(654)フロアタイルと壁紙を組み合わせてインテリアの色味をそろえる

引き続き、和室テイストにリフォームした部屋の話です。
(652)マンションで唯一の和室テイストのインテリアを紹介する
障子を残し、小上がりを造作してココフロアを市松張りにすることで和室の雰囲気を出したこの部屋ですが、いちばん気をつかったのは「床材&壁紙選び」でした。
今回は、障子の色に合う「ナチュラルな木目調」の壁紙やフロアタイルを見くらべて、色味をそろえて統一感のある組み合わせにたどりつくまでのプロセスをご説明します。

向かったのは品川にあるサンゲツ(sangetsu)のショールーム。
以前も書きましたが、サンゲツの木目調のフロアタイルはうちのマンションのリフォームの定番です。

プリントと凹凸を多層的に組み合わせることで、パッと見「本物の木?」と思うようなリアルな質感を演出しつつも、クッションフロアよりやや高いていどのリーズナブルな価格を実現しているのは素晴らしいと思います。

厚みも薄いので既存の床への重ね張りにも向いています。塩ビタイルですから防汚性能にも優れますが、万一破損したら一部だけをはがして交換も可能。築古の賃貸リフォームにはうってつけの素材だと言えます。

ラインナップの豊富さも大きな魅力です。
前々回、部屋のインテリアを決める出発点が障子だと書きましたが、

豊富なバリエーションの中から、この障子にマッチする白っぽいナチュラルなフロアタイルをピックアップしていきました。

たとえば、メイプル系の「JK-702」(左)と「WD-771」(右)や、

オーク系の「WD-703-W」(左)と「WD-719」(右)など(品番はいずれも2019年のもので現在とは異なります)。
ならべて見くらべながら、「個人的な好みでいえばオーク系の木目のほうが好みだよな」とか、「障子と組み合わせるなら木目が優しいメイプル系のほうがマッチするかな」とか、いろいろ考えます。
さらに、今回は壁紙との組み合わせも考慮しなければならないのを忘れてはいけません。

壁紙のサンプルボードと組み合わせたりもしながら、色味の近いコンビネーションを探っていきます。
この時点では、無理にひとつの組み合わせに絞る必要はありません。めぼしい品番をメモしてサンプルをもらって帰りました。

帰宅したら、自然光の元であらためてフロアタイルと壁紙を眺めて、ベストな組み合わせがどれか考えます。ごらんのとおり「白っぽいナチュラルな色味の木目」と言っても、その中にもさまざまなカラーバリエーションがあるので、これらをならびかえたりしながら「もっとも色味がぴったりそろいそうなフロアタイルと壁紙の組み合わせはどれか」比較検討するのです。
その結果、

この組み合わせがいちばんしっくりくると感じました。

フロアタイルは「JK-701」、壁紙は「TH-8945」です。この組み合わせなら色味はばっちりそろっているので大失敗はしないはず。強いていえば、フロアタイルが板目なのに対し壁紙のほうは柾目で木目柄が異なるのですが、これがどうなるかは気になります。

業者さんにわたすリクエストに品番を赤字で追加したら、僕の仕事はひとまず終了。あとは職人さんにおまかせして実際に施工されるのを待ちます。

前回も触れましたが、壁紙とフロアタイルを施工してくれる職人さんは非常に腕の立つ方で、とてもきれいに施工してくれました。

床と壁の色味はほぼ完ぺきにそろっていますし、木目柄のちがいがあるおかげでインテリアが単調になり過ぎない効果が出た気がします。個人的には大満足です。
では、最終的な仕上がりをプロの写真でどうぞ。

障子との組み合わせも申し分ありません。
ご注目いただきたいのは左に見える白い壁に配した小物類。

無印良品の「壁に付けられる家具」シリーズを取り付けました。
うちのマンションでは欠かせない壁かけの姿見(「ミラー 中」)や、
定番の「フック」に加え、
今回は和室風のインテリアなので「長押」も付けてみました(写真奥)。
「オーク」はナチュラルな色味なので今回の部屋にぴったりマッチします。
ここまできたらスイッチもそろえたいということで、

木製のプレートを用意しました。
こちらはアメリカンスイッチを多数扱う「RCカンパニー」で購入しました。

出発点となる障子に合わせ、天井の壁紙、床のフロアタイル、スイッチプレートや収納家具など、頭を悩ませて選んだかいがあって、統一感のあるインテリアができたと自負しています。
もちろん、あえて異なる色味の木材を組み合わせてみるのも面白いのでしょうが、どちらかといえばインテリア上級者向けの手法。僕のような素人にとっては、今回のように色味をなるべくそろえるように心がけるのが、インテリアをきれいにまとめる無難な方法なのだと実感しました。
次回はフルリフォームにかかった費用の話。