(317)洗面のインテリアは円形をモチーフに構成した

インテリア

前回のキッチンに続き、今回は洗面のリフォームを考えます。

うちのマンションは先代の大家の時代に在来のお風呂をユニットバスに交換した影響で、昔よりも洗面のスペースが狭くなってしまったことは以前も書きました

一体型洗面台
※過去に不動産屋さんが撮影した写真

そこに設置されていたのは賃貸マンションではおなじみの一体型洗面台。僕も使ったことがあるのでわかりますが、いろいろ気の利いた(ように見える)ギミックが付属していながら、ノーマルな洗面とくらべて特段便利だとも思えず……とにかく野暮ったい見た目が個人的にイヤなのでリフォーム時には必ず交換しています。

洗面解体後

洗面台をはずしたあとの写真がこちら。

壁の横幅の測量

横幅を測ってみるとわずか55センチほどしかありません。大人が使うにはかなり狭い空間ですが、インテリアを改善して少しでも快適に感じられる空間にしたいと思います。

さて、うちのマンションで洗面台をリフォームするときの定番は以下のとおり。

  • 天井か壁に照明器具
  • ミラーキャビネット(収納必須)
  • 洗面ボウル(壁づけorカウンター置き型)

あわせてタオルかけなどの小物も設置します。

今回の部屋はモノトーンでまとめると決めているので洗面空間も白・グレー・黒で構成することにします。当初は洗面のつく壁にグレーでアクセントカラーを塗ってもらう案を考えました。

洗面インテリアのラフスケッチ

左右の壁と天井はホワイト、ブラックの小物でアクセントをつけていくという感じです。

グレー塗装ではなくタイルを張るのもありかもしれません。

洗面インテリアのラフスケッチ

なんて考えていたら、以前も似たような洗面を作ったことがあったと思い出しました。

別の部屋の洗面

背面に張ったのは黒のボーダータイル。天井付けの照明(toolbox)や洗面の水栓(サンワカンパニー)、アメリカンスイッチ(R.C.company)も黒でまとめました。洗面ボウルはリクシル(Lixil)製の安価なものをヤフオクで入手。縦長のミラーキャビネットもメルカリで購入し、コストダウンを図りました。

同じことを繰り返してもつまらないので別の案を出してみることに。

洗面インテリアのラフスケッチ

ブラックを差し色に使うのはやめて、白とグレーだけでまとめます。

この場合、主役になるのはタイルです。

サンワカンパニーのタイル「ビセル」
※「サンワカンパニー」の許可を得て撮影・掲載しています

サンワカンパニーのショールームで見つけた「ビセル」というタイル。こういうエレガントな雰囲気のタイル、一度使ってみたいと思っていたのです。「ライトグレー」と「セージ」というグレー系の2色をミックスして張っても面白くなりそう。

ただ、以前も書いたとおり大判のタイルは施工スペースにうまく収まらないとカットせねばなりません

上手に切れましたが、僕のような素人にとってはディスクグラインダーによるタイルカットは大仕事。危険に配慮しながらの作業で神経も使いますし手間もかかります。山小屋の環境ならともかく、ド都心の世田谷で爆音を出しての作業も不安があります。

できればカットしないで張れるタイルはないかと物色して見つけたのがこちら。

平田タイルの「SAVON」白と青

平田タイルの「SAVON」というタイルです。四角形の中に丸形を入れ込んだ模様が印象的で一目で気に入りました。サンプルだと数色のブルーが混ざった青も大変きれいなのですが、今回の部屋のコンセプトからははずれるので白を選びます。

平田タイルの「SAVON」白

よく見ると細かいヒビのような模様(貫入と呼ぶそう)が入っていてきれいです。これを背面の壁に張って濃いグレーで目地を入れてみたい……ということで洗面デザインの中心は結局タイルになりました。

ちょうど同じ頃、こんなものも入手しました。

HAYのタオルかけ「GYM HOOK」

これ、実はタオルかけなのです。

HAYのタオルかけ「GYM HOOK」

デンマークのプロダクトブランド「HAY」の「GYM HOOK」です。

HAYのタオルかけ「GYM HOOK」

金具で壁面に固定すると、壁からドーナツがにょきっと出ているような不思議な見た目になります。以前、原宿の店舗で見かけてから気になっていました。

当初は山小屋のトイレか洗面に設置するつもりでしたが、よくよく考えると色合い的にも今回の洗面にピッタリだと気づきました。タイルと同じく丸い形がそろうのもいいなと思い、洗面のインテリアは円形のモチーフで構成することにしました。

サンワカンパニーのカタログの「SUSメタ サークル500」
※「サンワカンパニー」2021-2022カタログの208ページから引用しました

サンワカンパニーのカタログを見ると円形のミラーキャビネット「SUSメタ サークル500」がありました。これを組み合わせて構成案をまとめました。

洗面インテリアのラフスケッチ

スケッチが雑な理由は描いてる途中にこれで決まりだなと思ってしまったから。

タイルを張ることもあり予算面が心配ですが、気持ち的にスッキリまとまったのでなんとか実現すべく予算の削減に努めます。

タイルはいつもどおりDIY施工で材料費のみ、ミラーキャビネットはポイントバックのセールで購入して施主支給、天井の照明はIKEAのガラスボール型。壁づけの洗面ボウルもリクシル製の丸みのある安価なタイプを選びます。

価格一覧をごらんください。

  • IKEAの天井付け照明「FRIHULT(フリフルト)」:2,499円
  • サンワカンパニーのミラーキャビネット「SUSメタ サークル500」:31,800円
  • リクシルの洗面ボウル「L210C」(排水トラップなど含む)+水栓「TLS04302JA」:32,500円
  • 平田タイル「SAVON」:21,425円(別の場所で使用する分も含む)
  • HAYのタオルかけ「GYM HOOK」:4,900円

ミラーキャビネットやタイルなどが高額なぶん、洗面ボウルや照明器具を安くしてバランスを取ったかたちです。

こうして出来上がった洗面が冒頭に挙げた写真。

完成後の洗面

ほぼ予定通りにできました。円形のモチーフを多用しつつも色合いはモノトーンでまとめたので、けっこう落ち着いた雰囲気に仕上がったと思いますがいかがでしょうか。

次回はこの壁面にタイルを張ったときの話。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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