(605)業務用キッチンのオープンな棚収納をどう活用するか
前回、業務用キッチンを自宅で10年間使った感想をまとめました。
(604)業務用キッチンを自宅で10年使った感想をまとめる
今回は、業務用キッチンの収納問題について考えてみたいと思います。
■オープンな棚の中を活用できるかがポイント
一般的な家庭用のキッチンとちがい、業務用キッチンには収納部分を隠すトビラ(建具)もなければ、気の利いた引き出しもありません。
このオープンな棚(赤で示した部分)を「何をしまったらいいかわからない空間」と感じてしまう人には業務用キッチンは向いていないかもしれません。
個人的には「好き勝手に使えるオープンスペース」と思っていて、収納方法を工夫することも含めて楽しんでいます。
世田谷の自宅のキッチンでも、いろいろ試行錯誤してきました。昨年の秋から年末にかけて室内をリフォームしたのに合わせ、作業台の収納も全体的に見直した結果がこちらです。
ビフォーアフターも含めて収納方法について具体的に説明していきたいと思います。
■レンジやオーブンだって棚の中に置ける
まずは引き出し付きの作業台から。リフォーム前はこんな感じでした。
白いバスケットにはインスタント食品などのストックが入っていて、その左にはオーブンが置かれています。
棚の中にオーブンや電子レンジを設置できてしまうのは業務用キッチンならではのメリットです。
オーブンは使用中にはかなり熱くなるので、上の空間は活用できずにいました。
そこで、リフォームに際してこんなものを購入してみました。
川口工器の「シンク上 カウンターラック」です。1段タイプと2段タイプがあり、横幅も狭いタイプ(スリム)と広いタイプ(ワイド)があるので、用途によって選ぶことができます。
僕が選んだのは「1段」の「スリム」タイプ。
ステンレスとスチールからできているので耐熱性に優れ、オーブンの上にも安心して設置できます。
とはいえ、熱はあるていど伝わってしまうので、鍋やフライパンなど熱に強い物を置くようにしています。
オーブンの隣にはカインズ(cainz)の収納ケース「キャリコ」を設置。SサイズとMサイズの2種類を組み合わせてスタッキングしました。
手前が少し立ち上がっているので、物が落ちにくくて使いやすいです。
この「キャリコ」、以前、熱海のマンションで食器棚として導入したのですが、奥行きのサイズが業務用キッチンにピッタリとはまるので気に入っています。詳しくお知りになりたい方は以前の記事をどうぞ。
「キャリコ」を設置したあとでも、まだ上部に少しスキマが残りました。
このスキマも活用すべくメッシュ収納ボックスを購入しました。
IKEA(イケア)の「トロファスト(TROFAST) 」です。これも熱海のマンションのキッチンで使ったことがあるものです。
スキマに入れてみたのですが…
背面の鉄板にギリギリでぶつかってしまいました。残念。
結果、奥まで入りきらず、ちょっと飛び出た不格好な形になりましたが、見た目よりも収納力を優先してこのまま使うことにしました。
リフォーム前にくらべると棚内のスペースを余すところなく活用でき、収納力もアップして満足しています。
■シンク下は排水管を避けて収納できる棚を
続いてはシンク下です。
ビフォーはこんな感じ。
手元にあった折りたたみ棚を置いていたのですが、奥の排水管にぶつかるために手前にはみ出してしまっていて、足をぶつけたりするとズレたり落ちそうになることも多く、使いにくいのが難点でした。
この棚に代わる収納として購入したのがこちら。
Belcaの洗面下フリーラック「ビボスマート(VIVO smart)」です。
我が家の場合、スペース的に合うのが洗面下タイプの「S」でしたが、幅の広いシンクならば「シンク下フリーラック」を選ぶこともできます。
どちらもサイズバリエーションがあって棚自体の伸縮も可能なので、スペースに合わせて選べます。プラスチック製なのでデザインや質感はいまひとつですが、そのぶんリーズナブルなのもありがたいです。
配管を挟むように組み立て、
棚板をのせていきます。
棚板の高さは調整可能なので、収納したい物に合わせられます。
これが収納後の写真。
見た目的なスマートさはいまひとつかもしれませんが、排水管を挟んで設置したので以前よりも安定感があり、収納力も向上しました。
■ガスコンロ台の下にはフライパンや鍋を重ねて収納
最後はガスコンロ台です。
リフォーム前。コの字型の台を置いて、フライパンやボウルを収納していましたが、スペースを有効に使えていたとは言い難い状態でした。
コンロの右隣の作業台の隅には組み立て式の棚を置いてみたのですが、手前の脚が邪魔で物が取り出しにくく、いまひとつの使い勝手。
いろいろ考えた結果、左右の収納棚を入れ替えて整理してみようと思いつきました。
組み立て式の棚をコンロ台の下に移し、フライパンや鍋を重ねて収納しました。これは以前、熱海の物件で試したのと同じやり方。
棚は先ほどシンク下に設置したのと同じBelca製。
「Belca キッチン収納 3段フリーラック」です。現在、グレーは廃番でホワイトのみ販売されています。
一方、隣の作業台の下にはコの字台を置いて調味料などを収納しました。調味料は横幅が小さめの物ばかりなので手前の脚が邪魔して取り出しに困ることはほとんどなくなりました。
リフォームが終わった後の様子。以前よりもスマートに収納できた気がします。手持ちの棚を入れ替えるだけで意外なほど片付くこともあるとは、収納は奥が深い。
業務用キッチンの棚スペースは良くも悪くも自由度が高いので、使い手がうまく活用できるかにかかっていると実感しました。今後もいろいろと工夫して改善していきたいと思います。