(455)マグネット塗料の壁にどれくらい磁力が効くか検証する

インテリア

前回、いろいろと苦戦しながら壁にマグネット塗料を塗りました。

マグネット塗料は塗装すると磁石が効くようになる特殊な塗料です。

塗り終えた壁

今回はこの壁にどのていど磁力が効くかを検証してみました。


■前提:指定の量よりも少なめに塗った

まず、前提条件を整理しておきましょう。

塗装した壁の面積

塗った壁は高さが約1.9メートル、横幅は3メートル。施工面積は5.7平米でした。

マグネット塗料の2.5l缶

使用したのは2.5リットル缶。

【toolbox】マグネット塗料

僕がこのマグネット塗料を購入したtoolboxのページによると、2.5リットル缶(20,680円)で約4.2平米が塗れるという計算なので(3度塗り想定)、この5.7平米にはやや足りないのです。

一方、缶に記載された説明書きによると、1平米あたり0.8リットルとのことで(4度塗り想定)、5.7平米を塗るには4.56リットル必要になる計算なので半分強。全然足りません。

缶の裏面の説明書き

缶の説明書きには「何層も塗り重ねれば十分な磁力を得る事が出来ます」と書かれていますが、どれくらい塗ればいいかは使用用途によって判断が変わってくると思います。

使い切ったマグネット塗料の缶

以下の検証は5.7平米に対して2.5リットルを4回にわたって余さず塗った結果であることをご承知おきください。


■一度塗りから三度塗りまでの磁力の効きを比較する

では、一度塗りから三度塗りまでを段階的にくらべてみましょう。

マグネット塗料を一度塗りした壁

一度塗りが終わった壁。まだまだ下地の透けが目立ちます。

マグネット

百円ショップで買ったふつうのマグネットで試してみましょう。

マグネットを指で支える

まだほとんど磁力が効かず、支えていないと落ちてきてしまうのですが、

塗装面にくっついたマグネット

濃く塗れた場所を狙うと、かろうじてくっつきました。でも、とても紙などをはさむほどの力はありません(前回も書いたとおり、一度目を塗るときにかき混ぜが甘かったことを考慮すれば、ちゃんと混ぜて塗れば一度塗りでもそこそこ磁力が効くようになるのかもしれませんが)。

マグネット塗料を二度塗りした壁

続いて二度塗りした壁。

塗装面にくっついたマグネット

今度はどこでもマグネットがくっつきます。

マグネットで紙をはさむ

薄い紙を挟んでもキープできました。ただ、これくらいがギリギリで厚みのある紙を挟もうとすると落ちてしまいます。決して強い磁力とはいえません。

マグネット塗料を三度塗りした壁

次は三度塗りした壁。

薄い紙をはさむ

薄い紙が貼れるのはもちろん、

ボール紙をはさむ

薄めのボール紙もくっつけることができました。

重ねて塗れば塗るほど磁力が強くなるというのはまちがいないようです。


■四度塗りして塗装完了したあとの壁は?

そして、缶の底に残った塗料を余さず塗りつけ、

マグネット塗料を四度塗りした壁

2.5リットルすべてを塗った壁がこちら。

小さい袋をマグネットではさむ

キープ力はさらに増して小さなネジを入れた袋も保持できました。

マグネットいろいろ

手持ちのさまざまなマグネットをくっつけてみましたが、つかないものはありませんでした。まずまずの磁力は発揮されているといえます。

フック

中でもいちばん効きがよかったのがこのフック。

以前、アマゾンで買いました。

フックで小さいタオルを吊るす

ハンガーに小さいタオルを吊るしてかけることができました。なお、フェイスタオルをかけようとしたら落ちたので、このあたりが限界。

もう一例挙げてみましょうか。

イケアの「トロードフリ」のリモコン

イケアの「トロードフリ」のリモコンです。イケアのリモコンは裏面にマグネットが仕込まれているのですが、光量のみを調整するシンプルな機能で軽量なので無事にくっつきました。

イケアの「スティルバル」のリモコン

一方、同じイケアでも調色&調光可能な「スティルバル」のリモコンは重くて支えきれず、ずるずると下に落ちてきてしまいます。

こんな感じで、マグネットは効くというものの冷蔵庫やユニットバスのようにビタッとくっつくわけではないのでご注意ください。


■マグネットを強力なタイプに交換して試す

小粒の超強力磁石

さらに、強力なマグネットを選んで試してみました

こちらもアマゾンで購入した小粒の超強力磁石

極小サイズの磁石

指先ていどの極小サイズですが、けっこうしっかりくっつきます。強力を謳うだけあってようやく壁に引っ張られるあの感覚が少しだけ感じられました

紙袋を挟む

紙袋なんかは余裕。

厚紙をはさむ

2個使えば、厚紙も挟めました。

厚紙の厚み

けっこう厚い紙なので、それなりの磁力が発揮されていると思います。

マグネットで壁を飾った

個人的には、こんなふうに気に入ったチラシや絵葉書などを飾りたかったので、この磁石でほぼ目的は達成することができました。


■超強力な磁石を使っても物を吊るすのはムリだった

ただ、もう少し重いものも引っかけられると便利ですよね。ということで、こんなものを購入してみました。

超強力マグネットフック タフピタ

コクヨの「超強力マグネットフック タフピタ」です。

最大保持荷重5kgのタイプと、

10kgのタイプ。

ソフトティッシュとケース

吊るしたいのはソフトティッシュとケース。

ソフトティッシュとケースの重さを量る

合わせて185グラムなり。

吊り下げイメージ

こんなふうに吊るせればいいなと思ったのですが、

落ちたマグネット

5kgタイプでは、支えきれずに落ちてしまいました。

吊るしたティッシュケース

10kgタイプでなんとか保持できるといった感じ。ぎりぎりなので、ティッシュを取り出すときに落ちてしまいそう。ちょっと実用的じゃないかな……。

ちなみに、「超強力マグネットフック タフピタ」の名誉のために言いますと、

タフピタにリュックを吊るす

鉄板にくっつければ、中身の入ったリュックなんかも軽々支えてくれる超強力マグネットです。やはり、マグネット塗料の壁は発揮できる磁力に限りがあるなあ、と感じました。

最初にお断りしたとおり、今回の壁=5.7平米には本来は3.4リットル~4.5リットルは必要になるところを2.5リットルで済ませてしまっているので、塗りの甘さにも原因の一端があると思います。

より強力な磁力を発揮したい人は、たっぷりと購入してしつこいくらい重ね塗りすればより強力な壁が作れるはずです。だれか試してみてくれないかな。

マグネットによるデコレーション

こちらの写真はペンダントライトを設置したあとの様子。磁力の効きがいまひとつでも、マグネットが効くだけで壁のデコレーションの可能性はぐっと広がるのでおすすめです。

次回からは床のリフォームに入ります。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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