(328)イケアのキッチン収納「クングスフォルス」のこと
前回の再録記事でもおわかりのとおり、うちのマンションではIKEA(イケア)の収納をフル活用しています。
特にキッチン収納「クングスフォルス(KUNGSFORS)」シリーズは秀逸で、自宅も含めてこれ一択となっています。
■キッチン収納はオープン収納で(が)いいのでは?
キッチンの価格を比較検討すればすぐに気づきますが、吊り戸棚とオープンな棚板とでは大きな金額の開きがあります。
吊り戸棚には建具(トビラ)などが付属しているので高額になるのは当然なのですが、個人的にはその差額を払ってまで設置する意味が見い出せないと感じています。
実家のキッチンは母の希望で吊戸棚をたくさん設置しました。「中が見えないので見た目がすっきりする」というのが母の挙げた理由でしたが、僕に言わせれば「中が見えないので何がどこにあるかわかりにくい」という欠点が気になります。
母が亡くなったあと、キッチンを整理すると「とりあえずぶっこんだだけ」という不要な調理器具や古い調味料などが大量に見つかり、処分に苦労しました。「フタをして見えないようにする」と不要品を死蔵して貴重なスペースをムダに使ってしまうことにつながりかねないのはデメリットだと思います。
もちろんオープンな棚板にも「ホコリや汚れが付着しやすい」「物を落としやすい」というデメリットがあるので、一長一短。どちらが優れているという話ではありません。
内見に立ち会っている実感でも、棚板収納に対しての反応は肯定派&否定派が五分五分に分かれるくらいです。フィフティフィフティなら価格がリーズナブルで自分好みのオープン収納を導入したほうがいいかなと考えています。
■前身シリーズの「グルンドタール」
現在のイケアでは「クングスフォルス(KUNGSFORS)」シリーズがキッチン収納のメインシリーズとなっていますが、僕が大家さんになった当時は「グルンドタール(GRUNDTAL)」というシリーズが主流でした。
既存のキッチンに「グルンドタール」のキッチン収納を足すことで利便性と見た目を改善しました。
導入してみると内見時の評判も非常に良く、古いキッチンの改善のみならず新しいキッチンのメイン収納としても十分に活躍できると実感しました。
業務用のキッチンと組み合わせた際には「グルンドタール」を大量に設置。
数えてみると、10種類の「グルンドタール」を設置していました。棚板やレールなどの規格がそろっているので、横幅がきれいにまとまっています。ステンレス製のキッチンとも相性抜群で、今見てもお気に入りのキッチンです。
■「クングスフォルス」の設置はプロにお願いするのが無難
この「グルンドタール」シリーズの生産が終了し、後継シリーズとしてリリースされたのが「クングスフォルス」シリーズです。
コンパクトキッチンに設置した例。
向かって左のレール収納のみ「グルンドタール」で、残りは「クングスフォルス」です。こうしてならべると、パイプの径が若干細くなってスマートな印象になったのがわかります。
今回のキッチンでも、この「クングスフォルス」シリーズを採用しています。
サンワカンパニーの「フィーネ」を組み合わせてL型キッチンを設け、平田タイルの「SAVON」をアクセントに張ったところまでは以前も書きましたね。
シンクのある壁側には全面に合板を入れてもらい、上からキッチンパネルを張ってもらいました。壁にネジがしっかり効くかは木下地の有無が大事です。僕のようにイケアの収納棚を支給して設置してもらう場合、事前にその旨を伝えて下地を入れてもらうようにするのがおすすめです。
どの高さにどの収納を設置するかも重要です。現場監督さんのアドバイスをもらいつつ、棚の位置を決めました。実際に手をのばしてみたりして使い勝手をイメージしながらの打ち合わせです。
前回も書きましたが、設置は大工さんにお願いします。イケアの製品はシンプルでムダのないところが良いところですが、設置用のネジは付属しておらず設置する人が用意せねばなりません。日本製品のように懇切丁寧な説明書もなしに、ずっしり重い棚板をDIYで設置できるほど僕は自分の腕に自信がありません。設置費用はかかるのですが、安全に対して支払うお金だと思っています。
