(537)卓上焚き火台はインテリアだけじゃなく食事も豊かにする
前回まで3回にわたって薪や炭を用いたバーベキューの話をいたしました。
自宅の庭で気兼ねなく薪や炭を使えるのは山奥の戸建てならではだと実感しました。
さて、熱海のリゾートマンションはまわりに他の建物もたちならぶ市街地にある集合住宅ですからバーベキューなんて絶対にムリですが、ささやかな焚き火気分を味わえたら面白いかもと思ってこんなものを買ってみました。
クラウドファンディングで見つけた「MODENO VITO(モデノ ヴィトー)」です。
【machi-ya by CAMPFIRE】MODENO VITO(モデノヴィトー)
商品説明を読むと、「屋内で楽しむ新しい焚き火台」を謳った製品で、「煙も匂いもない」うえに「準備や片付けも不要」という手軽さに惹かれました。
僕が購入したときの価格は「12,596円」(一般販売予定価格16,620円の26%OFF、先着29名限定)。オーダーから2カ月を過ぎた昨年末、ようやく商品が届きました。
形状は一辺13センチの立方体。個人的な印象では大きすぎることも小さすぎることもないちょうどいいサイズ。高密度コンクリートを用いたというボディは我が家のインテリアにはピッタリなデザインです。
中央に収まっているのは、中にセラミックコットンが詰まったステンレス燃料カップ。
取り出すとこんな感じ。この中に燃料を注いで燃やすだけのシンプルな仕組み。昔、理科の実験で使ったアルコールランプを思い出します。
燃料のイソプロピルアルコールは付属していないので、商品紹介ページで用いられていたのと同じものをアマゾンで購入しました。
ガレージ・ゼロの「IPA イソプロピルアルコール」です。最初に購入した480mlはわりとあっという間に使い切ってしまったので、すぐに追加で1リットルを購入しました。
こちらは検査用の紙カップ。
実はイソプロピルアルコールと水を8:2に薄めて使用する必要があるので用意しました。
80mlのイソプロピルアルコールと20mlの水を混ぜて100ml。商品説明では、だいたい30~40分ほど燃焼すると書いてありましたが、実際に使用した印象でもそれくらいでした。食事をしていると30分はあっという間なので、ゆっくり楽しむなら倍量=200mlくらいは用意したほうがいいかもしれませんね。
で、この燃料をカップに注ぎ、
ライターやチャッカマンで火をつけます。僕は大事を取って長めのライターを選びましたが、ふつうのものでもたぶん大丈夫。
ふつうの焚き火とちがって即着火。けっこうちゃんとした火が燃え上がります。
顔を近づけるとほんのり温かく、上に手をかざすとしっかり熱を感じるほど。
動画をどうぞ。
小さな火とはいえちゃんと焚き火感があります。
昼に使ってみたり夜に使ってみたりしたのですが、個人的なベストタイミングはこれから暗くなってくるなというくらいの夕暮れ前。
火が沈みゆくなか、だんだんと暗くなっていくにしたがって火の存在感が増してくるのが楽しめます。よくレストランなんかで抑えめな照明でテーブルにロウソクが灯してあったりしますが、それに近い落ち着いた雰囲気が演出できるのです。ゆらめく炎を眺めながらお酒なんか飲むのもいいかもしれませんが、下戸の僕が思いついたのはやっぱり食べることで。
地元の新鮮なお魚を炙っていただいたら美味しいのではないか、と。
竹串くらいのサイズ感の鉄串を準備しました。
工房アイザワの「串かつ用焼串 10本入」です。アマゾンで「982円」でした。
この串にキンメダイを刺し、
皮目を軽く炙ってあげます。
キンメならではの脂が熱で溶けだし、なんとも美味しそう。醤油はちょっと強すぎるので、塩とごま油でいただきました。前回のマグロもそうなのですが、脂の旨味が倍化したように感じられ、本当に美味しいです。
焼きすぎるとビジュアルはアレですが、味はぜんぜん美味しい。
真鶴で獲れたというイカを炙ってみました。刺身と焼きイカの中間のような味わいでこれまた美味。
海鮮のほかにも、
チーズや、
マシュマロなど、焚き火の定番もちゃんと焼けます。「イソプロピルアルコール」なんて聞いたことのない液体ですが、燃やして変な臭いが付くこともありません。
注意点としては、火が中までしっかり通らないと食べられない素材は生焼けになる可能性が高いのでおすすめしません。また、肉汁がしたたるようなものを焼くと本体やセラミックコットンに汚れが付着するので気になる方は避けたほうがいいかと思います。
冒頭で「煙も匂いもない」という商品説明をご紹介しましたが、一時間も燃やせば室内がほんのり煙くなってきます。使い終わったら換気扇を回すといいでしょうね。
それと、
火が弱まってきたからといって、燃えているところにイソプロピルアルコールを追加で注ぐのはNG。よくバーベキューでゼリー状の着火剤を燃えている焚き火に注ごうとしてやけどを負う事故がありますが、それと同じ危険がありそう。いったん火が消えてしばらく待ってから再着火しましょう。いくら小さい火とはいえ、火は火。安全管理にはくれぐれも気をつけてください。
インテリアとしても素晴らしいですが、食事をレベルアップしてくれるアイテムです。