(682)和天井にスライスウッドを接着したが失敗して落下した

トラブルや失敗

前回、山小屋の母屋にある六畳の部屋をDIYでどうリフォームするか、計画を練りました。

今回から実際に作業を始めていきます。

第一回は天井のリフォームです。和天井にスライスウッドを張り付けようとしたのですが、これが無残な大失敗となりました。その一部始終をリポートします。


■もともとの天井は木目シートの張られた和天井

リフォーム前の天井はというと、こんな感じでした。

リフォーム前の天井

20年以上前に既存の天井に白のリメイク壁紙を張ったのですが、シワも寄って残念な仕上がりで気になっていました。

この天井、いわゆる「和天井」というやつで、壁紙を張る前は木目が印刷されたシートが表面に張られていました。

和天井

写真は母屋の別の部屋で撮影したものですが、昭和の築古家屋でよく見かけるタイプの天井です。

天井の壁紙をはがす

さて、白い壁紙をはがしてみると、

はがれた木目シート

天井に印刷された木目柄の表面まで見事にはがれました。

壁紙をはがした天井

けっこうきれいにはがれて、パッと見だと雰囲気も悪くないのですが、

天井の雨漏りの跡

よく見ると、ところどころに雨漏りの跡や壁紙のはがし残りなどが残っているので、このままというわけにはいかないでしょう。

塗装ならともかく、今回のように上から木材を張ってしまうなら、下地の粗は隠れるので心配ないと思いました。


■厚さ2ミリのオークのスライスウッドパネルを選ぶ

天井に張り付ける素材に選んだのはこちら。

スライスウッド

薄くスライスされた木材=「スライスウッドパネル」です。

スライスウッドパネル外箱

施工を施すのは天井なので、重力がかかってもなるべく負担が少ないようにしたいと思い、「厚さ2ミリ」という薄くて軽いタイプを選びました。

今回はホワイトオークを選びましたが、価格が安価なレッドパインや、ブラックチェリーやウォルナットなどの木種も選べます。

こちらはケース単位の販売。注文にあたってはどれだけの量が必要か、数拾いをしなければなりません。

天井面積の計算

部屋を採寸してみると「幅262ミリ×奥行き354ミリ」でした。

計算すると面積は「9.28平米」。これを埋めるためにどれだけのスライスウッドが必要になるのでしょうか?

スライスウッド施工面積の計算

パネルのサイズは12センチ×90センチなので、1枚あたりの施工面積は0.108平米。これが9枚入りで1ケースなので、ケースあたりの施工面積は0.972平米となりました。

となると、9.28平米の施工にはおよそ10ケースが必要な計算となります。

スライスウッドパネルの代金

僕が購入したときは1ケース「7,280円」で送料は無料だったので10ケースで「72,800円」でした。


■ボンドと両面テープで接着するつもりだったが失敗

脚立

では、脚立を用意して作業開始。

スライスウッドの張り付けについては、これまで何度も書いてきました。

このやり方、シナ合板などの接着にも応用できるのでこれまで何度も試してきたのですが、なんと言いますか、今回は失敗した話ですから、あまりえらそうなことは言えません。参考ていどにお読みください。

スライスウッドに両面テープを貼る

まず、裏面に強力な両面テープを数カ所に貼り、

スライスウッドにボンドを塗る

残りの空いた部分にボンドを塗ります。

接着前のスライスウッド

あとはこれを接着するだけ。

スライスウッドを天井に張る

天井の隅から張り始めます。

スライスウッドを圧着する

接着したら、上から手で押さえてぎゅっと圧着。

天井に張ったスライスウッド

これでいつもどおりバッチリくっつく……はずでした。

天井に張ったスライスウッド

一枚目に隣り合うように二枚目を接着し、どんどんと張り進めていきました。

作業が二列目にさしかかったさなか、急に背後で「バシン!」と大きな音がしました。驚いて振り返ってみると、

落ちてきたスライスウッド

張ったはずのスライスウッドが落下してきたのでした。

スライスウッドがはがれた天井

落ちてきたのは最初に張った一枚目。

はがれてきたスライスウッド

よく見ると他にもはがれかけているものがあります。ダメ元でもう一度圧着してみたりもしましたが、すぐにベロっとはがれてきてしまい、ダメでした。

どうやら「スライスウッドをボンドと両面テープで和天井に接着するのはムリ」だということに気づきました。


■薄くてベコベコの和天井に木材を張るのは難しい

原因ですが、やはり洋室のノーマルな天井にくらべ、和天井ならではの「たわみ」が挙げられるでしょう。

和天井の天井裏

これは別の部屋の天井裏を撮影した写真ですが、ごらんのとおり和天井は梁から細い角材などで吊るされているような構造です。天井の素材自体も薄く、柱や梁に直接固定されているわけでもないので、触れるとベコベコとして「たわむ」ような頼りなさがあるのです。

こういう「たわみ」のある下地では両面テープもボンドも効きづらかったのでしょう。

厚さ2ミリのスライスウッド

それでも、厚さ2ミリの薄いスライスウッドならばボンドとテープで和天井にうまく密着して「たわみ」に合わせてくっつくかと期待したのですが、僕の見立てが甘かったのでした。わずか2ミリのスライスウッドも重力に抗うことができず、落下してしまったというわけです。

かくして、和天井にスライスウッドを張り付けるという計画は無残な失敗に終わりました。

はがしたスライスウッド

かろうじてくっついている板をはがしているときのみじめな気持ちと言ったらもう……。

スライスウッドをはがした天井

たった2列分とはいえ、みっともないボンド跡も残ってしまい、大変残念な失敗となりました。これに懲りて和天井に木材を張る計画はあきらめることにしました。

こうなると、前回立てた計画は見直しを迫られることになりそうです。次回は、この天井をペンキで塗装したいと思います。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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