(530)古くて汚れたカラーボックスを塗装してリメイクしてみた
今回は事務所の片隅にあった古いカラーボックスをペイントでリメイクします。
まずはリメイク前の状態からごらんください。
だいぶ昔に父か母が購入したもので、軽く30年は経っていると思いますが、なんともひどい状態。
元がホワイトだっただけに汚れが目立ちまくりです。カラーボックスってただでさえ表面のシートの質感がチープなので、汚れてくると目も当てられないんですよね。
これを塗装で生まれ変わらせてみたいと思います。
■まずはパテで穴埋めから
今回はトビラを外し、オープンの収納としてリメイクすることにしました。
丁番はドライバーで簡単に取り外すことができましたが、
このままだと丁番の跡が残ってしまうのでパテで埋めてあげます。
いつも使っているモノタロウの「万能用補修パテ」を使いましたが、いわゆるエキシポパテなら大丈夫だと思います。
パテを練って穴に押し込みます。のちほどやすりがけするのでざっくりでOK。
あわせて棚板用の穴も埋めてやりました。
■やすりをかけてシートの表面を荒らす
「穴も埋めたし、さあ塗装だ」とならないのがカラーボックスの面倒なところ。表面に貼ってあるツルツルとした化粧シートは汚れに強く、ふつうに塗装しようとしても弾かれてしまってうまく塗料がのりません。塗装のためには必ず下処理をおこなう必要があります。
というわけで、屋外でやすりがけです。
「まわりが削りカスだらけになるからイヤだ」という場合、やすりがけをすっ飛ばして、次のミッチャクロンの工程に進むこともできなくはありませんが、塗装の耐久性が落ちるのは覚悟してください。
表面のシートを紙やすりで荒らし、塗料がくっつきやすくします。いわゆる「足付け」と呼ばれる作業ですね。40番くらいの粗目のやすりをかけると、みるみる汚れが落ちていきます。
左半分のやすりがけが終わったところ。けっこうきれいになる。
よく見ると表面に傷がついてツヤがなくなっているのがわかります。こうやって表面を荒らしてやると塗装がくっつきやすくなるのです。
ただ、40番のやすりをかけただけだと表面がガサガサすぎて塗ったときの仕上がりがイヤな感じになるので、
40番から始めて、80番、150番、320番とだんだん細かい番手に移って表面を整えていきます。
正直、こういう地味な作業って途中で挫折しがちで、全面を丁寧にやろうとすると、早晩うんざりすることはまちがいありません。
そこでおすすめなのが作業にメリハリをつけること。よく目に入る場所、物がぶつかったりして摩耗が予想される場所を重点的におこない、逆に目に入りづらい場所や触れることの少ない場所はサボってしまうのです。
赤の矢印で示したのがしっかり作業する箇所で、青の部分は手を抜くところ。
どんなふうに「手を抜く」かというと、背面は80番のやすりをざっとかけるだけで済ますとか、天面の裏はまず目に入らないのでやすりがけをしない、などです。
雑な部分についてはそれなりの仕上がりになってしまいますが、そもそも人目につかないし触れる回数も少ないのでOKと考えるわけです。プロ的にはありえない考え方かもしれませんが、こういう判断ができるのもDIYのいいところかもしれません。
やすりがけが終わったら、雑巾で削りカスをしっかりふき取りましょう。
■全面にミッチャクロンをたっぷり塗る
続いては、塗料をしっかりと密着させるためのプライマーを塗ります。いくらサボりたくても、この工程は必須なので省略できません。
使うのはおなじみの「ミッチャクロン」。
今回は液体タイプを使いました。
ハケを使って塗りつけていくのですが、
ハケにはたっぷりとミッチャクロンを染み込ませて塗るのをすすめます。
たっぷり含ませて塗ると側面を塗ったときにたれてしまいますが、そのときは塗り広げてごまかすくらいのつもりで塗りました。透明なので油断すると塗り残しができてしまうので気をつけましょう。
これは以前、ドアを塗装したときの写真ですが、ミッチャクロンの塗り残しがあるとこんなふうに塗料が弾かれてしまうのです。
ミッチャクロンは臭いがすごいので、できれば窓を開けて作業しましょう。わりとすぐに乾くので20分か30分くらいしたら二度塗りをすると塗り残しができにくくなります。
■下処理ができていれば塗装がしっかりのる
ミッチャクロンが乾いたら、いよいよ塗装です。
使うのはこれまたおなじみのコンクリートエフェクトペイントの「セメントグレー」。
セメントグレー単色でも購入できるので、僕は「ライトグレー」の塗料としてよく使っています。もちろん、他の塗料でも問題ありません。
ハケで塗ってみると塗料がバッチリのっているのがわかります。やすりがけやミッチャクロンをさぼらずにやったおかげです。
この「セメントグレー」は乾くとムラはほとんど消えるので、あまり神経質にならずどんどん塗っていきます。
塗り終えました。乾くまで1時間くらいは待ちましょう。
塗った直後はツヤツヤしていた表面も、
乾くとマットな質感になります。
さすがに一度塗りだとうっすら下地が透けますね。
ダメ押しの二度塗りです。
なかなかきれいに仕上がりました。
見た目的にはこれがベストなので本当はここで完成にしてしまいたいのですが、最後にもうひと手間。
汚れ防止のために水性ニスを塗って表面を保護してあげます。
ワシンの「水性ウレタンニス つや消しクリヤー」です。個人的には仕上がりがマットなほうが好きなので「つや消し」を選んでますが、そのへんはお好みで。
先ほどの塗料とはちがってニスはとにかくハケの跡が残りやすいので慎重に丁寧に塗りましょう。
ようやく完成。
ニスは塗りムラが出やすいのが難しいですね。仕上がりの見た目を重視するなら、ペイントだけでおしまいにするのもありかも。
■熱海のマンションで本やCDの収納として活用
さて、このボックス、どこで使うかというと熱海です。
全体がグレーで統一された室内にあわせてグレーで塗装したのでした。
最近、CDをディスプレイしただけでは飽き足らず、壁に本なども立てかけて置いてみたものの、このままではあっという間に物に埋もれてしまうと心配になり、収納を設けることにしたのがそもそもの発端でした。
ボックスを押し入れに設置して、本やCD、ボードゲームなどを収納したところ。暇を持て余したときなどにゲストのみなさんに使ってもらえればと思っています。
こうして見ると、あの古くて汚かったカラーボックスがけっこうきれいに復活したものだな、と。捨てないでリメイクしてよかったです。