(243)洗面にモザイクタイルをDIY【前編】~クローシェマーブルを接着する
引き続き6年ぶりに空室となった世田谷のマンションの話です。
僕が大家業を引き継いだばかりで右も左もわからない頃にリノベーションした部屋とあって、今の自分から見ると「手を加えればもっと良くなるかも」と思わせられる部分が散見されます。
そのひとつが洗面。
建設会社のKさんの提案で造ったニッチは今でも気に入っています。
今回はここにモザイクタイルを張りつけてリニューアルしてみたいと思います。
タイルのDIYについては飽きるほど何度も書いてきました。くりかえしDIYをやっていると素人のくせに妙に慣れてしまい、油断して毎回どこかしら失敗するという体たらくが最近は続いております。
施工面積も狭い(幅35センチ×高さ28センチ)ことですし、我流に走らず基本に忠実で丁寧な作業を心がけたいと思います。タイルDIYの基本のおさらいと思ってお読みください。
張るのはこちらのタイル。
平田タイルの「クローシェマーブル」。以前、離れのトイレの床に張ったときの余りです。
ヘリンボーン組みが印象的な小粒のモザイクタイルです。
まずはサイズ合わせのための仮置きから始めます。
1シート分(291ミリ×282ミリ)を壁に合わせてみると、若干タテが余ることがわかりました。
このタイルは「裏ネット貼り」といってタイルの裏側を網でつなげているので、これをカットすれば切り離すことができます。
一方、ヨコは数列足りないので、別のシートをカットして埋めます。
ざっくり1.2シート分くらい使用しました。
大まかなサイズがわかったので床にならべてレイアウトを確認します。
気になるのは上下の三角形のスキマ。
ここはカットしたタイルで埋めることにします。
以前に余ったカット済みタイルがあったのでこれを使います。
カット方法を以前の写真でおさらいしましょう。
最初に裏のネットを外してバラバラにします。
タイルニッパー(喰い切り)を準備します。
アマゾンで買いました。
これでタイルを挟み込み、
力を込めてバキンと割ります。破片などが飛ぶのでビニール袋をかぶせて作業したほうがいいです。
こうしてスキマ埋め用のタイルができました。
これをスキマにならべて、
レイアウトが完了。
続いて接着作業に入りますが、その前に養生を。
手前は汚れやすいのでマスカーで広く養生。一方、側面の壁は塗装が剥がれないように粘着力弱めのテープを優しく貼りました。
養生が済んだら接着に必要な道具の確認です。
左上から①養生テープ②ペイント用うすめ液③キッチンペーパー④クシ目ゴテ⑤コテ⑥ビニール手袋⑦コテ板(代わりのプラまな板)と段ボール紙。
大事なのは道具をしっかり養生すること。
張り付けに使用するボンドは水洗いしても落ちません。
アクリルエマルジョン系の接着剤。セメントの接着剤とくらべてゴムのように弾性のある仕上がりで強い接着力を発揮してくれます。
今回は以前ホームセンターで買って余ったものを使います(もし足りなかったら背後に見えている大きめのパックを使うつもりだったのですが、結局開けずに済みました)。
コテ板にボンドを絞り出したら、
コテでニッチに塗りつけます。
全面塗り終えたからといって油断は禁物。
こんなふうに厚めに塗り過ぎた部分をコテでならし、余分なボンドを取り除かねばなりません。
これをしておかないと、タイルとタイルのスキマから余分なボンドがはみ出して厄介なことになります。
ボンドが薄く塗り伸ばされたのを確認したら、
クシ目ゴテで表面に凹凸をつけます。
タテとヨコにそれぞれ一回ずつ。
これでボンド塗りが完了しました。
ずれないように端から合わせつつ、慎重にタイルシートを接着します。緊張の瞬間。
剥がれたり落ちてきたりしないよう少し力を入れて圧着します。
シートを接着した後はスキマにカットしたタイルを張っていくのですが、
タイルの裏面にちょんとボンドを塗ってやると接着しやすいです。
タイルを持つ手が震える細かい作業。ピンセットを用意するべきだった……。
残念ながら、このいちばん小さなスキマにはタイルをうまくはめ込むことはできそうにありませんので今回はあきらめます。
いちばん小さなピースは余ることとなりました。しょうがない。
タイルを張り終えて全体を見渡してみると、
目地から余分なボンドがはみ出ているところが見つかるかもしれません。
ボンドが固まってから削り取るのは大変な作業なので、まだ柔らかいうちにカッターの刃やつまようじなどで余分なボンドをかき出してやります。
タイルの表面が汚れてしまったら、うすめ液を浸み込ませたキッチンペーパーでふき取ります。
うすめ液でボンドが溶けて落ちます。張ったばかりのタイルがずれたり剥がれたりしないように優しく丁寧に。
タイルの接着が完了しました。この時点ですでに素敵な雰囲気が漂っております。早くも目地入れが楽しみですが、後片付けも忘れずに。
道具に貼った養生テープを剥がすと、
先端だけにボンドが付いている状態になるので、これをうすめ液でふき取ってきれいにします。
道具の清掃が終わったら今日の作業はおしまい。
明日(次回)はボンドが乾くのを待って目地入れをおこないます。