(354)戸建ての別荘とリゾートマンションを比較して感じたこと

お金のこと

前回は熱海にリゾートマンションを探そうと思った経緯をお話しました。

今回はなぜ戸建ての別荘ではなくリゾートマンションを選んだのか?についてご説明します。

別荘を検討するにあたり「戸建てとリゾートマンションのどちらがよいのか?」という論争はよく耳にします。僕自身、熱海のリゾートマンションを検討して初めて両者を比較する視点を持つことができました。僕なりに考えた戸建てとリゾートマンションのメリットとデメリットを挙げつつ、後者を選んだ理由をご説明したいと思います。


■そもそも別荘を所有するメリット・デメリットって?

別荘と呼ぶにはおこがましいのですが、僕は東京の西部の山奥に戸建てを所有しており、春から秋まで頻繁に訪れています。

以前、このブログでも「別荘を所有するメリット・デメリット」について書いたことがありました。

あらためて読み直してみると、ざっくりこんな内容でした。

【デメリット】購入・修繕・維持管理などにお金と労力がかかる

【メリット】いつでも行ける・好き勝手にできる

基本的な考え方はリゾートマンションの場合でも変わりはありませんが、戸建てと比較すると、お金のかかり方が異なるのがひとつのポイントだと言えると思います。


■山の家の修繕には10年間で250万円も費やした

以前、「日刊Sumai」の連載で山の家(母屋)の修繕にどれだけのお金を使ってきたかについて書きました。

【築50年の山小屋の修繕に10年間で使った総額は?】

詳しい内容については記事をお読みいただくとして、10年間でかかった修繕費の総額は250万円でした。年換算で25万円、月換算で約2万円もの修繕費を費やしてきた計算です。

この金額にはキッチンの移転や水まわりのリフォームといった住環境を向上させる工事に費やしたお金は含まれていません。破損やトラブルなどで生じたマイナス部分をゼロに戻すための工事が大半を占めます。

外壁の修繕風景
※写真は離れの外壁塗装時のもの

築年数や広さにもよるとは思いますが、戸建ての別荘には修繕がつきものと思っておいたほうがいいでしょう。

さらに、物件を所有している以上、固定資産税や水道光熱費、火災保険などもかかります。こちらは月にならしておよそ3万円弱。先ほどの修繕費と合計すると毎月5万円弱が出て行くことになります。


■リゾートマンションは管理費や修繕積立金が高額

では、リゾートマンションはどうでしょうか?

リゾートマンションの室内

今回、購入を検討するにあたって実際に熱海に物件を所有する人や、購入を検討したことのある人、なじみの不動産屋さんなどに相談したのですが、全員が口をそろえて言うデメリットが「維持費の高さ」でした。

リゾートマンションは「管理人が常駐することに伴う人件費」や「大浴場やプールなどの共用施設の維持費」が上乗せされるため、一般的なマンションとくらべて管理費や修繕積立金が高額になることが多いと言われます。

僕が購入した物件も管理費と修繕積立金をあわせて毎月3万円近くかかります。このほか、熱海では別荘税(!)も課税されますし、固定資産税や水道光熱費、火災保険なども含めると、月に一泊もしなくても毎月5万円くらいのお金がかかります

お金の面でくらべると「戸建ての別荘では必要に応じて都度都度お金をかける必要がある」のに対し「リゾートマンションでは定期的に管理費や修繕積立金を支払う」というのは大きなちがいですね。


■マンションの管理人さんにトラブル対応してもらえる安心感

僕の個人的なケースではありますが、戸建てでもリゾートマンションでも毎月およそ5万円の維持費がかかっていることがわかりました。それなら、どっちを選んでも変わらないかというと、さにあらず。

