(45)無線LANが届かないときは中継機を試してみるべし

別荘管理&修繕

第12回の「「週末スモールハウス」に必要な設備ってなんだろう?」では、山小屋に泊まるにあたって必要な最低限の設備について考えましたが、ひとつ忘れていたことに気づきました。

この離れ、ネット使えないじゃん」

もちろん母屋には無線LANルーターを設置してありWi-Fiを飛ばしているんですが、残念ながら離れまでは届かないのです。

離れをリノベーションするまではまったく問題ありませんけど、いざ宿泊施設として活用するとなると、ネット環境がないのは問題です。

ふつうの場所なら「たまの休日くらい、スマホの通信でなんとかガマンしてもらうか」と考えることもできますが、そこはさすがの山奥。

山の風景

実は、我が山小屋が建つ集落は3大キャリアのうちのひとつしか電波が通じないのです。

つまり、それ以外のキャリアのユーザーが遊びに来ると完全に圏外となり、まったくネットにアクセスできなくなってしまうのです。

巷の意識高い系の人々なら大自然のなかで「デジタル・デトックス」を楽しんだりするのかもしれませんが、個人的にはそういうのはムリ

というか、山奥まで来たからといって水洗じゃないトイレで用を足したり毛布にくるまって寒さに耐えたり蝋燭の灯りで本を読んだりとか、したくないわけです。

別に「OK、××××、エアコンつけて」とかやれる必要はないけど、都会と同じ水準のインフラはそろっていてほしいし、ネットくらい気楽にチェックしたいのです。

以前、ガチのアウトドア好きの方とお話していたら「不自由を楽しむのがアウトドア」的なことを言っていて、自分はつくづくインドアだなあと思った次第でした。

というわけで、なんとか離れにも母屋のルーターから電波を届かせるべく知恵を絞ることと相成りました。

まず、最初に検討したのが無線LAN中継機

文字通り、ルーターが飛ばす電波を途中で中継し、より遠くまで飛ばしてくれます

無線LANエクステンダーなんて呼んだりもしますね。

実はこれ、僕の実家の無線LAN環境を改善するのに一役買ってくれました。

今回は、この無線LAN中継機についてご紹介したいと思います。

最初にご説明すると、うちの実家は世田谷の賃貸マンションの一画にあります。

「一画」と表現したのは、マンションの中に戸建てのような2階建ての部屋が入れ子構造になっている珍しい構造だからです。

実家の構造図

通常の賃貸の3倍の広さ(=1階に2部屋と2階に1部屋)が一体となっています。

マンションの階段とは別に宅内に内階段もあり、まさに2階建て(?)のような不思議な構造です。

で、無線LAN環境の話。

一般的に鉄筋のマンションは電波が広がりにくいと言われています。

うちの場合も、1階に設置した無線LANルーターのWi-Fiが2階に届かなくて困っていました。

図にすると、こういう状態。

1階の電波状況

無線LANルーターを設置した1階のリビングを中心に電波が飛んでいます。

この電波をなんとか2階にまで延ばしたいと購入したのが、BUFFALOの「WEX-1166DHPS」という無線LAN中継機。

この商品の良いところは、コンセントに直接挿し込むことができること。

無線LAN中継機

以前、別の中継機を使っていたこともあるのですが、

昔の中継機

こんなふうに本体と電源コードが分かれているので置き場所が必要で、配線もゴチャゴチャして邪魔でした。

その点、コンセント直挿しなら配線もないので使いやすいです。

無線LAN中継機を1階に

この中継機を1階の廊下に設置したおかげで、2階の階段を上がったところまでは電波が届くようになりました。

無線LAN中継機設置後の電波状況

しかし、ネットを利用したい2階の寝室では電波が不安定なのです。

いまひとつ届ききっていないという感じ。

ネット環境は安定して使えないとストレスを感じるもの。

どうしようか思案したところ、この無線LAN中継機をもう1台接続して、さらに電波の範囲を広げるという手段があることがわかりました。

無線LAN中継機の構成図
※製品マニュアルより引用しました。

うちの例にあてはめると、こんな感じでしょうか。

無線LAN中継機2台目設置後の電波状況

少なくとも、階段の上では安定した電波が拾えているので、これをうまく延ばせれば寝室でも使えるようになるはずです。

2階に中継機を設置

ということで、階段上の廊下にもう一台設置してみました。

すると、めでたく2階の寝室まで電波が届き、快適にネットが使えるようになりました。

やったね!

中継機の電波の強さ

電波がフルに飛んでいるほうが2階の中継機です。

でも、無線LAN中継機ならではの不便さもあります。

使っているデバイスがうまく電波を拾ってくれないと、せっかく強い電波が飛んでいるのに弱いほうの電波に接続してしまう場合があるんです。

まちがった電波を拾っている

たとえば、1階のリビングでルーターからの強い電波につなげたいのに、弱い中継機1の電波を拾ってしまうというような状態ですね。

こんなふうに電波の切り替えがうまくいっていないときは、接続したいWi-Fiを手動で選ばなければならないので、ちょっと面倒です。

まあ、今までネットが使えなかった場所に電波が届くようになったので、あまり文句は言えないのですが。

さて、延々と実家での無線LAN環境と中継機について話してまいりましたが、本題は「山小屋の母屋の電波を離れまで届けることができるのか」という問題でした。

次回は、山小屋に中継機を設置して離れに電波を延長しようと試みます。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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