(5)で、どこまでDIYでやれたの?
好き勝手に物件を作るにあたって、こころがけたことがあります。
それは「内装はできるかぎりDIYで仕上げる」ということ。
もちろん、できないことはたくさんあるんです。
トイレを新たに作るとなると、その空間を間仕切るための壁も作らねばなりません。
窓を新たに設置するとなれば、風雨にさらされる外壁を含めての工事となります。
当然ながら、電気・ガス・水道の配管といった専門領域は言うに及ばず。
それでも、常日頃、マンションで内装工事の現場を目の前にして「このていどなら自分でもできるかも」っていう不遜な考えが頭をよぎることも多々あったわけです。
本丸のマンションで試すのはリスキーですが、この山小屋なら多少の失敗は許されるかなと思いチャレンジすることにしました。
もちろん予算の問題もあります。
今回の工事では、珪藻土とかモザイクタイルとか、ふだんのマンションでは使わない建材を採用していますが、ふつうは専門の職人さんを呼ばねばなりません。
珪藻土なら左官屋さん、モザイクタイルならタイル職人さん、という具合ですね。
これをやるとグンと費用が跳ね上がるんですよ。
もうこれは、見積もりを取るまでもなく、絶対にムリ。
結局、「DIYへの好奇心」と「予算的な制約」という2つの理由から、内装のほとんどをDIYでやることにしました。
では、どこまで業者さんにお願いして、どこからDIYでやったのか、順に見ていきましょう。
まずはトイレから。
水道管やトイレ本体の設置は当然水道屋さんの仕事。
間仕切り壁の造作やドア枠やドア本体の設置は大工さんにお願いしました。
(いずれ詳しく書きますが、引き戸とくらべて開き戸は非常に設置が難しく、とても素人が手を出せる領域ではありません)
自分でやったのは、ドアの塗装、珪藻土、床のタイル貼りなど、表面的な仕上げの部分。
がんばったと言えるのは、奥の壁の丸い窓ですかね。
この窓、既存の窓の手前に壁を設置して、それを丸くくりぬくかたちでDIYしました。
ガラスの加工や密閉性の問題などがないので、予想したより簡単でしたが。
お次は洗面。
水栓やボウルの設置、配管などは水道屋さん、壁をふかして配線を埋め込む作業は大工さんと電気屋さんにお願いしています。
DIYでやったのは、珪藻土やタイル、木部の塗装です。
大変だったのはやっぱりタイル貼りですね。
モザイクタイルは端の収まりがきれいじゃないとみすぼらしい出来になってしまうので、そこは素人臭さが出ないよう、気合を入れました。
サンワカンパニーの「シャワーブース700」。
専門業者さんが設置作業してくれているので、僕はノータッチ。
床のウッドタイルはDIYで貼りました。
以前もご紹介した「西粟倉森の学校」の「コグチタイル」という製品で、50mm角でカットされた木製タイルが裏のゴムシートでつながっており、DIYでも施工しやすい構造。
思ったよりも簡単に貼れました。
手前左側の壁に貼ったのはエコカラット(Lixil)で、こちらもDIY。
右に写っている階段は、既存の木製階段をtoolboxが取り扱う「アイアン塗料」で何度も重ね塗りしてアイアンっぽい質感に仕上げました。
塗装はいたって簡単ですが、油性塗料ならではのキツめの臭いにクラクラしつつ、地味に塗り重ねるのが大変。
2階です。
アイアンの手すりは、業者さんに発注してオーダーメイドしてもらったもの。
設置に立ち会いましたが、きれいに収まるかヒヤヒヤしました。
天井や壁に貼られた木材は、すべてDIYで加工し貼りつけています。
技術的に難しいことはありませんでしたが、やれどもやれども終わらず、泣きそうなくらいつらかったです。
床はサンゲツの「ココフロア」。
ビニール繊維で編まれた独特のフロアタイルですが、カットも容易で施工は簡単でした。
アクセントクロスの壁ですが、はめ殺しの窓も含めて、壁の造作は大工さんの仕事です。
クロスは自分で貼りましたが、実はこれ、痛恨の失敗。
離れて撮ったプロの写真ではきれいに見えますが……
このとおり、近くでよく見ると「素人が失敗しました感」アリアリな残念な仕上がりとなってしまいました……。
こんな感じで目を凝らすとDIY部分の粗が目立つ箇所もあるのですが、遠目に見るとそれなりにさまになっているので「これくらいなら及第点だな」と思うようにしています。
しかし「DIYうんぬん以前に、そもそも工事前の山小屋ってどんな状態だったのよ?」ということで、次回はビフォア画像をお見せします。