(454)マグネット塗料は塗装前にしっかりかき混ぜるのが大事

トラブルや失敗

前回に続いて寝室のリフォームを続けていきます。

前々回、天井と壁を白く塗装したのですが、思いつきで急遽、壁の一面をアクセントカラーで塗ることにしました。

塗装前の壁

今回はこの壁をマグネット塗料で塗装してみたいと思います。


■なぜマグネット塗料なのか

アクセントカラーというと色選びに毎回頭を悩ませています。

世田谷のマンションのアクセントウオール

昨年リノベーションした世田谷の部屋ではタイルから着想を得たミントグリーンを塗ってみたりしました。

今回、いろいろと塗料を探していておなじみのtoolboxでマグネット塗料を見つけてピンときました。

【toolbox】マグネット塗料

マグネット塗料
toolboxのHPから許可を得て転載させていただきました

塗るだけでマグネットが効くようになるという機能面はもちろん、ごらんのとおり濃いグレーなのでアクセントカラーも兼ねられそうと思ったのです。

ちなみに、上からペンキで塗装したり壁紙を貼ったりも可能とのこと。塗ってみて色が気に入らなければ再塗装すればいいというのも気がラクでした。


■ちょうどいいサイズがなかったので少なめで注文してみる

ざっと必要な量を計算するために、まずは壁の広さを測量しました。

壁のサイズ

高さは約1.9メートル、横幅は約3メートルですから、施工面積はおよそ5.7平米です。

toolboxのホームページで必要量を確認したところ、

  • 0.5リットル缶(6,050円)で、約0.8平米
  • 1.0リットル缶(9,020円)で、約1.6平米
  • 2.5リットル缶(20,680円)で、約4.2平米
  • 5.0リットル缶(36,630円)で、約8.4平米

とのこと。いずれも「3度塗り想定」での計算です。

5.7平米を塗るならば8.4平米を塗ることのできる5リットル缶を選ぶべきでしょうが、36,630円は予算的に厳しいですし、量も多すぎます。

足りなくなったらそこであきらめるということを覚悟のうえで2.5リットル缶を選んでみました

マグネット塗料の2.5l缶

送料「990円」を含めて「21,670円(税込)」でした。

裏面を見ると、塗り方がいろいろ書かれています。

缶裏面の説明書き

先ほどのtoolboxでの表記とは異なり、4回塗りが推奨されていました。その場合、1平米あたり0.8リットルを塗るとのこと。今回の5.7平米に0.8リットルをかけると「4.56リットル」が必要な計算。2.5リットルじゃ全然足りない……不安はあるものの塗装する気満々で準備してきたので、とりあえず塗れるところまで塗ってみることにしました。


■とにかく最初にしっかり混ぜるのが大事!

では、フタを開けてみましょう。

マグネット塗料の缶を開けたところ

ごらんのとおり、中身が分離して上澄みしか見えない状態。

わりばしで混ぜられない

割りばしを用意して混ぜようとしたのですが、沈殿した塗料がびっくりするくらい強固で、ただ刺さるだけ。

ローラーでも混ぜられない

ぜんぜん混ざらないので、今度はローラーで混ぜようとしたのですが、これもダメ。まったく歯が立ちません。

ハケ

仕方ないので使うかどうかもわからないハケをかき混ぜ棒代わりに使うことに。

ハケでマグネット塗料を混ぜる

グイグイとかき混ぜ、底にたまった固まりのような塗料のドロドロを上澄みの中に溶かし込んでいきます。力のいる作業で塗る前に手が疲れてしまいました

混ぜたマグネット塗料

まだ底のほうにはドロッとした部分も残っていたのはうっすらわかっていましたが、見た目的にようやく塗料らしくなってきたので塗装に取りかかることにしました。

ローラーを入れて塗装準備

結論からいうと、これが失敗でした。

最初に全体をまんべんなく徹底的に混ぜなかったせいで、最後にどろどろの濃い塗料が残ってしまい、三回目の塗装の際に水で薄めざるをえなくなり、その結果、仕上がりにムラができてしまったのです。

