(687)【前編】ふすまのリメイク:紙をはがしてペンキで塗装する
前回、床にパーケットフローリングを敷きました。
(686)スクエア型フローリングを(固定せずに)置くだけで使ってみた
これで、天井・壁・床のリフォームが終わりました。

かなり部屋の雰囲気も改善され、リフォームの成果が実感できますが、

こうなると古くて薄汚れたままのふすまが俄然気になってきます。
これから数回にわたって、このふすまのリメイクをおこなっていきます。前編となる今回は塗装によるリメイクをおこないます。
■「開けられるふすま/閉めたままのふすま」の区別をつけたい
まず、この部屋のふすまに固有の事情からご説明しましょう。
簡単な間取り図をごらんください。

この部屋は四方を別の部屋に囲まれ、ロールカーテンがある壁をのぞく三つの壁にそれぞれふすまが設置されています。一般的なものと同じく引き違いのふすまなのですが、問題があります。

室内に設置する予定のベッドや隣り合う部屋のレイアウトの都合で2枚のふすまのうちの片方はどれも開くことができず、実質的に閉まったままになるのです。

そこで、「開けられるふすま/閉めたままのふすま」を異なる方法でリメイクすることで両者を視覚的に区別したいと考えました。
初めて訪れたゲストの方が一目で「開けられるふすま」を視認できることが大事なので、「閉めたままにするふすま」を周囲の壁と同じ塗料で塗装して存在感を薄め、壁の一部のように見せようと思います。
■ふすま紙は濡らしてからスクレイパーではがす
では、リメイクを始めましょう。

もともとこんな感じでふすま紙がはがれかけていたので、

引っ張ると簡単にビリっと破れるのですが、はがれずに下紙が残る箇所もあり、

カッターを駆使してはがしたりもしましたが、

それでも取れない下紙がけっこう残りました。

残り方に個体差もあります。

ここから先は床に置いて作業。

ふすま紙をしっかりとはがすには霧吹きで濡らすのが大事。

シュッシュッと吹きかけて、

水分が浸透するのを待ちます。

すると、さっきまではがれなかった紙もあっさり取れました。

この作業、カッターでも可能ですが、できればスクレイパーがあるとラクになります。
以前、熱海の物件で使ったOLFA(オルファ)の「ハイパースクレーパー200」です。

コンクリートの躯体に貼られた壁紙とくらべ、木に貼られたふすま紙は簡単に取れました。半世紀以上経っているので経年劣化していたからでしょうか。

かなりきれいにはがれました。

3枚すべてをはがし終えるのにかかった時間はおよそ2時間。
■シーラーを塗ってから珪藻土塗料で壁と同色に塗る
続いては塗装作業に入ります。

枠部分をマスキングテープで養生したら、

おなじみのシーラー「アクドメール」の出番です。
木材にペンキを塗るときには、このシーラーを下塗りすることで木の内部のアク汚れが表面に上がってくるのを防ぐことができるのです。

原液のまま一回塗りで済ませましたが、本来は薄めて一回、原液で一回の二度塗りが推奨されています。

シーラーが浸み込むと手前のように濡れ色がつきます。塗り残しのないように気をつけましょう。

下塗りが済んだらペンキによる塗装です。
先日、珪藻土の壁に上塗りしたのと同じ「U SELECT」の珪藻土塗料で、色は「SMOKE(スモーク)」です。

これをローラーで塗り付けていきます。道具や塗り方は先日壁を塗ったときと同じなので、そちらを参照ください。
(684)珪藻土の壁の上から珪藻土塗料を重ね塗りしてみた
ムラの出にくい塗料なので塗装は難しくはありませんが、

油断すると細かい塗り残しが出るので注意しながらの作業です。

一度塗りでバッチリ色が付いたので、二度塗りはしないことにしました。

乾く前にマスキングテープをはがします。

あとは乾くのを待つだけ。

塗装直後は黒くて光沢のあった表面も、

徐々に乾くと表情が変わっていき、

ダークグレーで落ち着いた仕上がりになりました。
完成後の姿をごらんください。

木材を張った左のふすまに目が行きがちですが、そこは僕の狙い通り。
右のふすまは壁と同色になったので、まるで袖壁のように見え、建具としての存在感は消えました。よほどのことがなければこちらを開けようとはしないでしょう。

冒頭にお見せしたリメイク前の状態とくらべると一目瞭然。リメイク後は一枚しか建具がないように見えますね。
次回は「開けられるふすま」のほうに木材を張ってリメイクします。

















