(535)【バーベキュー②】アイスランドラム、ソーセージ、ローストビーフ丼

アウトドア

引き続き、バーベキューで真剣にお肉を焼こうというお話であります。

前回は和牛、鶏モモ、豚ロースといったポピュラーなお肉を薪と炭で焼きました。

今回は、ラム肉や加工肉などの焼き方や、バーベキューをやるならぜひトライしていただきたいローストビーフ丼をご紹介したいと思います。


■澄み切った味わいのアイスランドラム

ややマイナーながら、個人的にトライしていただきたいのは羊=ラム肉です。

カットされたラム肉

ラム肉というと、こんな感じにカットされたものを思い浮かべるのではないでしょうか。

でも、炭火ならばブロックで焼いたほうが断然美味しいのです。

ラム肉のブロック

僕が大好きなのがアイスランドラムの「CFO ラムラック」

けっこうなぜいたく品ではありますが、これまでの羊肉イメージを覆す驚きを味わえること請け合いです。

ラム肉を塊で焼く

冷蔵庫で自然解凍したら塩胡椒して塊のまま網の上へ。

ラム肉を塊で焼く

薪の炎で外側に軽く焦げがつくくらいまで焼いたら炭火でじっくり焼き上げます。このあたりは前回と変わりません。

切り分けるところは動画でどうぞ。

断面に肉汁が浮かんで、見るからにジューシー。

切り分けたラム肉

アイスランドラムは羊ならではの風味がしっかりと感じられるのに嫌な臭いがまったくない澄み切った味わいが素晴らしく、僕は何度も焼いています。


■ねっとりとした風味の赤身を楽しむ鹿肉

いわゆる家畜とは異なる味わいを体験できるのが鹿肉です。

あまりお店では見かけない肉ですが、僕は知人が猟師さんと縁があって譲り受けたり、友人が買ってきたものを焼いたりと何かと縁があります。

鹿肉を塊で焼く

とはいえフライパンですら焼いたことのない肉ですから最初は手探りでしたが、いざ焼いてみると先ほどのラム肉や前回の塊肉と同じ焼き方で問題ないとわかりました。

カットした鹿肉

切り分けてみると赤身多めの牛肉にも見えます。しかし、口に含むと鹿肉ならではの獣らしい匂いが印象的です。表現が合っているかいまひとつ自信がないのですが、レバーのようにねっとりとした味を感じました。

鹿肉にチーズをつけて

香り強めな素材なのでフライパンでチーズを溶かしてつけながら食べてみるのも美味しいです。もし鹿肉を入手したら試してみてください。


■加工肉も炭火でレベルアップした味わいに

塊肉だけではなく、加工肉だって炭火で焼けば新しい味わいを感じられます。

たとえばソーセージ

肉汁したたるソーセージ

炭火でじっくり焼けば皮がパリッと仕上がり、中からは肉汁があふれる焼き上がりを楽しめます。

ソーセージを炭火で焼く

ご注意いただきたいのは焼き方。塊肉とは異なり、ソーセージの場合は薪の強火で焼いては皮が割けてしまって中から肉汁が流れ出てしまいます炭火でじっくりゆっくり加熱していきましょう。

個人的に好きなのが生ソーセージ

生ソーセージ

ふつうの腸詰は燻製にして中まで加熱してあるのに対し、生ソーセージはその名の通り生のままなのです。

炭火で生ソーセージを焼く

これを遠火の炭火でじっくりと火を入れて焼き上げると、ボイルのソーセージとは異なる肉肉しい食感に仕上がります。

炭火でハンバーグを焼く

加工肉といえばハンバーグもおすすめ。フライパンでは生焼けになりがちなハンバーグですが、炭火だと外側の焦げはクリスピー、でも中はちゃんと火が通ってジューシーという理想的な焼き上がりが楽しめます。

ただし、生のハンバーグをそのまま網に乗せてしまうと焦げて網にくっついてしまうので要注意。写真のように追加で焼き網を使うと上手に焼くことができます

僕が使っているのはキャプテンスタッグのBBQ用の焼き網。リーズナブルですが、これで十分。カットした鶏肉をまとめ焼きしたりするのにも使えます。

炭火で薄切りベーコンを焼く

もっぱら塊肉派の僕ですが、上質な薄切りベーコンを炭火で焼いてみたら予想以上の美味しさでした。写真のとおり、遠火の炭火で表面にうっすら汗をかいたような脂が浮かび上がるように片面だけを焼いていただきます。焼くというよりはじんわり温めるイメージ。美味しいベーコンならではの甘い脂の味わいはパック売りの薄切りベーコンとはまったくの別物です。


■イチオシは翌日まで「寝かせた」ローストビーフ丼!

そして。

最後にイチオシなのが、バーベキューで焼いた和牛の塊肉を翌日まで「寝かせて」からわさび醤油で食べるローストビーフ丼です。

和牛の塊肉を焼く

前回ご紹介したやり方で塊の和牛を焼きます。

塊肉をアルミホイルに包む

アルミホイルに包んだら粗熱が取れるまで放置し、そのあと冷蔵庫へ。

山の夜

バーベキューで散々肉を食べ散らかしても、一晩寝ればまたお腹が空くのが人間であります。

冷蔵庫から出した塊肉

翌日、冷蔵庫から取り出してホイルを開くと、食べ物というよりは「消し炭?」とすら思える物体が。

カット前の塊肉

これ、大丈夫?と思いながら恐る恐るカットしてみると、

二つに切った牛肉

中はきれいなピンク色。

薄切りにした牛肉

これをできるだけ薄切りにするのです。肉に入ったサシは冷えて白く固まっています。このままでは美味しくありません。

薄切り肉をごはんにのせる

ところが、これを炊き立てのごはんの上にのせ、

溶けてきた肉の脂

ちょっぴり待つとごはんの熱で薄切り肉の脂が溶け出してとろけるような味わいになるのです。

あとはわさび醤油をかけていただくだけ。

ローストビーフ丼

これがビックリするくらい美味しいのです!

もともとは焼きすぎて食べられなかった肉を翌日に食べ直すために編み出した料理だったのですが、家族やゲストの評判がよすぎて、現在はバーベキュー翌日の大定番となりました。

ローストビーフ丼

というか、もはやこちらのほうがメインと言い切る人もいるくらい。ぜひ試していただきたい一品です。

塊肉を焼く

2回にわたって延々と書いてしまいましたが、炭火焼きの魅力はまだまだ語りつくせません。次回は、魚派におすすめの「マグロの藁焼き」をご紹介します。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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