(296)塗装前にザラザラベースを下塗りして凹凸をつけてみた
前回から水まわりの隣の玄関のリフォームをはじめました。
今回は壁と天井の塗装をおこないます。
使用する塗料は水まわりのときと同じくU-SELECTの珪藻土塗料です。
砂壁の質感はそのままに雰囲気を一変させられるのでおすすめなのですが、砂壁以外の造作部分をそのまま塗装するとどうしてものっぺりとした仕上がりになってしまいます。
これは水まわりの造作部分を塗装した際の写真。砂壁とくらべると…
質感の落差は一目瞭然。
そこで、塗装前に質感を改善するための下塗りをおこなってみることにしました。
使うのは「ザラザラベース」。
「ニッペ」でおなじみの日本ペイントの製品です。
容器の裏の説明によれば「ザラザラした質感の下地をつくる下塗りベース」とのこと。
500mlで約2平米が塗装できるそうです。
ふつうの塗料にくらべると、どろっとした質感です。
混ぜてから塗装します。あとあとご説明しますが、ここがとっても大事。写真のようなわりばしよりも、もっと中身が混ぜやすいスプーンのようなものでしっかり混ぜることがポイントです。
容器に移しているところ。粘度のていどが伝わりますでしょうか。
造作してもらった壁部分や、
張り替えてもらった天井には以前と同じくパテとシーラー塗装で下準備を済ませてあります。
「ザラザラベース」をハケに付けると、塗料にツブツブとした粒子が混ざっているのがわかります。
塗ってみると意外にあっさりとしています。
粒の混ざった塗料といった感じでしょうか。
期待したよりも平坦な仕上がりだな……と少々失望した気持ちを感じ始めていた矢先、
容器の底に粘度の高い塗料だまりがあることに気づきました。この「ザラザラベース」、思ったよりも塗料の沈殿が激しいようです。
もともとの容器を確認してみると、やはり底のほうはかなりどろりとしていました。いまひとつ質感が出なかったのは上澄みの薄い部分だけで塗装していたからでした。ボトルの裏面の注意書きをあらためてよく見ると…
ちゃんと書いてありました。混ぜ方が甘かったせいでいまひとつザラザラしなかったのか……。
あらためてしっかり混ぜてから塗り直してみました。
お!ツブツブに加えてもったりとした凹凸も加わり、だいぶ表情が出てきました。
これなら塗装後の仕上がりもかなり変わりそうです。
こちらは塗装の翌日の写真。乾いたあともしっかり凹凸やツブツブが残っています。
少々離れたところから眺めても「ザラザラ」とした質感がわかります。
続いて、この上から珪藻土塗料を塗って仕上げていきます。
あわせて砂壁部分も塗装。質感がそろってくれるとうれしいのですが……。
塗装後の様子。さて、仕上がりはどうでしょうか?
うん、いい感じにザラザラが出ています。
砂壁部分と質感をくらべてみましょうか。
左が造作部分、右が砂壁部分です。こうしてくらべると、さすがに砂壁のほうがより凹凸が多くて表情が豊かな感じがします。それでも造作部分の質感もだいぶ砂壁の質感に近づけたのではないでしょうか。
以前、パテとやすりがけしただけのときののっぺりとした塗装面とくらべれば劇的に改善されたと思います。
塗装前にひと手間かけることでこの表情が手に入るのはうれしいです。
質感にこだわった塗装をおこないたい方はぜひトライしてみてください。
ちなみに、「ザラザラベース」は「P-Effector」という下塗り塗料シリーズのひとつで、他にもぽってりとした厚塗りに仕上がる「デコボコベース」や
アンティーク調のひび割れが演出できる「パリパリベース」があります。
機会を見つけてこちらも試してみたいと思います。