(515)IKEAのクングスフォルスの設置と購入について考える
前回に引き続きIKEA(イケア)のキッチン収納シリーズ「KUNGSFORS(クングスフォルス)」の話。
今回は、職人さんに取り付けてもらったときにかかる費用の一例をご紹介し、店舗やネットでの購入方法の比較もおこなってみようと思います。
■下地に問題がなければキッチンレールはDIYで設置できそう
IKEAの製品は、基本的にパーツをバラした状態でコンパクトにパッキングされており、自分で組み立てて設置することが前提にされています。
少々面倒ではありますが、僕も組み立ては自分でおこなっています。
キッチンレールならば大した重さはかからないのでDIYで設置することもあります。なお、ビスは付属していないので自前で用意する必要あり。
大事なのは下地の確認で、壁の中に柱がある場所を狙うようにしないと、ビスがちゃんと効かずに外れてしまう怖れがあります。既存の壁に後から設置する場合は要注意です。
もしキッチンリフォームなどでIKEAの収納を施主支給しようと考えている方は、造作する壁面の全面に木下地を入れておいてもらうよう、あらかじめ大工さんに頼んでおくのが大事です。下地さえしっかりしていれば、素人が取り付けてもそれなりに強度が出せると思います。
■重たい棚の取り付けはプロにお願いしたほうが無難
問題はパイプ棚の設置です。
クングスフォルスの棚はオールステンレスなので、ずっしり重いです。これが落下しないようにしっかりと固定するのは素人には簡単な話ではありません。
持ち上げるだけでけっこうな力がいりますから、プロでも二人がかりで作業することがあります。
「壁の中に下地があるかないかわからないし、どうやって調べればいいの?」なんてレベルなら、絶対に自分でやらないほうがいいと思います。下地の位置がわかっても、どのていど長さ&太さのビスで固定すればいいのかだって迷いますしね。
この種の棚は頭よりも高い位置に設置することもよくありますから、落下したら大けがの可能性もあります。そのリスクを負える人だけがDIYでやるべきです。
僕の場合、お客さんに部屋を貸すのが商売ですから、万一があってはいけません。家族がケガするのもイヤなので、棚の設置は自室も含めて100%プロにお願いしています。
プロにお願いするメリットは他にもあります。
前回、60センチの棚の間に56センチのレールを収めてもらった事例を紹介しました。
実は、このレール、金具同士がぶつかって収まりがシビアだったのですが、
大工さんがワッシャーをかませたりしてうまく金具の干渉を避けて設置してくれました。こういう臨機応変な対応ができるのもプロにお願いするメリットです。
■大工さんによる設置費用の一例
じゃあ、設置費用はどれくらいかかるのか?
人件費については明確な相場があるわけではないので、うちのマンションの事例を参考に挙げておきましょう。
以前、空室となった部屋をIKEAの製品でアップデートした事例をご紹介しました。
このとき、キッチンをはじめ、玄関やら洗面やらにさまざまな棚やレールを設置してもらいました。
これらをぜんぶ設置してもらったときの人件費が「29,000円」でした。購入した商品の総額が3万円強でしたから、ほぼ同額の人件費を投じた計算になります。
高いと思う方もいるかもしれませんが、大工さんをまる一日拘束しての作業でしたし、人件費としては適正だと思います。頭上への設置も多かったですし、安全と安心をお金で買ったと思えば安いとすら言えるかもしれません。
なお、キッチンの棚だけの設置ならば設置費用ももっと下がるかもしれませんが、現場に来てもらう出張費を考えると、ちょっともったいないですよね。業者さんに頼むときはいろいろまとめてがおすすめです。
■都心の店舗は使いやすいが扱いのない商品も多い
ここからはIKEAの製品をどこで買えばいいかを考えていきます。
IKEAの製品は安価で便利なのですが、入手については悩みが多いです。
もし、郊外の大型店舗にアクセスできるなら、それが断然おすすめです。基本的に扱いのない商品はないので、今回ご紹介したレールや棚や小物は(品切れでないかぎり)すべてそろえることができます。
ただ、港北や立川などの店舗は、万人がアクセスしやすいとはいえないのが難しいところ。
それにくらべ、原宿や新宿、渋谷にある小規模&中規模の店舗は東京にお住いの方なら気軽に訪れることができるので便利です。
僕もよく別の用のついでに訪れます。
しかし、棚板のように設置に手間のかかる大きな商品の扱いはほとんどないのが難点。
店内を歩いていて「お、パイプ棚もある」と思ったら、
オンラインストアで買えって言われちゃった。キッチンレールにしても長さによっては取り扱いがなかったりと、都市型の店舗は今ひとつ使いづらいのです。
■ネット通販はかなり割高だが、条件次第ではアリか
では、IKEAの公式ショップで購入し、配送をお願いしたらどれくらいの送料がかかるのでしょうか?以下のページに記載がありました。
「Sサイズ(3辺合計80cm以内)」なら「500円」、「Mサイズ(3辺合計120cm以内)」なら「800円」、「Lサイズ(3辺合計160cm以内)」なら「1,500円」だそうです。棚板やレールだとLサイズでしょうか。
「IKEAの通販は面倒くさいな、アマゾンや楽天でも扱いあるけど、どうなの?」という方もいるでしょう。
今回ご紹介した製品の価格を調べてみましょう。
やっぱり、いろいろ「のっかってる」せいでしょうか、高く感じてしまいます。たとえば、店舗で買って「899円」の40センチのキッチンレールが、アマゾンで「2,070円」はなかなか厳しい。
しかし、プライム対象商品なら会員は翌日とか翌々日に届けてもらえるのは魅力。僕も忙しいときには「時間をお金で買う」つもりで購入します。
特に、棚板のようにそこそこ大きくて都市型店舗で扱いのないものならネット通販もアリでしょうね。たとえば、「3,999円」の棚板はアマゾンで「5,880円(送料込み)」で売られていましたが、IKEAの公式で購入しても1,500円の送料がかかるので大差ない金額になってきます。
足を運ぶ手間をかけて安くあげるか、時間をお金で買うか。
悩ましいとは思いますが、「実物をいろいろ見てみたいから実店舗に行こう」とか「どうしても明日までに欲しいのでお急ぎ便で済ませよう」とか、そのときどきの状況に応じて決めるのがいいでしょうね。
最後に製品の値上がりについて。
驚くような低価格が売りのIKEAの商品も値上がりの波から逃れることはできません。
どちらも3年前の価格です。「2,999円」だったクングスフォルスの棚は「3,999円」に、「3,499円」だったグルンドタールの棚は「4,999円」になりました。3年で30~40%値上がりした計算です。購入を検討しているなら、お早めにどうぞ。