(662)石膏ボードの壁に折りたたみ棚をDIYで取り付ける

世田谷のマンション

今回はひさしぶりに僕が暮らす世田谷の自室の話です。

我が家の間取りは賃貸とまったく同じなので洗面も非常に狭小です。

自宅の洗面

写真左下に見えているのが折りたたみ棚。この洗面は右手の浴室の脱衣所も兼ねていますので、ちょっとしたものを置きたい場所がほしくて設置しました。

この壁の下地にはちょうどいい柱がなく、ビスの効かない石膏ボードのみ。ここにDIYで折りたたみ棚を取り付けるまでをリポートします。


■もともとはミニスツールを置いていたが……

まず、折りたたみ棚にたどりつくまでの経緯を簡単にまとめます。んなことに興味はねえという方は次のチャプターにどうぞ。

脱衣所のサイズ

脱衣所のサイズを測ったところ、およそ65センチ四方しかありませんでした。

スツールを置いた脱衣所

ためしに秋田木工のスタッキングスツールを置いてみると立つ場所すらありません

ミニスツール

この狭小空間専用にDIYで造ったのがミニスツールです。ニスで塗った板にIKEA(イケア)の激安スツール「FROSTA」(フロスタ(現在は廃番))の脚を取り付けただけの簡単DIY。

ミニスツールを置いた洗面

幅は18cmほどしかないの邪魔になりませんし、フェイスタオルと着替えくらいならなんとか置けます。

これを改良して立てかけて使うスツールを造ってマンションの方に提供したりもしました。

ミニスツールを置いた洗面

詳しくは「ESSE online」の記事をごらんください。

【ESSE online】実は脚だけイケア!? 片足スツールをDIY

しかし、どちらのタイプも脚付きなので床に物も置けず、掃除の際に邪魔になる点が弱点でした。

かくして壁付けの折りたたみ棚へとたどりついたわけです。

今ではうちのマンションの定番アイテムのひとつとなりつつあります。


■壁の中を調べると下地がないことが判明

折りたたみ棚の開閉

さて、壁付けの折りたたみ棚は使うときにだけ開けばいいので便利なのですが、開閉することもあって壁にしっかり固定しなければなりません。

下地を探す

そのためには壁の中にビスの効く下地=柱がある場所を探って、そこを狙って取り付ける必要があるのです。

業者さんによる折りたたみ棚の設置

そのため、入居者さんの部屋に設置するときは基本的に業者さんにお願いするようにしています。

でも、今回は自宅ということもあって経験を積む意味も込めてDIYで設置してみることにしました。

棚板

先ほど紹介したミニスツールから脚をはずした板を流用して設置しようと思います。

壁の中に下地となる柱があるかの確認にはこちらを使います。

ボタンを押しながら壁をなぞるだけで下地の有無がわかるセンサーですが、

下地センサーが反応

板の右端には下地があるとわかった一方で、

無反応の下地センサー

左端がくる場所には反応がありませんでしたから、表面の石膏ボードしかなく、壁の中は空洞ということになります。

壁に刺したドライバー

下穴をドライバーで広げようとすると、石膏ボードを突き抜けてズボッと奥まで入ってしまいました。この脆いボードでは棚受けの金具をビスでしっかりと固定することは難しいでしょう。

さて、どうしましょうか?


■「どこでも下地 スピード・ミニ10」で下地作り

一般的に石膏ボードにはビスを効かせることはできないのですが、いくつか方法はあります。

今回は、以前試した2つの方法の中から「どこでも下地 スピード・ミニ10」を使う方法を選んでみました。

仕組みをざっと説明すると、

スピード・ミニ10説明図

石膏ボードに穴を開けてスポンジを押し込み、そこに専用の液を浸透させて固め、ビスが効く下地を造るのです。

壁に開けた穴

先ほどのようにドライバーで直径1センチほどの穴を開け、

穴にスポンジを詰める

付属のスポンジ詰め込んで、そこに液を浸透させます。ちょっと入れすぎましたが、しっかり硬化するので少ないよりはマシでしょう。

固まったスポンジを切り落とす

30分ほど待って、しっかりと硬まったのを確認してから、

切り落としたスポンジ

飛び出た部分を切り落とします。

ビス打ち

この中心をめがけてビスを打つとしっかりと手ごたえが感じられるのです。


■折りたたみ式棚受け金具「タナー」を壁に固定

一か所を留めただけでバッチリ固定できるくらいの強度が出せました。

ビスで固定した棚受け

ちなみに、こちらの棚受けはこれまで何度もマンションで使ってきた折りたたみ棚受けの定番

折りたたみ棚受けタナー

田邊金属工業所製の折りたたみ式棚受け金具「タナー」(TANNER)です。これを棚板の両端に取り付けるだけで、ただの板を折りたたみ棚に変身させることができるのです。

ホワイト、ブラック、ブルーグレーなどさまざまなカラーバリエーションがありますが、今回はブラウンを選んでみました。サイズは棚板に合わせて最小の150ミリをチョイス。

下地の確認

さて、逆側の壁に下地があることはセンサーで確認済みではありますが、念のため針式の下地探しを刺して手ごたえがあるのを確かめました

使ったのは「針式下地探し どこ太」です。僕はいつもセンサーで探して、この針式で確認するというやり方をしています。

水平を確認

水平を確認しながらビスを打って金具を留めます。

ビスで棚板を固定

板をのせて金具と板をビスで留めたら完成。板と壁の間にちょっぴりスキマを設けないと開閉できないので要注意です。

設置後の折りたたみ棚

無事に取り付けられました。

折りたたんだ棚

たたむとスリムになるのでうちのような狭小空間にはもってこいです。DIYでの取り付けには不安がありましたが、設置から10カ月ほど経ってもまったくグラつきなく使えています。万一、落下しても危険は少ないですし、今後は賃貸の部屋でもDIYで設置してもいいかなと思いました。

次回は、この棚の下に体重計を収納するホルダーを設置します。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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