(369)スクレイパーで壁紙をはがしまくって実感したコツやポイント
前回、壁一面に貼られた壁紙をスクレイパーではがしてみました。
使ったのはこちら。
替刃3ケースと一緒にアマゾンで購入しました。
壁紙はがしはまだまだ続きます。今回は梁や柱に貼られた壁紙をはがすのに意外に手間取った話や壁紙をはがしまくって実感したコツやポイントなどについて書きたいと思います。
こちらは前回、壁紙をはがした壁。もともとあった躯体あらわしの壁と質感もそろってだいぶいい雰囲気になったのですが、こうなると壁紙が残った梁の部分が気になってきます。
壁一面よりも面積も狭いし楽勝ではがせるかと思っていたのですが、これが大間違い。
梁の壁紙をはがすときは基本的に脚立に乗りながらの作業になり、体勢の自由度が低くなります。スクレイパーを持つ手に力が入れづらく作業スピードも落ちます。とくに梁の下面をはがすには上を向いて作業しなければならないので手元に力が入らず遅々として進みません。
さらに、壁のような広い場所にくらべ、梁のように狭い箇所は壁紙がしっかりと接着されていることが多く、とにかくはがしづらいと感じました。また、直角になっている隅の部分はスクレイパーの刃が届きづらく、なかなかきれいにはがせません。
結局、この梁の壁紙をはがすだけで壁一面をはがすのと同じくらいの時間を使いました。
窓のうえにも同じような梁があったので、こちらも同じくらいの時間がかかりました。地味でつまらない作業なのでブツブツ泣き言をこぼしながらやりきった次第です。
そんななかふと気づいたのですが、Pinterestなんかで躯体あらわしの部屋のインテリア画像を見ていると、窓まわりの梁や柱は塗装している事例がけっこうあって、ひょっとしたら処理の手間が関係しているのかも、と思ったりしました。正直、壁紙をざっくりはがして上から塗装してしまったほうがずっとラクですものね。
いちばんの難関だったのがエアコンまわりの壁や柱。
この部屋は幸いなことに2019年製のエアコンが設置されており、交換の必要がなかったのはよかったのですが、エアコンを設置したまま周辺のリフォーム作業をおこなうのは手間がかかります。
狭い場所には刃の広いスクレイパーは入らないので小さめの金属ベラで作業します。
スクレイパーよりも性能が劣るうえに、配管を避けての作業なのでなかなかうまくはがせません。
けっこう時間をかけてがんばったのですが、エアコンと壁が接する面などはどうしてもうまくはがすことのできず、途中から絶対にはがさねばならない柱の部分に注力する方向にシフトしました(壁紙をはがすのをあきらめた部分はどう処理したかについてはまた別の機会にお話します)。
エアコンの配管と柱が絡む部分はなんとかはがしきりましたが、作業を終えたときには汗だくで腕もパンパン。これはもはや苦行ですね。
しかし、壁紙をはがさねばならない壁はまだまだたくさんあります。
洗面入口のドアまわり。
ドアをぐるりと囲む壁紙を端からコツコツはがしました。
GIFアニメでどうぞ。
アニメでは一瞬ですが、這うように進む作業でかなり大変でした。
リビングだけではありません。
こちらは洗面の解体が終わった洗面所(兼脱衣所)。
天井をのぞいて全面壁紙が貼られているため、こちらもひたすらはがしました。
ただ、水まわりという環境だからでしょうか、比較的壁紙がはがしやすくリビングよりもラクな作業だったのは幸いでした。
これだけ作業するとコツも徐々につかめてきます。
姿勢や利き腕などによって持ち方を柔軟に変えるのは大事。たとえば、片手でスクレイパーの首の部分を押さえながら作業すると力を入れやすいです。
はがれにくい部分を別方向から攻めるのも有効です。ある方向からではさっぱりはがれなかった部分が、別の角度からあっさりはがれたなんてこともありました。
スクレイパーの刃は横に広いので平滑ではない面を作業する際には凹部の壁紙をはがしにくいという問題もあります。
はがしにくい壁紙には刃全体ではなく、気持ちスクレイパーを傾けて刃の片側のエッジを壁紙に当てにいき、削り取るようにするとはがれやすいです。
前回、継ぎ目から狙ってはがしていくと書きましたが、それが見つからないときはノリがはがれかけて浮いているところを見つけるのも手です。
そこを突破口にしてはがしていきます。
たまにボーナスステージ的にすっごくかんたんにきれいにはがせるときもあります。職人さん曰く、壁紙も施工に個人差があるので丁寧に貼られた壁紙ほどはがしにくいのだそうです。
ちなみに、今回の作業でいちばんはがしやすかったのが意外にもトイレでした。便器を挟んで両サイドの壁紙です。
最初はスクレイパーで作業していたのですが、あまりにすいすい削れるので「これってひょっとして金属ベラではがれるのでは」と思い立ち、試してみました。
予想通りベロベロとかんたんにはがれていきます。スクレイパーとちがって刃こぼれを心配せずガシガシ作業できたのは快適でした。
結局、ほとんど金属ベラだけではがし終えてしまいました。
二面で3時間ほど。便器をよけながら苦しい姿勢で作業したことを考えれば、かなり早かったと思います。もしリビングの壁紙もこんな感じだったらスクレイパーもいらなかったかもしれません。壁紙の接着力はケースバイケースなのだと実感しました。
このあたりはいざトライしてみないとわかりませんが、一度はがし始めたら元に戻れないのが怖いところ。壁紙はがしは基本的に過酷な作業であると思って臨むことをおすすめします。
唯一の救いは成果が目に見えることでしょうか。
はがせばはがすだけ、部屋の雰囲気が変わっていくのが実感でき、それだけが気持ちの支えでした。
壁紙をはがし終わったリビング。施工前とくらべて「躯体あらわし」の壁との一体感が強まりました。
次回は天井の白い部分を塗装します。