今回、棚板の内側にレールをすっぽり収めるように設置してもらいましたが、収まりがかなりタイトでした。
どうしても金具が干渉してしまうので、大工さんがワッシャーをかませて調整してくれました。設置時のトラブルにうまく対応してもらえるのもプロにお願いする利点です。
僕のリクエストどおりに無事に設置してもらえました。
■壁に設置した「クングスフォルス」ぜんぶまとめて「13,892円」
ここでお金についてまとめておきましょう。
①~③は幅60センチの棚板(商品番号403.349.35)でひとつ「2,999円」。
④の幅56センチのレール(商品番号703.349.34)で「999円」。
⑤の幅56センチのマグネットナイフラック(商品番号103.349.27)で「2,499円」。
合計すると「12,495円」となります。
このほかに小物入れ(商品番号303.349.26)「999円」とS字フック(商品番号703.349.29)「199円」を2パック購入しましたが、それを含めても「13,892円」です。プロに設置を頼むなら設置費がかかることをお忘れなく。
近年、原宿・渋谷・新宿と出店が相次ぐイケアですが、都市部の店舗ではちょっと大きめのサイズや設置に手のかかる商品の取り扱いがないのが難点です。上に挙げた中では、棚板とレールは港北や新三郷、立川のような郊外の大型店舗でしか購入することができないのです。
アマゾンなどのネット通販でも購入はできますが、
ごらんのとおり価格はかなり割高になるので賃貸に導入するメリットはガクンと下がりますね……。僕もどうしても時間がないときにアマゾンを使うこともありますが、価格を考えるとできれば店舗まで足を運びたい気持ちがあります。
■コイズミのスポットライトは「クングスフォルス」とベストマッチ
さて、キッチンに必須なのが手元灯ですが、この選択はなかなか難しく、以前はよく失敗しました。
ポイントを挙げると「調理中にしっかり手元を照らしてくれる」ものでありながら、「目に直接光が入って眩しいことがない」ような灯具を選ぶ必要があります。
一般的には、吊戸棚の下に設置することで、目立ちにくく手元だけに光が当たるようにしますが、今回のようなパイプ式のオープン棚ではムリ。
そこで、カサのついたスポットライト「AS39671L」(コイズミ照明製)を支給して壁に設置してもらいました。
カサのついたスポットライトは山ほどありますが、こちらを選んだ理由は2つ。
「ホワイトブロンズ仕上げの質感がステンレスの「クングスフォルス」シリーズとマッチしそうだ」ということと、「本体にスイッチが付属しているため別にスイッチプレートを設置する手間が省ける」こと。
スケジュールの都合もあって、実物を確かめられないままの通販だったのですが、結果的に大正解でした。
まるで「クングスフォルス」シリーズと言われてもおかしくないくらいなじんでいます。現場の人にも好評でした。
実際に点灯してみてもいい塩梅で手元だけを照らしてくれて眩しさは感じませんでした。ぜひおすすめしたい照明です。
■リンナイのガスコンロとリモコンパネルも組み合わせて完成
かくして無事にキッチンまわりが整いました。リーズナブルなのに安っぽく見えないのが「クングスフォルス」シリーズの素晴らしいところですね。
ついでにキッチンに設置したガス関係の製品もご紹介しましょう。
白を基調としたキッチンなので、ガスコンロも白を選びました。
リンナイ(Rinnai)のガスコンロ「HOWARO(ホワロ)」です。
ホワイトカラーがクリームっぽさもなくパッキリ白で、比較的シンプルなデザインなのが決め手でした。個人的には火力が弱いのが気になるのですが、賃貸ですから安全重視にせざるをえません。公式ストア限定の販売ですが、定期的にセール価格になるのでそのタイミングを狙うと10%ほど安く購入できます。
キッチン用の給湯リモコンパネルもリンナイ製。
山小屋の離れにも設置した我が家の定番「MC-190」です。
スイッチパネルとほぼ同サイズでガスパネルにありがちな野暮ったさがありません。
ようやくキッチンも完成。
次回は既存のユニットバスに少々手を入れて改善します。