(464)別荘のゲスト用にそろえた寝具(とその洗濯)
以前も書きましたが、熱海の部屋は世田谷のマンションの入居者さんのための保養所(=別荘)として運営しています。今回はゲストのためにどんな寝具をそろえて、どんなふうに管理(洗濯と物干し)しているかをご説明いたします。
■ゲスト用の寝具は快適さと管理の手間のバランスが悩ましい
まずは寝具の紹介から始めましょう。
本音をいえばふかふかのベッドとかけ布団を用意したいのですが、スペース的にも維持管理的にもそれはムリ。最小限の洗濯で済ませつつ、できるかぎり快適な寝心地をめざして寝具を選びました。
収納しているのは押し入れの上段。
中身をざっとご説明しましょう。
①折りたたみマットレス
②敷きパッド
③インナーシュラフ
④枕
⑤枕カバー
⑥羽毛布団
どんなふうに使うか、順番に説明します。
まずは四つ折りのマットレスを敷きます。
こちらはインズ(IN’S)の四つ折りマットレスのシングルサイズ(画像にはYahoo!ショッピングへのリンクが張られています)。
コンパクトな収納サイズとリーズナブルな価格がポイントです。
この上に敷きパッドをかぶせます。
こちらもリーズナブルなもの。インテリアに合わせてグレーを選びました。
続いて、この上にインナーシュラフを敷きます。
インナーシュラフは寝袋の内側(インナー)で使用する寝袋のこと。キャンプはもちろん、バックパッカーの旅行用にも活躍するアイテムです。
なぜこれを選んだかというと寝袋ならば体全体をくるんでくれるので、先ほど紹介したマットレスや敷きパッドに肌が直接触れることがなく、汚れにくいと考えたからです。
ゲストを招くにあたって寝具を洗う手間はバカになりません。もし敷きパッドやかけ布団カバーを毎回洗うとなると、洗濯物はかなりの量になります。一回しか使ってないからといって洗濯しないというわけにもいきませんしね。
毎回洗濯するならば、なるべく洗濯物を少なくしたい……そんな思いからインナーシュラフを採用した次第です。
ちなみに、山小屋の離れ用に寝具を準備した際もインナーシュラフを選びましたが、それもまったく同じ理由でした。
ゲスト一人につき洗濯物がインナーシュラフと枕カバーだけで済むというのはゲストハウスを維持管理する者としてたいへん大きなメリットなのです。
ちなみに、熱海用に選んだインナーシュラフは封筒型でありながら、
ジッパーをはずし、
完全に開くことができ、ワイドなシーツのようになるタイプ。半分を体にかけて寝るもよし、寝苦しい夏には広げてゴロゴロ寝るもよし。下側のみを開けて足先だけをシーツから出すことだってできます。ジッパーつきの寝袋がこんなに便利だとは知りませんでした。
ここに枕を追加したら基本的な準備は完了です。枕本体は山小屋に余っていたものを持ってきました。
カバーは寝具に合わせてグレーをチョイス。
肌寒い季節にはさらに羽毛布団も使ってもらいます。実家に余っていたものに新しいカバーをかけました。
これもインナーシュラフの上からかけてもらい、直接肌が触れないようにして洗う手間を省きます。
実際の寝心地が気になったので自分でも試してみました。
柔軟性のない床に敷くので不安はあったのですが、マットレスと敷きパッドを重ねているせいか、底づき感はなくまずまずの寝心地でした。強いていえば、インナーシュラフの横幅が狭いので若干狭苦しく感じるのが難点ですが、維持管理との兼ね合いを考えるといたしかたありません。
使い終わったインナーシュラフと枕カバーは押入れ下段の黒い密閉ケース(無印良品、廃番)にいれてもらい、僕が熱海を訪れた際に取り出して洗濯します。
■インナーシュラフを干すための物干しレールを設置する
どんなふうに洗濯して干しているかもお話しましょう。
リゾートマンションに洗濯機は不要と考える方もいらっしゃいますが、うちの場合、この寝具の管理がある以上、洗濯機は必須です。このために、わざわざ洗面所のレイアウトを変更したのでした。
問題は洗濯し終わったシーツをどこに干すか。
洗面所には、シャツやタオルが干せるていどのバーは用意していますが、さすがに大きいシーツを干すことはできません。