管理人さんのいるリゾートマンションとくらべ、自分で管理する戸建てはとにかく手間がかかります

これまで山小屋では、さまざまなトラブルに見舞われてきました。

駆除したハチの巣

屋根裏に住み着いたハクビシンの追い出しや、スズメバチの巣の駆除。

【ハチ、野ネズミ、ハクビシン…山小屋暮らしは生き物との戦い】

破裂した水道管から吹き出す水

大寒波によって凍結した水道管が破裂した漏水トラブル。

【水道料金が25万円?大寒波が招いた水道トラブル】

台風後の床下

強烈な台風による河川の増水で床下が浸水し、漏電が発生したことも。

【台風19号で別荘の裏の小川が増水!被害の復旧に25万円かかった】

こんな具合に毎年のように修理に追われています。

戸建ての別荘を所有しているとトラブルのたびに現場まで駆け付け、自分で工事を手配して修繕をおこなわねばなりません。これは労力的にも精神的にもけっこうな負担です。

一方、リゾートマンションの場合、管理人さんが常駐しているので急なトラブルにも対応してくれますから、オーナーがあわてて駆け付ける必要はなくなります。

そのために高い管理費を払っているのだと言われればそれまでですが、維持管理の手間をお金で買うという観点でいえば、リゾートマンションは戸建ての別荘よりもはるかに手がかからないと言えるでしょう。

なお、戸建てでも管理会社のある別荘地にあるものならばリゾートマンションと同様に管理を委託できるので、一概にリゾートマンションのメリットだとは言えないところはあります。


■戸建ての別荘は自由度が高いのがメリット

ただし、自分の土地に建つ自分の家は自由度ではリゾートマンションに勝ります。最近、山小屋では焚き火を楽しんでいます。

焚き火

これは人家がまばらな山奥の戸建てだからこその楽しみです。バーベキューや花火をしたり、庭で工具を使ってタイルをカットしたりしても、ご近所に迷惑さえかけなければ自由です。

壁ひとつを隔てて隣に他人が済むリゾートマンションではそうはいきません。そもそも占有の屋外スペースはありませんし、仮に広いバルコニーがあってもそこでバーベキューなどしようものなら、他の部屋からクレームがくる可能性はかなり高いでしょう。別荘でアウトドアを楽しみたい人にはリゾートマンションは不向きなのです。

もちろん、戸建てでも住宅地に建つ別荘の場合、近隣への配慮は欠かすことはできないのですが、それでもリゾートマンションにくらべて自由度が高いのはたしかだと思います。


■決め手はリゾートマンションならではの眺望

とまあ、思いつくまま、戸建ての別荘とリゾートマンションを比較してみましたが、ざっくりまとめると、

【戸建て】「物件を管理する労力と引き換えに自由を謳歌する」か、

【リゾートマンション】「お金を払って管理サービスを買って制限された自由を楽しむ」か、

みたいな選択になりそうです。

それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらがよいかは一概には言えないのですが、すでに戸建ての魅力と苦労を経験している僕としては、焚き火やバーベキューは山の家でやればいいし、海沿いに戸建てをもう一軒所有して管理の苦労を倍にするのはイヤだなというのが正直な気持ちでした。

熱海駅

くわえて熱海というエリアに固有の事情もあります。昭和の時代に競って建てられたこともあって熱海にはリゾートマンションが数多く存在し、戸建てよりもはるかに選択肢が豊富です。

とくに海沿いの高さがあるリゾートマンションの場合、窓から海が一望できる物件が多数あります。

窓からの眺め

これは同じ熱海エリアでくらべても戸建てよりリゾートマンションが圧倒的に優っている点と言えましょう。特にリゾートマンションと同価格帯の格安の戸建て物件ともなると、海がチラ見えするていどの場合も多く、眺望が劣る感は否めません。

個人的には「海を眺めながら仕事したり休暇を過ごしたりできる」というメリットがリゾートマンションを前向きに検討することになったいちばんの決め手でした。

次回は、この「眺望」も含め「熱海のリゾートマンションにどんな条件を求めるのか」を考えます。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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