(200) シルバーグレーのアイアン塗料をキッチンのカウンターに塗ってみた
前回、ようやく壁にタイルを張り終えました。
ごらんのとおり、この時点でカウンターには塗装が施されておりますが、今回はここに塗ったアイアン塗料についてお話したいと思います。
アイアン塗料といえば、塗装した物をまるでアイアンのような質感に変身させることのできる大変個性的な塗料です。
ご興味ある方も多いらしく、わりとたくさんの方にお読みいただいています。
これは山小屋の階段ですが、昔大工さんが造った木製の階段を、アイアンの手すりに合わせて塗装しました。
重ね塗りで厚い塗膜を作ることができ、足で踏んでも簡単には剥げません。
塗装面の丈夫さもアイアン塗料の魅力だと思います。
このアイアン塗料を知ったのはtoolboxのショールームを取材したときなのですが、製造元はシュペンパンザー(Schuppenpanzer)というドイツのメーカーなんだそうです。
もともとはヨーロッパなどでよく見られる鉄製の門や柵(いわゆる「ロートアイアン」)を補修するために用いられるそうです。
風雨にさらされるエクステリアに塗装可能な耐水性があるのならキッチンにも使えるのでは?と考え、今回のキッチンへの採用にいたったわけです。
ただ、「いかにもアイアン」という武骨な印象を与える「ブラック」のカラーは、ステンレスの業務用キッチンを中心とした今回のインテリアには合わないのではないかと思い、他の色を選ぶことにしました。
こちらはtoolboxの許可を得て転載させていただいたカラーサンプルです。
カラーバリエーションも豊富ですが、選んだのは「シルバーグレー」。
今回のキッチンにいちばん無難にマッチしそうであることと、以前、移転前のtoolboxのショールームで実際に塗装されたドアを見たことがあったので「思ったのとちがう」みたいなことにならないで済むかなと考えたためです。
ごらんのとおり、シルバーというよりは、やや青みがかったグレー。
実を言うと、ブラウン系の「コッパー」や、「モスグリーン」なども気になったのですが、塗装サンプルも見ずに決めるのも怖かったですし、コロナ禍のなか、ショールームに出向くのもためらわれ、無難なシルバーを選びました。
専用のうすめ液と合わせて注文しました。
アイアン塗料は1リットルと2リットルの二種類しかなく、少量での購入ができません。
1リットルでも1万円近くしますから、ちょっとしたDIYには使いづらいのが難点でしょうか。
カウンターまわりをしっかり養生して準備します。
塗料を開けてみると、あいかわらずのキツいシンナー臭。換気は必須です。
塗料バケツに移し、油性用のハケで塗っていきます。
手につくと厄介なので軍手をしましょう。
二度塗り前提の塗料なので、あまりムラは気にせず、まんべんなく塗っていきます。
揮発性の塗料なので、あるていど時間が経過すると塗料がもったりしてきます。
そういうときは専用のうすめ液で希釈してあげましょう。
これでだいぶ塗りやすくなります。
上部の収納棚も塗っていきます。
まずは一度目の塗装が終了。
まだまだ下地が透けて見えます。
日をあらためて二度目の塗装をおこないました。
重ね塗りすることで、下地をしっかり覆うことができ、ムラも目立たなくなります。
以前、階段に塗ったときは凹凸が目立つようにわざとボッテリと重ね塗りしましたが、
今回は平坦な仕上がりを目指し、塗膜が均一になるよう丁寧に塗装しました。
多少の筆ムラは気になるものの、まずまずの仕上がり。
なお、ブラックの場合は、この上からやすりがけして独特の金属感を出しますが、カラーのアイアン塗料では基本的にはやすりがけはしません。
よく見るとブラックの中にキラキラした粒が混じっているのがわかると思いますが、これが他のカラーには混ざっていないためです。
この質感のインパクトを求めるならブラック一択でしょう。
さて、二度目の塗装が終わりました。
先ほど「青いみがかったグレー」と評しましたが、光の当たり方によっては「ライトグレー」っぽくも見えますね。
養生を外してみると……
こんなふうに仕上がりました。
ちなみに、塗り残しに見える部分はキッチン本体で隠れる部分なので問題ありません。
このあたりまで出来てくると、終わりが見えてきたなと感じられます。
次回は、床にタイルを張ります。