(367)海が見える窓のリフォームに総工費の半分をかける
前回、窓リフォームの4つの方法をまとめました。
それを踏まえたうえで、我が家の窓について考えてみます。
熱海の海が一望できる窓ですが、不満がないわけではありません。
二重サッシの内側が一枚欠けているうえ、経年劣化のためか内窓も外窓もとにかく開けづらいのです。前回ご説明したとおり、二重サッシの弱点は開閉の手間も二重になるので、開けづらい窓だとかなり面倒。
この部屋にいると、ふと海を見たくなってベランダに出ることが多いのですが、サッシを両手でつかんでガタガタと格闘していると、せっかくの気分も台無しになってしまいます。
それなら、いっそ窓も工事してしまいたいと考えたのですが、一般的に分譲マンションは窓に手を入れることを規約で禁じている場合が多いのです。
ダメ元で管理人さんに相談してみたら、このマンションではカバー工法ならば窓のリフォーム工事もOKだと教えてくれました。これも前回書きましたが、カバー工法は既存のサッシ枠のみを残し、上から新しい窓枠を取り付ける工法です。
管理人さんは「どうせ窓変えるんなら、ああいう感じがいいよね」と、とある部屋の交換済みの窓を指さします。見上げてみるとその部屋の窓は、開け放つと真ん中の2枚分がぽっかり開けられる窓でした。
もともとの窓の中央に付いていた「方立て」と呼ばれる柱がないタイプの窓です。
ここの部分が「方立て」。これがないと非常に開放感があります。どうせ窓に手を入れるなら中央をフルオープンにできる窓がいいと思いました。
しかし、窓を開けたり閉めたりして思案しているうちに室内に大量の蚊が侵入したようで、その夜は刺されまくってゆっくり寝られませんでした。海沿いの物件でも(だから?)蚊は出るんですね……。
真ん中2枚の窓をフルオープンにすれば景色は抜群だけど、虫も入ってきてしまうわけです。かといって、網戸をつけたらせっかくの景色は台無しになります。蚊の侵入を防ぎつつも海を楽しめる窓にはできないものかと考えていて、ふと山小屋の窓を思い出しました。
もともと腰窓だったものを撤去し、大きな特注のフィックス窓に交換し、竹林が見えるようにリフォームしました。詳しくはこちらをどうぞ。
このフィックス窓を真ん中の2枚の窓に応用するのです。図にするとこういう感じ。
大きな1枚のフィックス窓ならば、夏も冬も外気に左右されず海が眺められます。フィックス窓の最大の難点は換気ができないところですが、今回の窓はもともと4枚窓ですから両わきの窓を開けられるようにすれば問題ありません。
というわけで、業者さんに相談したところ、最終的にこんな感じのプランになりました。
左側の窓もフィックスになっているのは外に室外機があるため。開けられるのは右側の1枚だけですが、ベランダに出入りできて最低限の換気ができれば個人的には十分です。
むしろ、気になるのは開閉できるガラス窓の網戸をどうするかで、ここでも思い出したのが山の離れの玄関ドアに設置した網戸でした。
この網戸、実はプリーツ型。
ふだんはドア枠の端に収まっていて、
使うときだけ引き出すことができます。
このプリーツ網戸を右端の窓に設置すれば、ふだんは視界の邪魔にならず、換気したいときにだけ虫の侵入をカットしてくれます。
そして、リクエストがもうひとつ。
ガラスをペアガラスにしたいのです。ペアガラス(複層ガラス)は文字通り2枚重ねのガラスで断熱性能に優れます。夏は朝から強い朝陽が射し込み、冬は4枚分のガラスから外の冷気が入ってくることを考えると、多少の割り増し料金を払ってもペアガラスにしてオールシーズン快適な窓辺にしようと思います。
さらに。
この機会に海に面した浴室の窓も交換しようと思います。
以前も書きましたが、経年の劣化でサッシが歪んでいてビクともしない状態。むりやり開けようとして外の網戸が落ちたりしたら……と思うと怖くて開けられません。それに、この窓をシンプルな引き違いにするだけで見た目もぐっとスッキリして外の風景もよく見えるようになるはずです。
さて、あれもこれもとリクエストを盛り込んで見積もりはどうなったかというと……
ぜんぶひっくるめて「1,272,625円(税抜き)」也。
この金額、実は全体予算の半分以上を占めています。
つまり、この窓工事をあきらめれば工事費用が半分以下で済むわけですが、そこは譲れないポイント。
今回、躯体あらわしを活かしたインテリアで費用を抑えたのは、この窓リフォームの工費を捻出するためだったと思えるくらいです。
この部屋は窓から臨む景色あってこそですから、ここで予算をケチっては元も子もありません。窓にだけはがんばってお金をかけることにしました。交換した暁にはさぞ開放感のある窓辺ができることだろう、と期待しています。
部屋の主役である眺望のメドが立ったので、あとはまわりを整えてやるだけです。次回からはDIYによる内装作業を開始します。