(247)【前編】空室を利用して照明器具の見え方を比較してみる
シーリングライトやペンダントライト、ガラスシェードに琺瑯シェード、LED電球にエジソンバルブ……灯具次第で部屋の見え方やインテリアの印象は大きく変わりますが、事前にサイズ感や光の広がり方などを想像するのはなかなか難しく、照明選びにはいつも迷います。
今回は世田谷のマンションの空室を利用して、僕がストックしている照明器具を片っ端から設置して比較してみようと思います。
次回のリノベーションのためにストックしておいたもの、僕がプライベートで使用しているもの、わけあって知人からお預かりしているものなど、かき集めることができるものをすべてそろえてみました。
■ナショナルのシーリングライトとイケアのスマート電球
早速シーリングライトから参りましょう。文字通り「天井(シーリング)に設置する照明(ライト)」です。
こちらは6年前のリノベーション時に設置したもの。だいぶ昔に実家で使用していた「ナショナル(National)」製のシーリングライトです。日本のあちこちの住宅で見かけるオーソドックスな照明ですね。
部屋全体をムラなく青白く照らす灯りはいちばんなじみがある風景と言っていいでしょう。何が不便というわけではありませんが、なんというか面白味に欠けます。明るすぎると思う方もいるかもしれません。
感じ方は人それぞれなので光量や色味を調節できるほうが好ましいと思い、新しい入居者さんを募集するにあたってイケア(IKEA)のスマート電球に取り替えてみました。
先日公開された「日刊Sumai」の連載でもご紹介した「トロードフリ(TRADFRI)」のリモコンセット(2,999円)です。
何の変哲もない電球ですが、躯体あらわしの天井にはわりと違和感なくなじみました。
リモコンで色味と明るさをコントロールできる利便性が魅力です。
寒色。先ほどのシーリングライトに近い色。
暖色。いわゆる電球色。
その中間。以下の原稿でとくに断りのない場合、この色味で照明器具を試していることをご承知おきください。
明るさを落としてみました。拙い僕のカメラ技術だとうまく伝わりづらいので、肉眼の印象に合わせてPhotoshopで補正しています。
先の4枚をGIFアニメにまとめてみました。
照明の色や明るさを自由に変えられると、仕事・食事・映画鑑賞など生活のシチュエーションに合わせて使い分けられるのでおすすめです。
■グリッドダウンライトとエジソンバルブ
続いては以前もショールームをご紹介した「アートワークスタジオ(Art Work Studio)」製の「グリッドダウンライト(Grid-down light)」です。
名前のとおりダウンライトのようなシンプルな見た目が特徴です。
価格:6,600円 |
後付けで存在感控えめな照明を求めている方におすすめです。
この「グリッドダウンライト」、本体についたスイッチで灯りの「寒(Cool)/暖(Warm)」を切り替えることができます。
まずは寒色から。
こちらは暖色。先ほどのイケアの電球の中間色に近く、電球色ほどの黄色みはない印象です。本体スイッチなので気軽に切り替えることはできませんが、便利な機能です。
一方、こちらは最近カフェや雑貨店の内装などですっかりおなじみになったエジソンバルブ。
名前のとおり、古いフィラメント電球のようなたたずまいで部屋にレトロな雰囲気をもたらしてくれます。
灯りはかなり黄色みの強い電球色で、明るさはやや暗め。60Wでこれだと部屋全体を一灯で照らすのはちょっと苦しいかもしれません。
■ペンダントライトを便利に使うための小道具あれこれ
次はペンダントライトを設置してみましょう。
「四種類の天然木と真鍮を組み合わせた」という「SOU(ソウ)」です。
価格:7,480円 |
シェードなしでも十分に個性を主張できるデザインです。
早速取り付けてみると…
シーリングまわりがごちゃごちゃしてるので隠しましょう。
プラスチック製のシーリングカップでカバーしました。ホームセンターやアマゾンで簡単に手に入ります。
プラスチックで安っぽさはありますが、近寄ってまじまじ見ることはまずないですからね。
コードをフルに使って吊るしたら長すぎました。ペンダントライトあるあるですね。
こういうときはコードリールを使って長さを調整します。
頭がぶつからない程度の高さにしてみました。
ちなみに、コードの長さが足りないときは引掛シーリング用の延長コードという手もあります。
でも、接続部分の見た目がアレなのでご注意ください。
これは山小屋の母屋の天井。そのうち改善したいと思っています。
さて、電球が丸見えになるタイプのペンダントライトはソケットと電球のマッチングも悩ましいところ。
イケアのスマート電球が木製のソケットに合っていない気がします。
エジソンバルブと組み合わせたらぐっと良くなりました。
でも、一灯だとやっぱりちょっと暗いんだよな……。
■増改アダプタを使えば簡単に照明の多灯化が実現
そこで、エジソンバルブのような光量の少ない電球の多灯使いを試してみます。
使うのはこのアイテム。
照明器具と同時にコンセントを増設できる「パナソニック引掛シーリング増改アダプタ1型」です。
これを灯具との間にかませることで照明の電源とは別にコンセントの電源も取ることができるようになります。
ちなみに「増改アダプタ2型」もあってコンセントではなく照明の取り付け口を増やすこともできます。
これも山小屋の母屋の写真。
今回は「1型」でコンセントから電源を取るタイプの照明を設置してみます。
以前ご紹介した「PIT.」(HIGHTIDE)の照明コード(とエジソンバルブ)です。
現在では販売を終了しているようですが、実はソケット部分については「Line me(ラインミー)」のコンセント型ソケット「ACCENT(アクセント)」が使えることを最近知りました。
ソケット+カラーコード照明:LineMe ACCENT ラインミー アクセント(コンセント仕様)壁、床で使用可能な照明 ファブリック照明コード【ポイント】: 価格:3,960円 |
試しに僕もひとつ購入してみましたが、問題なく取り付けられました。
先ほどの増改アダプタに接続したら天井伝いに延ばしていきます。
天井のアイボルトにS字フックをかけてコードを吊るしています。
多灯にしたぶん明るくなりますし、インテリア的にも面白い雰囲気が出ました。
思いつきでデスクランプをスツールにのせて部屋の隅に追加してみることに。
多灯で室内を柔らかく照らし、手元などを必要なところをランプでさらに明るくするという考え方もありですね。
ちなみにメインの照明を電球のみに替えてみると…
また雰囲気が変わります。天井をイケアのスマート電球にして明るさを調整しつつ、ペンダントのエジソンバルブで灯りを足せば雰囲気と利便性が両立できそう。
ペンダントライトでスツールがあるところだけ照らす、みたいな考え方もありかもしれませんね。
長くなったので続きは後編に。素材感の異なるペンダントライトをくらべます。