(509)ファニチャーリノリウムと木口テープでテーブルをリメイクする

トラブルや失敗

前回、前々回、DIYでファニチャーリノリウムをテーブルに貼り付けました。

初めての作業で戸惑うこともありましたが、なんとか完成にこぎつけました。

完成した天板

表面のリノリウムのカラー「ペブル(pebble)」に合わせて天板の側面もライトグレーに塗装して仕上げました。出来に大きな不満はないのですが、終わってみると木口テープを使ったリメイクにもトライしてみたい気持ちが湧いてきました。

そこで、今回はもう一台余っているテーブルにDIYでファニチャーリノリウムと木口テープを貼ってみます。前回の施工でしくじったポイントに注意しながら3日間に分けて作業しました。


■1日目:天板にファニチャーリノリウムを接着

テーブルの天板はまたも同じIKEA(イケア)の「Linnmon(リンモン)」なので前回の写真をどうぞ。

施工前のテーブル

天板のサイズは奥行60センチ、幅120センチ。これに合うファニチャーリノリウムを探したところ…

ファニチャーリノリウムのロール

今回はPAYPAYフリマで65センチ×122センチの端材を7,000円でゲットできました。前回のものが同じサイズで8,000円でしたから、だいたいの相場がわかりますね。ちなみに、色は「パウダー(powder)」と名付けられた薄ピンクです。

ファニチャーリノリウムの巻き癖を取る

前回同様、接着前にテーブルを逆さにして重しとしてのせ、事前に巻き癖を取っておきました。

天板にボンドを塗る

クシ目ゴテでボンドを塗り、

ボンドを塗った天板

オープンタイムを十分に取ってから、

シートをかぶせた天板

シートをかぶせるように接着します。

ローラーによる圧着

ローラーでまんべんなく圧着したら、

接着した天板を逆さにして床に置く

再び逆さにします。このあたりの流れについては前回・前々回に詳しく書いたとおりです。

さて、重しをのせる前に、前回の失敗を教訓にひとつ作業を。

はみ出たボンド

それは天板とリノリウムの間からはみ出たボンドの処理

はみ出たボンドをカッターで削り取る

前回は乾いたあとにカッターで切り落としましたが、これはなかなかの手間でした。

ボンドをふき取る

そこで、今回、まだボンドが乾ききる前にふき取りました。

重しをのせた天板

あとはこれでもかと重しをします。一日目の作業はこれで終了。


■2日目:シートをカットして木口テープを接着

で、翌日。

はみ出たリノリウムをカッターで切る

重しをどけて、はみ出たリノリウムをカッターでカットしていきます。

ここも失敗に注意すべきポイント。前回はカッターに力を込めすぎて切断面がガタガタになってしまいました。

今回は、あまり力を込めすぎず、スッスッと繰り返し切れ目を入れて切り離してみました

ファニチャーリノリウムの切断面

前回よりはきれいに切れたような気もしますが、期待したようなシャープな断面にはならず。

天板からはみ出たファニチャーリノリウム

また、よく見るとこんなふうにシートの端っこが天板からはみ出てしまっているところも見つかったりします。

はみ出たリノリウムを切り落とす

カッターで天板に合わせて整えてあげました。

木口テープ

天板の準備が終わったら、いよいよ木口テープの出番です。

木口テープはDIY好きの人にはわりと親しみのある素材なのかもしれませんが、僕は今回が初めて。ちょっと緊張します。

木口テープ

選んだのはオムニツダのタモ材の木口テープ

幅40ミリで長さが10メートル

木口テープと検索すると山のように出てきますが、天板の厚さ33ミリをカバーできる幅広のものを扱っているお店はそんなにたくさんありませんでした。

ラインナップを見るともっと狭い幅のものもありますし、樹種もさまざまですので、好みのものを探してみてください。

木口テープ

今回はナチュラルな色味が欲しかったので、無印の家具などでも親しみのあるタモ材を選んでみました。

すぐに貼り付けたい気持ちをおさえつつ、いちおう説明書を読んでみると、

木口テープの説明書

え?「基材にゴム系接着剤を塗布してから貼り付け」るの?粘着式テープだからてっきり接着剤はいらないかと思ってました……。

コニシの「速乾ボンドG10」

手元の接着剤を探してみたら、たまたまゴム系接着剤がありました。よかったよかった。

コニシの「速乾ボンドG10」です。

ボンドを天板の側面に塗る

ラッキーなことにちょうど天板の厚みとぴったりなアタッチメントも付属していたので、これを装着して側面に塗りつけました。チューブを強く押しすぎるとたれてくるのでふき取りながらの作業でした。