いちおうリビングの大きな窓の前にランドリーロープは設置してあるのですが、ここにシーツを干すとせっかくのオーシャンビューが台無しになるうえ、バカンスにはそぐわない生活感が漂ってしまいます。
そこで、スタッフルーム(兼アサクラ用の寝室)の壁に物干し用の棚を設置してみることにしました。
幸い、寝室のドアの右横には何もない壁があるので、ここを活用します。
物干し棚ですが、今回もIKEA(イケア)のGRUNDTAL(グルンドタール)を使うことにしました。世田谷のマンションのキッチンでも採用したステンレス製の収納シリーズです。
グルンドタールシリーズにはタオルかけや食器棚などさまざまなサイズがあるのですが、パイプとネジの規格が共通しているのでパーツを組み替えることができます。工夫すれば、さまざまなスペースに対応できる収納棚や物干し棚が作れます。熱海のキッチンではパイプをカットしてぴったりの棚に仕上げました。
今回は2つの商品のパーツを合体させて、部屋の壁にジャストサイズな物干し棚を組み立てます。
まず用意したのが、すでに廃番となっているダブルレールのタオルかけ。メルカリで未使用品をゲットしました。
ふつうに組み立てるとこんな感じでタイルがかけられるダブルレールになるのですが、幅が40センチしかないのでこのままではシーツのような大きな洗濯物は干せません。
一方、こちらは現在も販売されている「グルンドタール 物干しラック 壁取り付け用」。
割高ですが、アマゾンでも購入できます。
この物干しラックの特徴はパイプの伸縮によって横幅を67センチから120センチまで自由に調節できるところ。ごらんのとおり、奥行きが40センチもあるのでそれなりに圧迫感があるので、うちの寝室のように狭い部屋にはおすすめしません。
そこで、ここから伸縮パイプを2本拝借します。
ダブルレールの受け金具と、伸縮可能なパイプ2本がそろいました。
付属のパーツで組み立てます。
パイプの長さが最小サイズ=67センチだとこんな感じで、
マックスの120センチまで伸ばせばシーツも余裕で干せます。
こんな感じに「グルンドタール」は自由度の高い収納シリーズでリフォームにも重宝するので、リサイクルショップやメルカリで見かけたらとりあえず購入してパーツをストックするようにしています。
このストックパーツを活用して同じ伸縮レールをもうひとつ組み立て、2セットの準備が完了しました。
シーツの幅が収まるサイズということで、パイプの長さを100センチに設定し、ならべて壁に設置します。
固定は下地がある箇所にネジで留めればOKです。重いものを干す予定はないので、そんなに心配はいらないかな。
設置が完了しました。ふたつ合わせて2メートルあるので、けっこう壮観な眺め。
奥行きが狭いので物干し棚としての便利さには欠けるかもしれませんが、そのぶん圧迫感がないので邪魔にならないのはうれしいです。
無事にシーツも干せました。ダブルレールなので、シーツや敷きパッドなら4枚まで一度に干すことができます。
室内干しなので下からサーキュレーターで風をあててあげて生乾きにならないように気をつけています。なお、スタッフルームなので干しっぱなしにしていてもお客さんの目には触れません。
乾いたら、押し入れに戻して洗濯完了です。なお、スケジュールの都合で洗濯までの間が少々空くこともあるので、念のためインナーシュラフは6人分、枕カバーは8人分用意してあります。
とまあ、こんな感じで寝具の運用をしているのですが、できればもっと手間を減らしたいなと思うのが管理人の性。
そこで、頻繁に訪れるゲストさんを中心に「できればインナーシュラフをご持参いただけると助かります」と案内したところ、リピーターのみなさんはインナーシュラフを持参してくれるようになりました。中には枕カバーまで持ってきてくださる方までいてありがたいかぎり。おかげで、最近は寝具の管理がだいぶラクになりました。
インナーシュラフって折りたためばこのくらいのサイズなので大した荷物にはなりませんし、非常時への備えも兼ねると考えれば自宅に備えておく価値はあると思います。
次回はひさびさに山小屋の話。エアコンが故障した状態で過ごした真夏の暑い一日をリポートします。