(747)お店のエントランスにタイルを張るのを手伝った話
今回はひさしぶりにタイルDIYのお話です。
先日、北欧の椅子の専門店「サボファニチャー」の店主の小松さんから「お店の床の一部をタイルにしたい」という相談を受けました。
小松さんには、以前「日刊Sumai」の取材でお話を伺い、ブログでも記事を書かせてもらったことがあります。
いつもいろいろと面白い話を聞かせていただいていることもあり、ぜひともお手伝いさせていただきたいと思った次第です。
■お店の入口にテラゾー柄のタイルを敷きたい
お店を訪れて話を聞くと、タイルを張りたいという場所は、お店の入口を入って階段を降りたところ。

写真でいうとココにあたります(施工前の写真を撮り忘れてしまったので、以前の取材のときの画像で失礼します)。
タイルはすでに決めているんだそうで。

「平田タイル」が取り扱うテラゾー柄のタイル「アレグロ(Allegro)ALO-2020MW」です。サイズは一辺198ミリの正方形。実は運悪く最近廃番になってしまい、メルカリで売られていたのを入手したのだとか。
収まりのイメージを見るために仮置きしてみることにしました。

階段の幅に合わせるようなかたちで横に4枚ならべたいとのこと。

こういう大判のタイルって自分ではあまり選ばないのですが、並べてみると雰囲気があって思った以上に素敵だなと感じました。

入口側から見るとこんな感じ。この倍の量を敷くので、奥行きが倍の長さになる予定です。

実際には、点線で示したあたりまでタイルが敷き詰められる予定なのですが、問題は厚みのあるタイルを張るには既存のフローリングを切り抜いて撤去する必要があること。
小松さんに聞くと、「丸ノコで切ります」とのことで、「そんな難しいことできるの?」と一瞬思いましたが、よく考えてみると小松さんは家具職人としてスウェーデンで勉強したこともある方だったと思い出しました。そりゃあ、できますよね。余計な心配でありました。
さすが、すでにタイルの割り付けも考えてメモにしてくれていました。

奥行きを希望する長さに収めるため、入口側の一列(図で言うといちばん上の段)のタイルだけ、半分にカットしたいそうなのです。
僕がグラインダーでカットするという案もあったのですが、タイルの一辺が20センチはあるのできれいに切れる自信がなく、小松さんがタイルカットをしてくれる業者さんを見つけてくれました。

これがカット後のタイル。さすがプロ、きれいな仕上がりです。

断面も美しい。僕がグラインダーでカットしてもこうはいきません。1カットあたり800円かかったそうですが、その価値はあったと思いました。
■スペーサーで目地幅をキープしながら接着
で、施工当日。お店が閉店してからの作業です。

小松さんが床をくり抜いて、高さ調整のための合板を張り付けておいてくれました。さすが家具づくりを学んだだけあってきれいな仕上がり。

マスキングで養生もしてあって準備万端。

接着に入る前に仮置きして収まりを確かめてみることに。

5mmのスペーサーまで用意してくれていました。

これでスキマを確認しながら、ならべていきます。大判のタイルを張ることは滅多にないので、ひとつひとつの作業が新鮮。

ぐるりと仮置きしてみたところ、問題なく収まりました。目地幅5ミリに対し、外周のフローリングと接する部分のスキマが7ミリとやや広くなる計算でしたが、5ミリの目地をスペーサーよりも気持ち広めに取ることで外周部分のスキマも狭まり、ほぼ均等になりました。
こういう調整ができるので仮置き作業は大事だなと実感しました。
接着作業に使うのはいつものこちら。

コテ、クシ目ゴテ、ボンドです。ボンドはホルムズ海峡封鎖の影響で品薄になっていたのですが、メルカリでなんとか手に入れたんだとか。

いつもどおりコテでボンドを塗りのばし、クシ目をつけて、一枚ずつタイルを接着していきます。

スペーサーを活用して目地幅を均等に保つように気をつけながらの作業です。

全体を張り終えたら、小松さんと二人でさまざまな角度から目地幅を目視で確認しました。

違和感を抱かせる箇所があったら、タイルをずらして位置を調整します。

これにて初日の接着作業は完了。翌日の営業があるので上から踏んでも目地に汚れが入らないように養生をかぶせて敷物でカバーしました。
■タイルに合わせてライトグレーの目地を入れる
そして、翌日。

この日もお店の営業終了を待って目地入れの作業をおこないます。

今回、ホワイトの目地にグレーをちょっぴり混ぜてライトグレーをめざすことにしました。
使ったのはいつものINAXの目地材「スーパークリーンバストイレ」。

高額な椅子がならぶ店内で目地材を混ぜると粉が飛んで商品が汚れてしまうと思ったので、目地の調合はあらかじめ自宅で済ませ、バケツに入れてお店に運びました。

分量どおりの水(1キロあたり260ミリリットル)を注いだら、根気強く混ぜて粘土状に練り上げます。

最初はセオリーどおりゴムベラで押し込んでみたのですが、

やっぱり素手で作業したほうがやりやすく、途中で変更。

大判のタイルなので、全体に塗り広げるというよりは、目地を狙って押し込んでいくような作業となりました。

全体に目地材が行きわたったら、水に浸してぎゅっと絞ったスポンジや布巾で余分な目地材をふき取りつつ、さらに上から抑え込むように目地を固めていきます。

乾き切る前に養生をはがしたら、無事に完成。なかなかきれいにできました。
■目地材が足りなそうで危なかったが、結果オーライ

目地入れ直後は水分を含んだ目地材が濃い色に見えますが、乾いていけばもう少し色が浅くなり、タイルの地の部分に近い色になることでしょう。

作業終了後のバケツはカラ。目地材がまったく余りませんでした。
今回用意した目地はホワイト1kgにグレー0.1kgの計1.1kg。余るくらいの量でちゃんと計算したはずなのにピッタリでした。目地材が足りるかどうか、ちょっとあせりながらの作業でした。なぜだろう……。
というわけで、目地の計算を検証してみることにしました。
いつもお世話になっているタイルショップシンユウのホームページで最初に計算した結果がこちらです。

アレグロのサイズは「198×198×8.5」で目地幅は「5mm」、施工面積は「1.529×0.817=1.249…」なので、1キログラム用意すれば足りる計算でした。念のためと思って100グラム余分に練って1.1キロ用意したわけです。
ですが、思えば、フローリングと接する外周部分のスキマがやや広かったのを調整し、最終的な目地幅が5.5ミリくらいになったことを失念しておりました。
目地幅「5.5mm」で計算しなおしてみると、

必要な目地量は「1.07kg」という結果に。1.1キロだと、ほぼピッタリです。あせらずに作業したければ、もう100か200グラムは余分に用意しておくべきでした。今回の反省点です。

まあ、ギリギリとはいえなんとか目地材は足りたので結果オーライでした。
後日、目地が乾いたところを確認したくてお店に伺いました。

グレーの色がだいぶ薄くなり、落ち着きました。

施工直後とくらべて目地とタイルがなじんだように見えます。目地の調合はうまくいきました。

北欧家具を扱うお店にもマッチしているように感じました。店主の小松さんにも満足していただけたようで、お手伝いして本当によかったと思います。

自分の好きなようにDIYだけやっていると、好みのタイルばかり選んでしまうので、なかなか世界が広がりません。今回のように人の好みに沿って施工するのも楽しいし勉強になるなと思いました。


















