(241)写真で見る世田谷のマンションの一室
今回は僕が管理している世田谷のマンションの一室をごらんいただきます。
あいかわらずコロナが猛威を振るう日々が続いていますが、空室が発生しなかった昨年とくらべ、今年は人の動きが活発化しているようで3月・4月と退去が続きました。一室は相当くたびれているのでこれからフルリノベーションをかけるのですが、もう一室は6年前に工事した部屋です。先代から大家の仕事を引き継いで初めて手がけた部屋なのでとても印象に残っています。もう6年も経ったなんて時が過ぎるのは本当に早いものです。
カメラマンの邑口京一郎さんに初めて撮影してもらったのもこの部屋が完成したときでした。せっかく素晴らしい写真を撮ってもらったのですから、入居者の募集時だけに使って後はハードディスクの中にデータを眠らせておくのではもったいないと思い、ごらんいただくことにしました。写真に付した番号は末尾の間取り図と対応していますので参照ください。
これはうちの募集広告でメインに使われている写真。六畳のリビングに立って三畳のサービスルームを写しています。もともとリビングとサービスルームは下がり壁でゆるやかに間仕切られていましたが、その壁を撤去。天井も取り払って広々とした空間ができました。
反対に、サービスルームからリビングを臨みます。一階にしては日当たりも良く、掃き出し窓から射し込む日光で明るく過ごせます。
リビングからキッチンや水まわりのほうを眺めてみます。
左に見えている引戸はポリカーボネート製。
ドアを閉じると視線を遮りつつ、ゆるやかに明かりは通します。
建具を新しくするとけっこうなお金がかかってしまうのですが、あの頃は古い建具じゃダメだという思いがありました。現在では費用削減のために古い建具を塗装して使っています。
キッチンです。以前、このブログでもご紹介しましたが、サンワカンパニーの「ステムズ」というコンパクトキッチンで現在は廃番となっています。
キッチンの右隣に玄関があるので、埃や汚れがキッチンに入らないようにガラスで仕切りました。
これもけっこうお金がかかったので今だったら他のことに使うかもしれないかな。
真っ白な洗面です。ボウルやキャビネットはサンワカンパニーで選びました。「ラバボ」という製品で、手前に向かってアールがついているデザインとボウル下にタオルホルダーが付属している便利さが気に入りました。こちらも現在では廃番。流行り廃りの速いこの世界では6年はけっこうな時間なのかもしれませんね。
洗面は脱衣所も兼ねており、向かって左にはお風呂があります。在来のお風呂をリフォームしたのですが、けっこうきれいになりました。でも、内見にいらっしゃった方の話を聞くと在来のお風呂は苦手という方が多く(とくに女性)、これ以後の工事ではユニットバスを採用しています。
トイレ。もともとは洗面の右側にドアがありましたが、狭苦しいのでドアを正面に移設してもらいました。背面の壁はグレーでアクセントカラーを付けてみました。後悔しているのは、せっかくドアを移設したのに足もとが狭いこと。もう少しドアを手前に設置して広い空間にすればよかったと悔やまれます。
完成当時、募集をおこなったのは3月末のハイシーズン。邑口さんの写真のおかげもあって多い日には10組もの内見があり、複数の申し込みをいただきました。内見の案内が間に合わず、順番待ちになったのはあのときが最初で最後です。大家さんになりたての自分としては上出来な滑り出しでした。
あれから6年が経ち、再び空室となったこの部屋。次回は退去から募集に至るまでの経緯について書きます。