(425)浴室のタイル床の上からサーモタイルをDIYで張り付ける

タイル

引き続き浴室のタイル床のリフォームをおこなっていきます。前回、触れたときに感じる冷たさを軽減してくれるサーモタイル(リクシル)を選びました。

今回は、既存の床の上からサーモタイルを重ね張りしてみたいと思います。

もともとの床には玉石タイルが張られていました。

工事前の玉石タイルの床

昭和レトロなデザインは嫌いではないのですが、冬に触れると本当に冷たいのです。デザインも今回の部屋のコンセプトからはズレてしまいますし、この上から新しいタイルを重ね張りすることにしました。


■喰い切りでサーモタイルをカットする

まずは、収まりを確認するために仮置きしてみます。

サーモタイルを仮置きした床

2列分余る以外は、ほぼぴったり収まりました。

問題は排水口の収まりです。

排水口まわりのタイル

これがタイル2列分から微妙にはみ出る困ったサイズ。穴まわりのタイルは10枚ほどカットしなければならないようです。

紙を切ってタイルを外す

まずはカットが必要な部分を切り離し、

バラバラにしたタイル

表面の紙を濡らしてはがし、バラバラにします。

このピースを排水口に合わせてカットしていきます。

喰い切り

使うのは喰い切りと呼ばれるタイル用のペンチです。

実を言うと、今回のサーモタイルは一辺が5センチあり、厚みも6.5ミリ。喰い切りでカットするには少々サイズが大きすぎるのです。精度を追い求めるなら、先日キッチンにタイルを張った際にも使ったディスクグラインダーがベストだと思います。

しかし、ディスクグラインダーは素人が扱うには危険が伴う道具ですし、騒音も大きく作業に手間がかかります。今回はラクをしたかったので喰い切りでカットして済ますことにしました。

まずは、小さいカットから。

喰い切りでタイルの端をはさむ

タイルの端を喰い切りで挟み込んで、ぐっと力を入れてカットします。破片が飛び散らないようにビニールの中で作業しましょう。

端をカットしたタイル

思い通りに切れました。こういう小さなカットなら余裕です。

難しいのはもっと大きな直線のカット

タイルカットのイメージ

点線で示したラインにまっすぐカットしたいのですが…

カットしたタイル

だいぶ歪な形に切れてしまいました。割るような切り方なので仕方ないといえば仕方ない。

細かくカットしたタイル

細かく刻みながら形を修正していきます。

まっすぐに整えたタイル

なんとかまっすぐに近い形にカットできました。

タイルのカット面

ただ、カット面がいまひとつきれいじゃないのが気になります。

ガタガタのカット面

中にはこんな感じにガタガタに切れたピースも。さすがにもう少しなんとかしたい。

喰い切りでカット面を削る

苦肉の策として喰い切りで断面を軽く挟み込んでカリカリと削って整えてみることに。

カット面を整えたタイル

先ほどとくらべてかなり断面がきれいになりました。

カット面にやすりがけ

最後に鋭い部分でケガをしないようにヤスリで削って仕上げてみました。これは気休めていどの作業で、どれくらい効果があったかは微妙かも。やらないよりはマシ、という感じ。

排水口まわりにカットしたタイルを置く

こうしてカットしたピースで排水口まわりを埋めました。お世辞にもきれいとは言えませんが、素人による喰い切りのカットだとこれくらいの精度が限界かなと思いました。あとで目地を入れますから、それであるていどは修正できるでしょう。

仮置きしたタイル

全体の収まりが確認できたので仮置きとタイルカットは完了。


■既存のタイルの上からサーモタイルを接着する

続いて接着の作業に進みます。

タイルの接着の道具

使うのはおなじみのボンドやクシ目ゴテなど。

張り方については過去の記事をどうぞ。

今回もアクリルエマルジョン系のボンドを使いました。

床タイルにボンドを塗る

既存のタイルの上にボンドを塗り、

クシ目をつけたボンド

クシ目ゴテで凹凸をつけてやります。

接着したタイル

ずれないように慎重に接着しました。

排水口まわりに接着したタイル

排水口まわりはとくに注意しながら張り付けました。

タイル表面の紙を濡らしてはがす

接着剤が乾かないうちに表面に貼られた紙を濡らしてはがしてしまいます。

表面の紙をはがしたタイル

こうすることで、シートの継ぎ目などのズレに気づくことができます。

たとえば、こんなとき。

まわりとずれたタイル

よく見ると、赤で覆ったシートがまわりとずれてしまっています。

指でタイル位置を微修正

乾いてから気づいても後の祭りですが、張った直後ならバランスを見ながら一枚ずつ微調整して修正することができます

接着し終わったタイル

そんなこんなで接着が完了しました。接着剤が乾くまで一晩待ちましょう。


■乾いたあとに目地を入れたら完成!

翌日は目地入れの作業をおこないます。

詳しいやり方は過去の記事をごらんください。

目地入れの前には養生を忘れずに。

養生した壁

タイルの表面に高さを合わせて、ぐるりと養生テープを貼りました。

目地材を塗る

練った目地材を塗り込んでいきます。

全体に目地材を塗る

まんべんなく目地を行き渡らせるのも手間がかかりますし、

目地材をふき取る

スポンジやタオルで表面に残った目地材をふき取っていくのも大変。

半分の目地入れが完了

使った目地材はおよそ半分で800グラム。

全体の目地入れが完了

残り半分を900グラムで埋めましたが、ほとんど余らずジャストな量でした。作業中に足りないかと心配になったくらい。

目地量の計算方法については先ほど挙げた記事に書きましたのでそちらをごらんいただくとして、

今回は合計1.7キロの目地を練りましたが、メーカーの計算式で出した予想量(1.4~1.6キロ)よりもやや多めであるにもかかわらずギリギリだったわけで、目地量の計算はやはり難しいと実感しました。二度手間のリスクを冒すくらいなら、やっぱりやや多めに練っておくのがいいかもしれませんね。算出した目地量の1.2倍くらいでしょうか。

表面に目地材が残ったサーモタイル

さて、今回のサーモタイルは表面に凹凸があり、ふき取れきれなかった目地材の汚れが目立ちます。

雑巾でタイルの表面をふく

かたく絞った雑巾で表面の汚れをしっかりふき取り、

メラミンスポンジでタイルの表面をふく

目地が乾いたあと、ダメ押しに激落ちくん的なメラミンスポンジでこすりました。

施工完了したサーモタイル

なかなかきれいに仕上がりました。

では、あらためて施工前の玉石タイルの床とくらべてみましょう。

工事前の玉石タイルの床
※工事前
サーモタイルを張った床
※工事後

黒のスクエアで統一されたおかげで、モダンな雰囲気になったのでよかったです。


■で、気になるサーモタイルの感触は?

さて、目地材を入れ終わったあと、実際にお風呂に入ってみました。

サーモタイルの上に裸足

工事前の玉石タイルとくらべると、冷たさは軽減されました。でも、冬の寒い日はサーモタイルだって冷え切りますから、冷たくないと言うとウソになります。まあ、モザイクタイルの床にくらべればだいぶマシというのが正直な感想。

冷たさ対策をもっと重視するなら、前回ご紹介した東リの「バスナ」のようなビニール系の床材のほうがベターなのかも。

濡れたサーモタイル

でも、個人的にはタイルならではの質感がやはり捨てがたいのです。

サーモタイルの床

質感と冷たさ対策の両立ができるという意味でサーモタイルは唯一無二の素材だと思いますし、採用してよかったです。

次回はお風呂のリフォーム完結編。シャワー水栓などを交換し、小物を設置して浴室を完成させます。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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