木口テープを貼る

この上から木口テープの端をリノリウムの表面の高さに合わせながら少しずつ貼り進めていくのですが、これがなかなか難しい。

木口テープを貼る

接着剤と粘着テープの威力は強く、やり直しはききませんから、ずれそうな気配があったら、力を入れつつじりじりと位置を直しながら貼り進めていかねばなりません。

はみ出た木口テープを貼る

結局、思いっきりずれてしまったところもあります。天板の厚み33ミリに対して40ミリのテープなので、事なきを得ました。テープの幅が天板の厚みぴったりじゃなくてよかった。

角の処理も悩ましいです。

角で折り曲げた木口テープ

最初の角はテープを折り曲げてみたのですが、木がひび割れてしまってあまりきれいになりませんでした。

木口テープをカットする

仕方ないので、次の角でテープをカットして貼り合わせることに。

木口テープを貼った天板

苦戦しながらも、なんとかぐるりと木口テープを貼り終えました。

木口テープをローラーで圧着

ゴムローラーで圧着したら、ひとまず今日の作業は終了。続きは接着剤が乾いた翌日に。


■3日目:木口テープをカットしてやすりがけで仕上げ

翌朝、ボンドが乾いていることを確認してから、はみ出た木口テープを切り落とします。

はみ出た木口テープ

まず、天板の上にはみ出たテープから処理していきましょう。

はみ出た木口テープを切る

カッターでスーッと切れるかと期待しましたが、粘着テープの抵抗もあって難しい。このやり方はダメだな。

はみ出た木口テープを切る

下にはみ出たところを切るときは、天板を立てて作業しました。こっちのほうが簡単でしたし、きれいに切れました。やっぱり手間を惜しんではダメですね。

切り終えたあと、テーブルをよくよく見てみるとけっこう出来の悪い箇所も。

木口テープを貼った天板

う~ん、やっぱりリノリウムをシャープに切るのって難しいですね。このままでは目も当てられない感じなので、

天板にやすりがけ

前回と同じく150番の紙やすりで面取りを兼ねるようにやすりがけしました。

天板にやすりがけ

天板の裏の端もしっかり整えてあげましょう。

天板にやすりがけ

角の部分も忘れずにやすりをかけたら完成です。

滑らかさにこだわるなら、さらに番手の大きい紙やすりで仕上げてあげるといいかも。僕は面倒くさくてここで終わりにしてしまいましたけど。

細部を確認してみると、

完成した天板のディテール

うまくできたところはかなりきれいに仕上がったのですが、

完成した天板のディテール

先ほど触れたギザギザ・ガタガタな部分はやすりがけしてもこのていどまでしかきれいになりませんでした。

カッターによるカットの失敗を完全にはリカバーできなかったかたちです。やっぱりファニチャーリノリウムのDIYはカッターによるカットがいちばんの難関だと感じました。

それと、側面のコーナーの仕上げについても触れたいポイントがあります。

完成した天板の角

こちらは木口テープを折り曲げて貼った箇所で、

完成した天板の角

一方、こちらはカットして貼り合わせた箇所。

前者よりも後者のほうが美しい仕上がりに見えますが、

完成した天板の角

継ぎ目の部分、とくに天板の隅(矢印で示した部分)の強度には不安を感じます。使っていくうちにここから木口テープがはがれていきそうな予感。耐久性を考慮すると折り曲げて仕上げたほうが丈夫なのでは、という気持ちもあります。

完成したテーブル

このあと、白のアイアン脚をつけて仕上げましたが、詳しくは次回。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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