(359)購入後に気づいた難点~格安リゾートマンションにはワケがある
※2023年3月30日追記
リフォーム後の室内の様子はこちらの記事にて公開しています。
前回、僕が熱海に購入した格安のリゾートマンション(約300万円)の室内をご紹介しました。
部屋の表面的な状態は伝わったかと思いますが、実際に泊まってみると見た目だけでは気づかないような問題が次々と発覚しました。
■二枚のドアを同時に開けるとぶつかる!
まずはドアの開き方の問題。
寝室とリビングのドアがこんな感じで隣り合っているのですが、
両方とも廊下に向かって開く構造になっていて開けるとドアノブ同士がぶつかってしまうのです。さすがにこの点は内見の時点でも気づいていたのですが、いざ使ってみると不便なことこの上ありません。
よく見ると、リビングのドアには丁番を付け替えた跡が。何らかの理由があって不自由を承知でドアを廊下側に開くようにしたかったんでしょうね。
新築にはありえない「改悪」も安価な築古物件にはつきものの問題かもしれません。
■窓のサッシが一枚足りない?
建具といえば窓にも問題が。
海が一望でき、文句なしの窓辺。
二重サッシになっているのですが、
よく見ると内窓のひとつがなぜか欠けています。内見のときは外側のサッシが開きにくいことに気を取られ、サッシが欠けていることにすら気づきませんでした。
内窓は後から増設した樹脂サッシのようですが、こちらも傷みや汚れがひどく開け閉めに苦労します。開きにくい二重サッシはストレスも倍になるのですね……。
せっかく海を見るためにベランダに出ようと思ってもガタガタとサッシを開けるだけでゲンナリします。
サッシが二重だとそのぶんだけ枠が分厚くなり見た目に重たい印象を与えるのも難点です。
サッシを交換するには相当なお金がかかるのですが、眺望はこの部屋のハイライトなので積極的に検討してみようと思いました。
■トイレを流すたびに配水管から水漏れが…
トイレにも問題がありました。
なぜか、タンクの下にバケツが置いてあると思ったら流すたびに盛大に水が漏れるのです。動画でどうぞ。
これはひどい。内見時にはトイレを流したりしなかったので気づきませんでした。
こんなときは以前もご紹介したウォーターポンププライヤーで接続部を締め直してみるといいのですが、それでも水漏れは完全には止まりませんでした。あとは水道屋さんに修理してもらうしかないとあきらめました。
業者さんに聞いた話では「たぶんパッキンがダメになってるんだと思います。交換すれば直ると思いますけど」と言われたのですが、もしトイレ本体を交換となれば予想外の費用が出て行くことになります。
■まさかのガス漏れの疑い?
続いてはガスをめぐるトラブルです。
電話一本で使用開始の手続きができる電気や水道と異なり、ガスの場合は立ち会って安全確認をしてもらわねばなりませんから、スケジュール調整をして熱海に向かいました。
停まっていたガス栓を開いて給湯器の動作を確認すれば終了のはずでしたが「ガス漏れの疑いがあります」との検査結果が。
小一時間ほど調べてもらったものの、原因がわからずその日の開栓は断念。後日、あらためて調べてもらい、ようやくメーター付近のバルブ(?)に問題があることがわかり、新しいパーツを追加することで無事に問題は解決できましたが、立ち会いの回数も二度になったので面倒でした。住んでいない物件はこういうのが大変ですね。
なんとか給湯器が使えるようになり、めでたしめでたしとなったのですが、ガスまわりには別の問題も。
この部屋、リビングのあちこちにガス栓があるのですが、ガス屋さんに聞いたところ、すべて使えないようになっているとのこと。過去の修理履歴によると昔、室内でガス漏れがあり、玄関付近にある給湯器への配管をのぞいて、他のガス管にはガスが行かないように配管を止めたそうなのです。
ということはキッチンのガスコンロも使えないということ。
よく見ると、ガスコンロ台のガス栓には見たことのないフタがかぶせてありました。現状のままだとIHを使うしかないのですが、近くにコンセントもありません。前の持ち主はどうやって料理してたんだろう……。
コンセントは増設できるにしても、IHは火力も弱いし電気は喰うしでイヤなんだけどな……この点はガス屋さんにあらためて相談することにしました。
ガス給湯器が2008年製というのも不安です。すでに製造から14年が経過しており、いつ壊れてもおかしくない年式。空前の給湯器不足がなければ交換をお願いしたところですが、あいかわらず品不足が続いているそうなので当面はだましだまし使い続けるしかありません。
■湯船のお湯がなかなか排水できない…
さて、ガスが無事に使えるようになってようやく初めてのお風呂に入れました。
海を見ながらの入浴は最高でしたが、外の風を入れるために窓を開けようとしてもビクともしません。経年の劣化でサッシが歪んでしまっているのでしょうか。
また、浴槽に溜めたお湯を流すと、途中から急に排水が悪くなり、ほとんど流れなくなってしまうのも困りました。
これは流し始めてから2時間ほど経ったあとの写真。まだ底から10cmあまりのところまで水が残っています。一晩待ったら無事に流れていたので最悪の事態ではないのですが、改善が必要なのはまちがいありません。
水栓にも気になる点があります。
左右のハンドルをひねって太い蛇口からお湯や水が出てくる懐かしい形。どこかで見たことあるなと思ったら、近所の銭湯にあった水栓そっくりです。
この丸い栓を引っ張り上げてシャワーに切り替えるのですが、この効き具合が悪くて、シャワーを使用している際も水栓から水が漏れ出てきます。おかげでシャワーの水圧も低くなり使い心地に難ありの状態。おまけにヘッドの接続部からも水漏れしますし、設備的にはだいぶ劣化している印象です。
戸建ての別荘と同様、やはり築古の安い物件にはワケがあるんだな、と実感しました。
こんな状態でも一度物件を購入してしまえば毎月の維持費は出て行きますから、ボヤボヤしていられません。
次回は気を引き締める意味も込めてリゾートマンションの維持費について詳しくまとめます。