(504)コンクリートの壁に穴を開けてプラグとビスでCDプレーヤーを固定する
今回はDIYでコンクリートの壁に穴を開け、プラグとビスでCDプレーヤーを固定するまでの一部始終をリポートします。
前回は無印の壁掛式CDプレーヤーをご紹介しました。
当初は専用のスタンドと組み合わせて置き型として使うつもりでしたが、ちょうどいい置き場所が見つからず、壁に取り付けることにしました。
熱海のマンションの壁は躯体あらわしなので、コンクリートに穴を開ける作業が必要でした。素人的にはこれはなかなかのハードル。
世田谷のマンションではコンクリートへのビス打ちはすべて職人さんにお願いしています。
重さのかかるシェルフや万一倒れたら大変な鏡など、安全にかかわる作業はDIYでやるべきではないというのが大家としての僕の考えです。
でも、近くで作業を見たり話を聞いたりはしているので手順や必要な工具などは知っていました。
壁掛CDプレーヤーていどならば、もし落下してしまっても大けがにつながることはないだろうと考え、DIYで初チャレンジしてみたのでした。
■作業の大まかな流れを確認
まずは大まかな流れを説明しておきたいと思います。
使うのは「振動ドリル」。専用のコンクリート用のドリル刃を先端につけて使用します。
これでグリグリと穴を開け、
その穴にコンクリートプラグを差し込み、
そこにビスを打ちます。
ざっくりまとめるとこれだけなのですが、プラグやビスのサイズ選びなども含めて、僕のように初めてトライする素人には、わからないこともたくさんあると思います。以下、順を追って詳しくリポートしていきます。
■設置場所を決めて、穴を開ける下準備
さて、取り付けるのはこちらのパーツ。
四つの穴をビスで固定し、上からプレーヤー本体を引っかける仕組みです。
設置位置を検討して大まかな場所を決めたら、
水平をしっかりと確認し、
穴を開けたいところに油性マジックで印をつけます。
■振動ドリルとドリル刃を用意する
コンクリートに穴を開けるには振動ドリルが必須です。
これは打撃を加える力を持ったドリルで、電動ドライバーやインパクトドライバーとはちがうのでご注意ください。
実は僕はインパクトすら持っていないので、職人さんに教わるまで「振動ドリル?インパクトとはちがうの?」みたいな感じでした。
そうそうしょっちゅう使うこともないと思うので、割り切ってAmazonでリーズナブルなものを選びました。
僕が購入したときの価格はなんと「4,074円」。こんなに安く買えるんだと驚きました。
ただし、先端に付けるコンクリート用ドリルの刃は付属していないので要注意。
こちらもAmazonで販売されている安価なもので済ませることに。
太さのちがう5本セットで、ひととおりそろって「751円」でした。こっちも安い。
セットでそろえても5千円いかないなら初心者でも気軽にトライできると思います。今後使う予定がないようならホームセンターなどでレンタルするのもありですね。
■ビスとプラグとドリルのサイズを合わせるのが大事
現場で職人さんに聞いた話では、ビスのサイズ・コンクリートプラグのサイズ・下穴を開けるドリル刃のサイズがちゃんと合っていることが大事なんだそうです。
ドリルで開けた穴が小さいとプラグは入りませんし、大きすぎるとプラグがしっかり固定されません。プラグよりビスのサイズが小さかったりするとグラグラしてしまうことも。
使用するビスのサイズから逆算して考えていくのがいいのではないでしょうか。
今回は「太さ4ミリ・長さ30ミリ」のビスを選びました。
これに合うコンクリートプラグは「S-5」というサイズ。
プラグのパッケージとビスの表記を照らし合わせると、
4ミリで適合しているのがわかります。
一方、このプラグを入れるのに必要な下穴の直径は「5ミリ」。
コンクリートドリルのセットの中から「5(ミリ)」と書かれた刃を選びます。
ドリル先端を手で回すと3つのツメが出てくるので、この真ん中にドリル刃をセットして付属の工具でしっかりと固定します。これで準備OK。
本来は打ち込むビスの長さに合わせてドリル刃にテープで印をつけ、穴が深くなりすぎないようにするらしいのですが、今回は出ている刃の長さがちょうど30ミリ強だったのでそのまま作業してしまいました。
ただ、振り返ってみると、
プラグの下穴は「35ミリ以上」と書かれていたので、30ミリの穴だと若干浅かったのではないかとも思うのですが、のちほど書くように問題なくプラグは穴に収まったので深く考えないことにしました。
■しっかり準備すれば穴開け作業自体は難しくはない
準備が整ったら、あとは実際に作業に取りかかりましょう。
先ほど印をつけた場所に刃の先端を当て、トリガーを引いてスイッチオン。けっこうな音が出ますので、平日の昼間におこなうことをすすめます。
最初は片手持ちの状態で作業したのですが、これだとうまく力が入りません。想像したよりも前方に力を込める必要があると気づいたので、
ドリルに付属していた補助の持ち手を取り付け、両手でグリグリと穴を開けました。
無事に開きました。初めての電動工具を扱う恐怖感はあったものの、難しい作業ではなかったと思います。
さすが振動ドリルだけあって、ちょっと作業しただけで手がビリビリします。
開けた穴にプラグを押し入れました。今回は手で入れることができましたが、入りにくいときは上からハンマーなどで叩いて入れましょう(現場の職人さんがやってました)。
これをくりかえして、四つの穴にプラグが入りました。
プレートをあてがってビスを打ちます。ドライバーにはたしかな手ごたえがあり、しっかり効いているのがわかります。
これを4回くりかえして、無事に設置完了。いざやってみるとあっさり終わりました。
■穴を開ける位置がずれて失敗したところも
とはいえ、失敗もあります。
よく見ると左下だけビスの締め方が甘いのがわかります。
実は、下穴の位置がずれてしまっていて、プレートの穴から下穴が半分も見えていない状態でした。ダメ元でトライしてみたらなんとかビスは入ったのですが、途中で止まってしまいました。
思えば、最初にドリルで穴を開ける際に、力の込め方がいまひとつわからず、回転した先端が印から微妙にずれてしまったような気もします。今回は4点で固定するプレートだったので強度的には問題はないと思いますが、初心者の方は気をつけることをおすすめします。
作業中にコンクリートを削った粉が舞い散るのにも要注意です。
手元にマスカーがなく養生なしで作業したのですが、終わった後にはけっこうな範囲で雑巾がけをしなければなりませんでした。もし、周囲に家具や小物がたくさんある部屋だったらと思うとゾッとします。やはり養生は必須ですね。
■ぐらつきなくしっかり固定できた
CDプレーヤーを掛けてみました。
ガッチリ固定されて、まったくぐらつきもありません。本体の重さもたかが知れていますし、これならまず落下の心配はないでしょう。コンクリートにビスを打つのは初めての体験でしたが、まずまずの成功でした。
エアコンのリモコンや重さのかからないフックていどなら、DIYで取り付けてもいいかなと思いました。
壁掛けにしたおかげで部屋がすっきりしたのはうれしいです。やっぱりこのプレーヤーは壁付けがいちばん見栄えがしますね。
先日ご紹介したマットソンチェアに腰かけて音楽を流すとなんとも優雅な気分。
せっかく振動ドリルも買ったし、今度は壁掛けのCDホルダーを探してきて、CDをディスプレイできるようにしてみようかなと思います。