(437)業務用をL字に組んでリーズナブルにキッチンを構成する
前回は洗面について考えました。
今回はキッチン選びの話。
この部屋には賃貸でよく見るオーソドックスなブロックキッチンが設置されていました。これを残すのか取り換えるのか、工事のたびに悩みます。
先日書いたとおり、ガスコンロ台の前のスペースにむりやり洗濯機置き場を設置している間取りは使いにくいことこの上ありません。
この使いにくさを軽減するために、別の部屋の工事では既存のキッチン本体を少しだけずらしたこともありました。
キッチンと柱の間に15センチほどのすきまを作りました。これでもけっこう使いやすくなるのです。ただ、根本的な解決にはほど遠いですし、水道管のつなぎ直しなどの費用もけっこうかさむので、あらためて費用対効果を考えるとやっぱり見合わないかなと思います。
で、今回のキッチンをよく見てみると…
うっ……サビや汚れがかなりひどい状態。いつもお世話になっている業者さんからも「これをずらして使うくらいなら、同じキッチンを新しく買い直したほうがいいかもしれませんね」と言われました。たしかに。
結局、状態が良好だった吊戸棚だけは残してキッチン本体は交換することにしたのですが、せっかく新しくするなら「いかにも賃貸用」といった感じのブロックキッチンを選ぶのはつまらないです。それに、懸案だった洗濯機置き場を移転してL字型のキッチンに変えて作業スペースを広くしたいという思いもあります。
ただし、洗濯機置き場を移してL字のキッチンを作ろうとすると、うちのマンションの間取りには難点があるのです。
隅の柱が邪魔になってノーマルなL字型のキッチンは設置できないのです。おかげでキッチンの選択肢が狭まることは以前も書いたとおり。
いろいろ試した末、たどりついたのが業務用キッチンを組み合わせる方法。
窓際に120cmのガスコンロ台を置き、壁側に60cmの引出し付き作業台と60cmのシンクをならべて置きます。
この構成でおおむね満足なのですが、ひとつだけ改善したい点がありました。
それは、複数の作業台を組み合わせるため、つなぎ目ができて掃除がしにくいところ。
これは我が家のキッチンで撮影した写真ですが、シンクと隣り合う作業台との隙間には水分も入りやすく、こんな感じに錆びてくることもあるのです。個人的にはそんなに気になりませんが、一般的には業務用キッチンを家庭に採用する際のデメリットとして挙げられることが多く、できれば改善したいと考えました。
そこでいつも使っている「タニコー」のラインナップで見つけたのが、このタイプのシンク(画像にはYahoo!ショッピングへのリンクが張ってあります)。
シンクと作業台が一体になったタイプです。これならつなぎ目の心配はありません。
組み合わせるコンロ台はこれ(画像にはYahoo!ショッピングへのリンクが張ってあります)。
作業台とコンロ台では高さが異なるので組み合わせてもつなぎ目はできません。
見積もりを取ってみたところ、業者さんから「ほぼ同じかたちでもう少し安い製品があるけど、いかがですか?」という提案をいただきました。
それが業務用キッチンではこれまたおなじみの「マルゼン(maruzen)」の製品でした。
「台付一槽シンク BST1-124R」と(画像にはYahoo!ショッピングへのリンクが張ってあります)、
「コンロ台 BWG-124」です(画像にはYahoo!ショッピングへのリンクが張ってあります)。
コンロ台は大差ありませんが、シンクについては「タニコー」より「マルゼン」のほうが作業スペースが広く取れるのが気に入りました。
見積もりで提示された価格はというと、シンクが「41,700円」、コンロ台が「25,920円」となかなかリーズナブル。ネット通販の価格とくらべても遜色ない価格で見積もってもらえたので施主支給はせず、搬入の手間なども考慮して業者さんにおまかせすることにしました。なお、組み立て設置費用は「8,000円」でした。
工事は進み、塗装やキッチンパネルの設置が終わったところ。
ここに青色の保護シートが貼られたキッチンが搬入されます。
無事に設置完了。シンプルでムダのない構成になりました。
不動産会社の担当さんからは「コストパフォーマンスを考えると、キッチンはこれがベストかもしれませんね」と言ってもらえました。かかった費用をまとめてみると…
- 台付一槽シンク BST1-124R:41,700円
- コンロ台 BWG-124:25,920円
- 組み立て設置費用:8,000円
と、キッチン本体だけで合計「75,620円」。
- 壁付けの混合水栓(TOTO TKS05315J):19,200円
- レンジフード(富士工業 BFR-1E-601/W):31,000円
水栓とレンジフードを含めても「約12万円」ですから、かなりリーズナブル。
以前の記事で「賃貸マンションのキッチンにいくら払ってきたか」をまとめたことがありましたが、
それらとくらべてもお安い構成となりました。
ちなみに、先ほどご紹介した業務用キッチンの事例(「162,624円」)とくらべても安価ですし、
前回リフォームした部屋で採用したキッチン「フィーネ」とくらべると、なんと2/3くらいで済みました。
なお、壁付けの水栓や排水管を設置するための大工工事や配管工事については上記とは別途に費用が必要になるのでご注意ください。
次回は、壁面収納やガスコンロを設置してキッチンを完成させます。