(195)9坪ハウスに泊まってきたのでディテールについて紹介する
前回、キッチンの壁に珪藻土塗料を塗り終え、続いてはタイル張りの作業に入りますが、今回はちょっと箸休めして「9坪ハウス」のことを書きたいと思います。
「9坪ハウス」については、以前、ブックレビューでご紹介しました。
この最後で「9坪の宿 スミレアオイハウス」がオープンしたことに触れました。
先日、取材を兼ねて宿泊することができ、「日刊Sumai」の連載で原稿を書きました。
宿泊体験記と、
【宿になった9坪ハウス「スミレアオイハウス」を妻と一緒に満喫してみた】
宿の管理をなさっている萩原葵さんに聞いた9坪ハウスの住み心地。
【「9坪ハウス」の住み心地。4人家族+猫2匹で20年住んだ感想は?】
このブログでは紙幅の都合で紹介できなかった「9坪ハウス」のディテールについてご紹介したいと思います。
まずは外観から。
驚いたのがインターホンが設置された場所。
建物に向かって左の木の幹に据え付けられていました。
これは面白いアイデアですね。
難点は来客に気づいてもらえない可能性があることですが、インターホンの使用頻度が低い民泊ならば問題ないのかもしれません。
では、室内に参りましょう。
一階の面積はたったの9坪ですが、吹き抜けのおかげで広々としています。
まず注目は、階段脇の壁に付けられたハンガーフック。
なんともユニークなかたちです。
布と木を組み合わせたハンガーも素敵。
こちらは一階のリビングに隣接した和室。
ここに設けられたスイッチがまた珍しいものでした。
ナショナル(National)時代のスイッチ&コンセントですが、こんなダブルスイッチは初めて見ました。
極細スイッチで、メインの照明と床の間の間接照明が操作できます。
これは欲しい!と思ってググりましたが、残念ながらパナソニックには後継製品はないようです。
こういうの、築古の家屋を解体したときに取っておけば欲しがる人はいそう。
そういうことやってるショップとかあるんだろうか。
お次はキッチン。
造作家具でシンプル&コンパクトにまとめられたキッチンですが、ちょっとレトロな電子音のレンジがいいんですよ。
「RSR-S14E」というビルトインタイプのオーブンで、リンナイ(Rinnai)製でした。
二階にやってきました。
階段上がってすぐにはこんな鳥形のフックが。
この家が建てられた当時のものだそうです。
部屋の隅にはこんな子ども用の椅子も。
この家のインテリアを手がけたデザイナー・小泉誠さんによるもの。
一階のリビングに置かれた丸テーブルを囲む椅子の数々も小泉さんによるデザインです。
萩原さんによると、どれももともとこの家で使われていたもので、民泊を始めるにあたって生地を張り替えたんだそうです。
張り替えを手がけたのは東京あきる野市の「fujitake works」。
【布と革と刺繍 TETOTE/椅子の張替え FUJITAKE WORKS】
古い椅子が張り替えられて生まれ変わっていくブログは見ているだけで楽しく、「スミレアオイハウス」の椅子についても紹介されていました。
あきる野市に拠点を置いているということで山小屋からもそう遠くないし、機会があれば僕もお願いしてみたいなと思いました。
こちらの「スミレアオイハウス」にはとにかくたくさん椅子があります。
一階のリビングに置かれたどっしりとした椅子。
大きな窓に面していることもあり、腰をおろしてゆったり過ごすには良い椅子です。
二階の奥にある収納の中にも椅子が。
ワークテーブルには2脚ありますし、
椅子好きなら、座りくらべも楽しいかもしれません。
こんな具合にわずか9坪の中に楽しいディテールが詰まっています。
「9坪の宿 スミレアオイハウス」はAirbnb(エアービーアンドビー)で宿泊予約が可能。
宿泊料金は税込みで「31,193円」(一棟貸し)と決して安いとは言えませんが、今ならGo toキャンペーンで割引がきくので絶好のチャンスと言えましょう。