(438)壁面収納とガスコンロでキッチンを完成させる
前回、業務用キッチン選びと費用についてお話しました。
今回は、収納棚やガスコンロを設置してキッチンを仕上げていきます。
まずは完成後の壁面収納からごらんください。
おなじみイケア(IKEA)の収納用品を活用しました。
現在、イケアのキッチン収納としては「クングスフォルス(KUNGSFORS)」シリーズが主流ですが、今回はその前身シリーズである「グルンドタール(GRUNDTAL)」(現在は廃番)を使いました。
参考までに「クングスフォルス」を設置したキッチンもどうぞ。
詳しくは以前の記事をお読みください。
今回なぜ「グルンドタール」を選んだのかというと、昨年、熱海のキッチンで「グルンドタール」の棚やレールを設置するためにリサイクルショップやメルカリなどでコツコツ集めていて、その余りをうまく活用したかったのでした。
「クングスフォルス」にせよ「グルンドタール」にせよ、イケアの壁面収納を施主支給して設置する場合、事前にしっかりとプランを練っておくのが大事です。
まず、購入した収納用品を実際に組み立てて、サイズ感などを把握しておきましょう。
今回は、120センチ幅のキッチンに対して、80センチの棚と40センチのレールを合わせる計画でした。
壁の木下地ができあがったら、実際に収納棚やレールなどをあててみて圧迫感がないかなどを確認します。
すると、手元灯のために開けられた電気配線の位置が収納レールとかぶっていることが発覚しました。
すぐに現場監督のKさんに連絡して直してもらいましたが、もし位置を変えなかったら棚の位置を変えなければならなかったかもしれません。あぶなかった……。
おかげで、収納と手元灯が干渉せずに収まりました。
レールに引っかけた水切りラックや調味料ラック、カトラリーポケット、マグネットナイフラックなどすべて「グルンドタール」の廃番品。棚やレールと組み合わせてあげるだけでキッチンがぐっと使いやすくなります。このあたりの利便性は後継シリーズの「クングスフォルス」にも受け継がれているので、ぜひ活用してみてください。
ちなみに、手元灯はコイズミ照明のLEDスポットライト「AS39670L」を採用しました。
本当は、昨年リフォームのときに使用した「ホワイトブロンズ」の「AS39671L」を使いたかったのですが、残念ながらすでに廃番となっており、ホワイトを選びました(現在ではそのホワイトも廃番となっています)。シンプルなデザインとステンレス収納にマッチする金属の質感、気に入ってたので残念です。
さて、業務用キッチンの特徴のひとつがシンク下やコンロ下がオープンなこと。電子レンジやオーブンなども置けるのでコンセントの設置は必須です。ところが、
柱に設置したコンセントが業務用キッチンの脚ともろかぶりになってしまいました。業務用キッチンのようなイレギュラーな製品を導入すると、こんなトラブルも起きたりするのでご注意を。
後日、いったん作業台を撤去して、柱の別の面に露出コンセントを設置し直してもらいました。
別の脚で隠れてよく見えないのですが、今度はちゃんと正面から挿せる位置になっています。よかったよかった。
シンク下やコンロ下に収納が広く取れるメリットの一方で、今回選んだタイプだと調理器具などをしまう引き出しがどこにもないのがマイナスポイント。小物の収納には別の場所を探さねばなりませんが、
頭上には建具付きの吊戸棚があるので、隠したいものはこちらにしまってもらうことになりそうです。
最後にガスコンロの話も。
デザインだけでいうならば、
こんな感じに業務用ガスコンロを置くのがベストです。ですが、家庭で業務用コンロを使う場合、軽視できないリスクがあるのです。
そこで、今回選んだのはこちら。
リンナイのガステーブル「RTS-336-2FTS(SL)L-13A」です。
うちのマンションでは、魚焼きグリルなしのシンプルタイプを置くようにしているのですが、低価格で業務用キッチンとも合うシルバーorグレー系のカラーとなると、そんなに選択肢は多くありません。
デザイン的にはステンレスの業務用ガスコンロに見劣りするのは否めませんが、「消し忘れ消火機能」「立ち消え安全装置」「過熱防止装置」などの安全機能が充実しているので賃貸にも安心して設置できます。
ちなみに左側が強火のタイプなので、バーナーの熱で側面の壁が炙られる心配もありません。一時的にセンサーをオフにするスイッチもついているので強火の調理もしやすいです。
コンロの真上には、うちのマンションではおなじみの富士工業のレンジフードを設置。
「BFR-1E-601W」です。薄型でリーズナブル。
今回は吊戸棚を残したのでトビラを開けたときにレンジフードとぶつかりにくいように位置を調整してもらう必要がありました。既存の設備を残してのリフォームはこういうところが難しいですね。
レンジフードのすぐうしろの窓枠にはレールを取り付け、調理器具などぶら下げられるようにしました。こういうの、あるとけっこう便利なんです。
かくして無事にキッチンが完成しました。ステンレスの業務用キッチンと既存の吊戸棚の組み合わせは思ったよりも違和感なくまとまったのでよかったです。
心残りは時間と予算の都合でタイルが張れなかったことでしょうか。ここは次に空室になったときの宿題としましょう。
次回は、照明器具の話。