マグネット塗料は最初にしっかりとかき混ぜる――これが今回もっとも大事なポイントだと断言しておきましょう。


■塗るたびに混ぜなければいけないのも一苦労

では、気を取り直してレポートを続けます。

ローラーでマグネット塗料を塗る

いまひとつ混ざり切っていないマグネット塗料をローラーで塗りました。

一度目の塗装が終わった壁

一度目の塗装が終わったところ。壁の右から左に向かって作業したのですが、右に行くほど塗料が濃く塗れているのがおわかりだと思います。かき混ぜ方のムラが塗装面にはっきり表れたかたちです。

マグネット塗料は最終的に磁力を発揮させることが目的ですから、塗りに濃淡が出るのは好ましくないことはいうまでもありません。

缶裏面の説明書き

説明書きによると、「2度目の塗装は、24時間以上間隔を開けて下さい」ということなのですが、そんなことをしてたら3回塗りで3日もかかってしまいます。

除湿機で塗装面を乾かす

なるべく早く乾かしたかったので除湿機をガンガンにかけて4~5時間ほど待ってみると表面がサラッとしていたので大丈夫だと判断し二度目の塗装に入りました。まあ、この手の塗料は表面が乾いていても中が乾いていないこともあるんですが……そこは仕方ありません。

二度目の塗装前にマグネット塗料を混ぜる

二度目の塗装の前に、また塗料を混ぜねばならないのが一苦労。

マグネット塗料の固まり

ごらんのとおり、底に沈殿した塗料の固まりが残ってしまっていたのでした。

二度目のマグネット塗装

なるべくこれを溶かしこんでから二回目の塗装を始めます。

マグネット塗料の固まり

たまにこんなふうに固まりの塗料が残ってしまうことがあるので、ローラーでしっかりつぶしてのばしてあげてください。

二度目の塗装が半分終わった壁

右半分塗り終えたところ。二度目でほぼ下地の透けはなくなりましたね。

二度目の塗装が終わった壁

がんばって混ぜながら二回目を塗り終えました。


■マグネット塗料は薄めてしまうとムラが出るのかも

缶の中に残ったマグネット塗料

二度目を塗り終えた時点で、缶の中はドロドロ。最初にしっかり混ぜておかなかったツケが回ってきました

缶裏面の説明書き

説明書きには「薄めないで使用して下さい」と明記されているのですが、このままではとてもローラーでは塗れないので水で薄めてみることにしました。リスクを承知でトライしたのですが、これも仕上がりに少々の悪影響を及ぼした気がします。

マグネット塗料を水で薄める

水をちょっぴり足して、

マグネット塗料を混ぜる

グイグイとかき混ぜ、なんとか塗れる粘度まで持っていき、

三度目のマグネット塗装

三度目の塗装をおこないました。水で溶かして塗ってのくりかえしはかなり大変な作業でヘトヘトになってしまいました。

三度目のマグネット塗装が終わった壁

塗り終えて乾かしたあと。色の濃さはたいして変わりませんが、少しムラが目立つような……やっぱり水を加えたのがよくなかったのか……。

缶の底に残ったマグネット塗料

缶の中をのぞくと、まだ塗料の固まりが底に残っています。

小さいローラー

こうなったら最後まで使い切ろうということで小さいローラーを用意しました。

ローラーにマグネット塗料をつける

水を足しつつ缶の中を混ぜながらローラーに塗料をつけて、

四度目のマグネット塗装

ダメ押しの四度目の塗装。薄めたせいか、ちょっと変な色になった気もするけれど覆水盆に返らず。

四度目のマグネット塗装を終えた壁

だましだましで四度目を塗り終え、

空になった缶

2.5リットルすべて使い切りました。

養生テープをはがす

養生テープをはがして乾かしたら完成。

マグネット塗装を終えた壁

大失敗ではありませんが、ややムラが目につく仕上がりとなってしまいました

マグネット塗装面

近寄って見るとこんな感じ。水で薄めて塗るのがNGなのはこんなふうにムラが出るせいなんでしょうか。

ただ、その失敗の根本原因は最初にしっかりと混ぜなかったこと。一度目の塗装の前にまんべんなく混ぜてから塗っていれば三回目の塗装のときにもっと滑らかな状態で塗装できたはずです。

まあ、このていどの失敗を許容できないならDIYなんてやってられませんから、甘んじて受け入れましょう。

塗装面にマグネットをつける

で、気になるのはどのていどの磁力があるの?というところ。

次回はマグネット塗料を塗った壁の磁力を検証します。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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