(307)玄関リフォームのビフォーアフターを比較する
前回、靴箱の片付けが終わり、晴れて玄関のリフォームが完了しました。
今回は工事前と工事後の写真を見比べながら工事内容を振り返りつつ、書き漏らした細かいディテールについてもご紹介できれば、と思います。
まずは玄関の引戸を開けたところから。
正面の壁には木の素材感が印象的な「バンピーウッド」(サンワカンパニー)を張り付け、雰囲気を一新しました。ひとつひとつカットして、ボンドで接着するのは大変でしたが、仕上がりには満足しています。
洗い出しと呼ばれる技法で仕上げられた土間には手を加えていません。イチョウの木の框も含め、気に入っているもの(や手を加えにくいもの)は残しつつリフォームしました。
洗い出しは難易度が高く、ちゃんとした左官の腕を要求される技法なんだとか。今後も大事にします。
砂壁だった部分は珪藻土塗料でダークグレーに塗装し、床にはダークブラウンのココフロアを張りました。落ち着いたトーンに仕上がったところが気に入っています。
前回の洗面の工事ではドアはニスでダークブラウンに塗りましたが、今回の工事ではドアや引戸には手を加えていません。壁との色味のコントラストははっきり出ましたが、思ったよりも違和感はありませんでした。
何もなかった壁にはフックを設置し、コートや上着などがかけられるようにしています。本来、砂壁にはネジは効かないのですが「スピード・ミニ10」を使って設置することができました。
フックは祖父の遺品から見つけたもの。和風のデザインですが、鉄製のどっしりとした質感とカブトムシのような見た目が気に入っています。
造作し直してもらった天井も珪藻土塗料で塗りました。砂壁の質感にそろえるためにザラザラベースを下地に塗りました。
ちなみに、天井の照明器具は巷の電器屋さんで手に入るシンプルなレセップですが、天井と同じザラザラベース&珪藻土塗料で塗ってあげることで一体感を出してみました。
プライマー→ザラザラベース→珪藻土塗料という三段階の塗装は手間がかかりますが、マットでざらつきのある質感に仕上がり、安物のリメイクとしてはなかなかだと自負しています。DIYはこういう工夫も楽しいのです。
ただ、全体的にダークグレーになった室内は工事前にくらべると若干暗めに感じるようになってしまったのは否めません。空間を明るく見せたいなら、やはり白系の色を選ぶのがよいと思いました。
ごちゃごちゃしていた靴箱周辺も、ケーブル収納やトランクカーゴなどを駆使して片付けました。
壁中央の特等席に飾ったのは、祖父の代から玄関に置かれていた亀の剥製。こちらも「スピード・ミニ10」でフックを砂壁に固定してかけました。
ひと昔前の昭和の住宅ではよく見かけるものでしたから、「こういうの、うちにもいた」という方も多いかもしれませんね。
傘立てに使ったのも、祖父の遺品の陶器。
倉庫から見つかったのですが欠けているところがあり、傘立てに再利用することにしました。
倒れて割れてしまったら悲しいので、透明なテグスで靴箱に固定してあります。
洗面がほしいという思いから始まった工事は、ドアの移転や窓の断熱、玄関のリフォームまで及び、ようやく完成にこぎつけました。労力もお金もかかりましたが、その分かなり暮らしやすくなりました。
個人的にはリフォームというと「見た目をきれいにする」ことに引っ張られがちなのですが、「生活が快適になる」のは素晴らしいことだと実感した次第です。