(561)はがれた壁紙をDIYで塗装して目立たなくする
前回、前々回と空室になった部屋に設備を追加してインテリアをアップデートしましたが、今回は原状回復のお話。
この部屋はお住まいの期間が短かったこともあり、クリーニングが入る前でも室内はかなりきれいでした。
唯一気になったのがリビングの壁紙。
ところどころ気になる箇所が散見されます。
この部屋の壁は、3年前のリフォームでもともと貼られていた壁紙の上から白ペンキを塗ってもらっているのですが、前の入居者さんがお住まいの間に傷をつけてしまい、ご自分で直そうとしたようです。
盛り上がったように見えるのは、上から何か貼ってあるから。
ペロッとはがしてみると、シリコンのような柔らかい手触り。壁紙の表面を模した補修シールのようなものが貼られていたんですね。こんなのあるんだ、初めて見た。
一方、こちらははがれかけた壁紙を貼り直したようですが、今にもはがれそう。
試しにめくってみると、あっさりはがれました。
はがした跡をカッターで整えて、
ボンドで貼り直しました。時間があるなら木工用ボンドでもよかったのですが、時間がなかったので速乾性の多用途ボンドを使いました。
さて、ここからどうしましょうか。
ちゃんとした補修方法で直すなら、いろいろ準備が必要になるのでしょうが、あいにく翌日には内見の予約が入っていてそんな余裕もなく。手元にはこのパテしかありませんでした。
タミヤ模型の「タミヤパテ ホワイト」です。プラモデルなんかでパーツとパーツの継ぎ目を埋めたりするのに使うやつです。内装用のパテがあればよかったんですが、あいにく山小屋に置いてきてしまいました。
スキマやはがれた箇所にパテを塗りつけます。
パテを塗り終えたところ。
余分なパテをふきとりながら、ならしていきます。
お世辞にもきれいとはいえませんが、もともと凹凸のある壁紙だったのでなんとかごまかせそう。
壁もパテもホワイトとはいえ色味が異なるのでこれで終わりというわけにはまいりません。
そこで、補修部分を塗装してなじませたいと思います。
以前、熱海で寝室を塗装したときに使った「ノボクリーン」を用意しました。
この「ノボクリーン」は内装業者さんも使うプロ仕様の塗料ですが、別にふつうの白の塗料でも問題ないと思います。
「ノボクリーン」だけで色味が合ったらラッキーと思って塗ってみましたが、
白すぎてまわりから浮いて見えます。やはりグレーを混ぜねばダメか。
前に塗装屋さんから聞いた話では、他の色とちがって白はグレーを慎重に混ぜ続けていけばそのうち色は合うとのことでした。
というわけで、ちょっぴりライトグレーを混ぜました。
使ったのは、このブログではおなじみの「コンクリートエフェクトペイント」(タカラ塗料)の「セメントグレー」。
熱海で躯体あらわしの壁や天井に合わせて室内を塗ったときに使った塗料です。
塗ってみたものの、まだまだ白い。
また少しグレーを混ぜて、
やや色味が近づいた気がしますが、まだまだ。
これをくりかえすこと、5~6回でしょうか。
なんとかちょうどいい色味になりました。
うん、これくらいまで色味がそろえばOKかな。
小さい傷なら、どこを直したかわからないくらい(写真中央がタッチアップした箇所)。
ビフォーアフターをくらべてみました。
ビフォーでは、壁紙に傷がついていた箇所は一目瞭然でしたが、
アフターでは、どの傷もほとんど目立ちません。急場しのぎのタッチアップでしたが、まずまずの成果です。
内見時には「ここは破れていたので補修しました」とお伝えしましたが、お客さんもまったく気づかなかった様子でした。がんばったかいがあったというものです。
とはいえ、今回のやり方は壁紙を上から塗装した壁だったからこそ可能でした。
たとえば、こんなふうに壁紙が貼られた壁を(塗装せずに)そのままの状態で直そうとするなら、また別の方法を考えねばなりませんよね。どうするんだろうか。
そう考えると、今後も壁面のリフォームは塗装仕上げを選ぶようにしたほうが、DIYでのメンテナンスや補修がしやすいと感じました。
…と書いていて、はたと思いついたのですが、リフォームのときに塗装屋さんにノボクリーン(と同じ色味の白)で塗装してもらえば、タッチアップもラクになりますよね。次回のリフォーム時には前もって相談してみることにします。
賃貸を長くきれいに維持していくにはこういうアイデアも蓄積していく必要があるのかな、なんて思った次第です。