装に自信がない人」「色を混ぜて自分だけの色味を作ってみたい人」「滑らかな手触りに仕上げたい人」でしょう。
■一度塗りで着色&保護できる「ルビオモノコート」
最後に「第四の刺客」とも言うべき木材仕上げ塗料界のニューフェイス「ルビオモノコート(RUBIO monocoat)」もご紹介しておきましょう。
ベルギー発の木材仕上げ塗料なのですが、最近toolboxでの扱いが始まるにあたり、僕がライターとして「how to make」の記事を書かせていただきました。実際に塗装も体験させてもらい、大変勉強になりました。画像をクリックするとtoolboxのページに飛びますので、よかったら読んでみてください。
ルビオのポイントをかいつまんでいうと、
- 一度塗りだけで、しっかりと着色&保護が可能
- 粘性が高く塗りにくい(塗るのには専用のコテバケが必要)
- 塗装後に余分な塗料をふき取るのも大変
「モノコート」の「モノ」は「モノラル」「モノローグ」の「モノ」。その名の通り「たった一度の塗装で着色と保護がおこなえる」のがいちばんの特長です。
塗装を体験した感想でいうと、先ほど挙げた3種類の中ではオスモカラーにもっとも近いと感じましたが、そのオスモカラーも二度塗りが基本。ルビオは一度でもしっかりと色が付き、高い保護能力を発揮してくれます。
先ほどの「how to make」で紹介されている「ピュア」のカラーは、クリア系の色でありながら、やや赤みや黄色みを帯びた温かみのある色。古い木造の家のリノベーションには向いていると感じました。ぜひ作例を見て色味を確認してみてください。
しかし、塗るのもふき取るのも大変なところが難点。一度の塗装で済むんだからがんばろうと思うのか、一度でも大変な作業はイヤだと敬遠するか、作業者の適性が問われそうです。
以上の特徴を踏まえると、ルビオがおすすめなのは「一度で塗装を済ませて作業時間を短縮させたい人」や「塗装によって木材をしっかり保護したい人」ということになるでしょうか。
オスモカラー・ブライワックス・ワトコオイル(+ルビオモノコート)の比較、いかがだったでしょうか?こうして振り返ると、それぞれの塗料に個性と適性があることがわかります。
すごく個人的な印象をざっくりまとめると「床などをしっかり保護したいときはオスモ」「仕上がりにツヤを出したいときはブライワックス」「なめらかな手触りがほしいときはワトコオイル」という感じで使い分けるのがいいかな、と思いました。