(686)スクエア型フローリングを(固定せずに)置くだけで使ってみた
前回、DIYで床の簡易補修をおこない、透湿防水シートを敷きました。
もともとの床は想像したよりも傷んでおり、補強するために廃棄するつもりだった既存のフローリングを再利用することにしました。

敷くだけで使える、手軽で安価なロール状のフローリングです。

これを傷んだ床の上に敷き直しました。

今回はこの上に新しいフローリングを設置してみたいと思います。
ポイントはボンドや釘を使って固定せずに、ただ置くだけで使ってみようというところ。スキマが生じてしまうデメリットも含めて使用感についてもリポートします。
■「置くだけ」で使える専用フローリングを選ばなかった理由
下地のフローリングが敷くだけのものなので、この上から新しい床を敷くとしても接着や釘打ちが必要なノーマルなフローリングは使えません。
もちろん、接着することもできなくはありませんが、せっかくの新品を安物のフローリングに固定してしまっては将来的に再利用もできなくなってしまうので、それは避けたい気持ちがあります。
そういう場合に便利なのが「置くだけ」で使える専用の床材で、本物の木材を使った本格的なものもあります。

その代表が「西粟倉森の学校」の「ユカハリタイル」です。

裏面にゴムシートが貼ってあり、これが滑り止めの役割を果たしてくれて、ただ置くだけでもほとんどズレることなく使うことができます。
うちの山小屋ではリビングダイニングの床に採用しました。詳しくは過去の記事をどうぞ。
今回もこのユカハリタイルを選べばいいのですが、最初の計画でもお話したとおり、今回のリフォームでは個性的な床材を選びたかったこともあり、本来なら固定が必要なフローリングをリスクも承知で採用することにしました。

当初検討していたのはtoolboxの「チェッカーパーケット」でした。
【toolbox】チェッカーパーケット
以前、toolboxの「how to make」の取材で目にして以来、ずっと気になっていたのです。
実際、実物を取り寄せることまでしたのですが、30cm角というサイズに難がありました。我が家の床のサイズをごらんください。

「幅262cm×奥行き354cm」ということは、30cmだと横9枚×縦12枚が必要となり、どちらも数センチだけサイズオーバーしてしまい、たくさんの枚数をカットしなければなりません。
そこで、他の候補を探してみたところ、目を付けたのがこちらでした。

同じくtoolboxが取り扱う「パーケットフローリング」です。「X」型の寄木が印象的なデザイン。
【toolbox】パーケットフローリング
サイズは39cm角。こちらで割り付けを考えたところ、

「奥行き354センチ」に対して、9枚ならべて「351センチ」。3センチ余るだけなのでカットはせずに、余白を両端に割り振って1.5センチほど。これなら許容範囲です。
一方、「横幅262センチ」に対しては7枚ならべて「273センチ」とややオーバーするのでカットは必要になりますが、先ほどとくらべれば労力は半減するのでありがたいです。
さらに。
必要な枚数を数えると、

7列×9列で「63枚」が必要な計算になりますが、「パーケットフローリング」は1ケース8枚入りなので8ケース購入して「64枚」で、わずか1枚余るだけ。予備だと考えるとぴったりな数で購入しやすいのです。
この収まりの良さが決め手となり、「パーケットフローリング」に決めることにしました。

1ケース「13,263円」を8ケースに送料「6,080円」が加わって「112,184円」でした。六畳の床材としてはちょっとお高めの部類ですかね。
■「さね」をはめながら、一枚ずつ置いていく
世田谷で受け取って自家用車で山小屋まで運びました。

ふだん暮らしていない家のリフォームはこういう手間が地味に面倒です。

では、施工していきましょう。
「施工」といっても、ふつうのフローリングのようにボンドで接着したり釘で留めたりするわけではありません。ただ置くだけです。
この「パーケットフローリング」、よく見ると、

2辺には凸型の「さね」が付いています。

この出っ張った部分を、

反対の2辺にある凹型の部分に差し込む仕組みです。

それなりにカチッとはまります。これなら置くだけでもいけそうな気がします。

端から一枚ずつはめ込みながら置いていきましょう。

大して考えもせずに横方向にならべ始めてしまいましたが、

よく考えれば、こちらは端でカットが必要なほうでした。

まずはカットの必要がない縦方向にならべるべきだと気づいて仕切り直し。

当初の予定どおり部屋の奥行きにほぼピッタリで収まりました。

あとは順番に中央部分を埋めていきます。

2辺をはめ込むことになるので多少力を込めてグイっと押し込まねばなりませんが、

基本的にはならべていくだけの単純作業なのでスイスイと進みます。
■最後のスキマはフローリングをカットして設置

最後の一列だけはカットが必要なので少々手間がかかります。

このスキマに合うように一枚ずつカットしなければなりません。

スキマの幅を測り、

鉛筆でカットするラインを書き込み、

のこぎりでカットしました。

これを横から「さね」にはめ込み、滑らせるように奥まで動かします。

無事に収まりました。

あとは同じ要領でカットしながら置いていきます。

最後の一枚だけは部屋の外側からはめ込まなければならないのがポイント。

固定しているわけではないので、押し込めば問題なく入りました。

かくして無事に敷き終わりました。64枚購入して63枚使用したので、予備の1枚が予定通り余りました。

「パーケットフローリング」、なかなか個性的な柄で素敵です。
■生活しているうちに徐々にスキマは生じてくる
さて、本来ならば接着剤や釘による固定が必要な床材を置くだけで済ませてしまった場合、どういう問題が起こるのでしょうか?
まず、施工直後に感じたのは細かいスキマ。

はめ込んだだけなので、作業中にもわずかにズレが生じてしまいました。
ごぞんじの方も多いかと思いますが、フローリングの施工では、あて木をしたうえで金づちで叩いてしっかりスキマをなくしてからボンドや釘で固定するのが定石ですが、今回はただはめ込んだだけなので、施工直後でもこういう細かいスキマが生じてしまったのです。

といっても、ふつうに暮らしている目線で気になるような目立つスキマではありません。

しばらくしてズレが目立ってきたのは、スキマが生じやすい建具まわりでした。壁際とちがって床が動く余地があるため、ちょっとした力がかかった拍子にズレてしまうようです。
最初のうちは気になったときに押し込んで直したりもしていましたが、そのうち面倒になってそのままでいいやと思うようになってしまいました。「置くだけ」という手抜きを選んだ以上、仕方ないところではあります。

これは設置から三か月ほど経ってから撮った写真。実際に生活する視点から眺めると、そこまで気になりませんが、

まじまじと見てみると、部屋の中央部分にもスキマがちらほら生じてきました。端の部分ならフローリングをグイっとはめ直すこともできますが、中央となると周囲のフローリングを一度はずしてから敷き直すしかありません。もちろん、そんな手間はかけられないので、ズレていくのにまかせるしかないと思っています。

ただ、柄が個性的なおかげか、あまりスキマ部分が目立たないで済んでいる印象で、当面はこのままで過ごしていくことにしました。長い時間が経過したらどうなるのかについては未知数ですので、気がつくことがあれば将来的にリポートしたいと思います。
最後に思いついたことを書くと、両面テープを裏側に張って、部屋の四隅の要所要所で固定してあげれば、よりズレが小さいままで維持できたのかもしれません。もし「自分もパーケットフローリングを「置くだけ」で使ってみたい」という奇特な方がいたらトライしてみてください。

ともあれ、想像が及ばないようなズレが生じたりするようなこともなく、それなりにふつうに暮らせているので満足しています。
次回はふすまのリメイクをおこないます。

















