(511)キッチンの壁にDIYでタイルを張るための準備をする
昨年の秋は立て続けに二部屋の空室が出たものの、一室はすぐに申し込みをいただいて埋まり、もう一室は身内に貸し出すことになりました。
引っ越しは春の予定なので少しだけ時間があります。将来、再びお客さんに貸し出すことも視野に入れつつ、物件にプチリフォームを加えておこうと考えました。
手を入れるのはキッチンです。
一人暮らしで簡単な料理がメインになると想定して設置したサンワカンパニーのコンパクトキッチン「ミニモラス」です。8年の賃貸期間を経て蓄積した汚れはクリーニングで落とすとしても、今見るとキッチンまわりの構成に不満を感じます。
まず気になるのが、頭上の白い棚。
ツイストした独特のデザインの棚受けですが、以前からこのキッチンに合ってないなと感じていました。ところどころサビも目立っていますし、棚ごと交換したいと思います。
壁に設置したのはこのブログではおなじみのIKEA(イケア)の「GRUNDTAL(グルンドタール)」シリーズのキッチンレールなのですが、二つのレールがなぜか分かれて設置されているのが不格好。
とまあ、いろいろ文句を言ったものの、これを機に壁にタイルを張りたいので、収納器具を外してしまいたいというのが本音。
そんなわけで、今回から数回にわたって収納との絡みを考慮しながら壁にタイルを張ってキッチンをプチリフォームしていこうと思います。
■のちのち収納レールを取り付ける前提でタイル計画を練る
まずは既存のレールなどの取り外しから始めます。外すだけならDIYでもできたのですが、今回は他の作業のついでに業者さんに作業してもらいました。
その際、DIYでタイルを張る旨を伝えて注意点を尋ねておきました。以前、トイレの床にタイルを張った際に冷や汗をかきましたが、素人考えで勝手に見切り発車してしまい、あとになってトラブルに見舞われるのはもうごめんです。
業者さんから言われたのは「キッチンレールなどを固定するビスを打つ場所にはできればタイルを張らないでほしい」ということでした。
タイルの上からビスを打つ作業はタイルに穴を開ける際に割れを引き起こすリスクを伴います。
しかも、このキッチンの背後の壁はコンクリートの躯体。
先日、熱海のマンションに関する記事で書きましたが、コンクリートの壁には簡単に穴を開けることはできません。ビスを打ちこむにも振動ドリルで穴を開けるため、タイルに与えるダメージが大きくなり、割れるリスクも高まるというわけです。
赤で示した部分がタイルを張る場所。真四角で障害物もないのでタイル選びの自由度は高いなと思っていたのですが、もしビスの部分を避けてタイルを張るとなると、大判のタイルは使えません。
当初はtoolboxの「古窯70角タイル」のグレーかブルーを考えていたのですが、これだと一枚のサイズが大きいのでビスを打つ部分だけタイルをカットして切り抜く必要があります。グラインダーによるタイルカットは以前も何度かトライしているのでできなくはないのですが、できれば避けたいなあと思い、「古窯70角タイル」の採用は断念することに。
DIYに際しては「自分のこうしたいという気持ちを貫く」よりは「自分の技術=現実と理想をすりあわせる」ことを心がけると大失敗しにくいと思います。
代わりに選んだのが、小粒のモザイクタイル。先日も洗面のニッチに張ったばかりですが、一辺が10ミリとあって、どんな場所にもカットなしで収まってくれるのでDIYには最適。
しかも、カラーバリエーションが豊富なのでインテリアに合った色が選べます。
キッチンを横目にサンプルとにらめっこし、グレーかブルー系でいくことに。
思案の末、「B7」の「パールグレー」に決めました。
1シートは30センチ×30センチの正方形なので、壁を測量して収まりを検討します。
高さ74センチ、横幅150センチでしたから、
横はピッタリ5シート、タテも2.5シート弱なので、13シートあれば十分だと見当がつきます。
注文は、以前と同じくタイルオンラインで購入しました。
「1,040円」が13シートで「13,520円」(3,980円以上送料無料)。
サクッと届きました。
今回はビスの位置のみタイルを取り除くので、接着時に表面が見やすい「裏ネット張り」(個々のタイルを裏面のネットでつないだシート)で注文しました。表面に紙が貼ってあるタイプより50円増しではあるものの、シートとシートの継ぎ目を合わせやすいのでDIYにはおすすめです。
■タイルのどこにキッチンレールが付くかを確認する
さて、ここからが今回のいちばんの山場。
タイルを床に仮置きしながら、キッチンレールの位置を検討していきます。
まず、シートを13枚ならべてから、
測量したサイズに合わせてシートをカットし、
タイルを置き直しました。計算に間違いがなければ先ほどの壁にぴったり収まるはずです。問題はここにどんなふうにキッチンレールを配置するかです。
もともと設置されていたキッチンレールは「56センチ」と「80センチ」のレールでした。
2本を連結してみても150センチの幅に対してこの2本では長さが足りません。
横幅ぴったりにレールを収めたいので、
同じく「グルンドタール」シリーズの伸縮棚からポールを拝借することに。
矢印で示した部分が伸縮するので、これで置き換えれば、
キッチンの横幅に合わせて調整し、ぴったりと収めることができます。
あらためて高さにも問題ないかを確認したら、
今度は仮置きしたタイルの上に置きます。
すると、ビスを打つ穴がかぶるタイルがわかるので、
油性ペンで印をつけます。
このタイルをはさみでパチッと切り離します。
この穴を狙えば問題なくビスが打てますね。
同様にマグネットナイフラックを取り付ける位置のタイルにも印をつけて切り取ったら準備完了。
次回はこのタイルを壁に張り付ける作業をおこないます。